海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

新緑の季節

2009-03-06 19:29:46 | 生活・文化
 沖縄はこの数日雨模様の日が続いている。今帰仁の実家の庭にある池では、アタビチャー(蛙)がうるさいくらいに鳴いている。時々サージャー(白鷺)や青鷺が池に飛んでくるのだが、鯉や小赤を食べ尽くし、最近は蛙を狙っている。池の蛙は米軍車両の泥にひっついてベトナムから来たというシロアゴガエルが多いのだが、しばらく前に久し振りにゥワータ(リュウキュウアオガエル)を見た。庭の芝生の上にいたのだが、外来種に負けずに池で繁殖してほしいものだ。ちなみに子どもの頃、ゥワータのシーバイ(小便)を目に入れると、目が見えなくなると言っていたのだが、実際はどうなのだろうか。
 家では鉢植えのツツジが赤、白、紫、ピンクと満開になっている。ブロック塀に這わせた紫のブーゲンビリアも満開で、その下に植えてあるイッペーの黄色と華やかな対比をなしている。それに比べて地味ではあるが、庭のあちこちでスミレも咲いていて、中に白いスミレが三株ある。裏庭ではテッポウユリが数え切れないくらい芽を出し、すでに二十センチくらい伸びているのもある。両親が近くの山から取ってきて植えたものが、種でどんどん増えていて、邪魔になって引き抜いているくらいだ。
 他にはシークヮーサーやマンゴーも花を咲かせている。黒木の赤みを帯びた若葉や、ヒレサンショウの若葉と黄色い花が、雨に濡れて艶やかさを増し、ヤンバルはすっかり新緑の季節だ。冬の間遠ざかっていた山が、春になると緑が盛り上がり人里に近づいてくる。暖かくなってそろそろパブ(ハブ)も出てくるだろう。一昨年だったか、裏庭で1メートル50センチくらいあるマンタンバ(アカマタ)が二匹、組んずほぐれつして交尾をしていた。殺そうかと思ったが、不憫になったのと、マンタンバはパブの子どもを食べるというので見逃してやった。
 小学校の頃、学校で草刈り作業をしていると、ススキの茂みからハブが出てきた。みんなでワーワー言いながらハブを取り囲み、鎌で叩き殺したものだ。私の妹の話では、高校時代に草刈り作業をしていると、やはりハブが出てきたらしい。女生徒たちがキャーキャ言ってハブを取り囲み、鎌で叩き殺したそうだ。今はどうか知らないが、昔のヤンバルのワラバーやネーネーは強かった。

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1 コメント

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新緑 (はな)
2009-03-07 18:38:01
そうですね。
ヤンバルは新緑の季節になりましたね。私が一番好きな季節の到来です。

肌寒い雨の日が続いておりますが、ヒカンザクラの新緑の葉や赤く色付きはじめたサクランボに雨粒がついているのをみると、何だかそれもいいなぁ~とぼんやり眺めております。

今年は庭のリュウキュウバライチゴがよく咲きまして、イチゴもよく実がなってます。食べてみると、水っぽく甘さはあまり感じられないのですが、小学生の頃は運動場の土手でイチゴを競争しながら探してはパクパク食べてた記憶を食べているので、「美味しかった」です。懐かしいです。蟻なんか気にせずに、皆おかまいなしにどんどん口に入れておりました。

雨が続くこんな日は、落ちたイッペーの花を掃き掃除することが出来ないのですが、池には水が溜まるのでシリケンイモリが喜んで泳ぐ姿が見れるのが嬉しいです。
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