海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

月ぬ夜ぬすらさ

2008-11-16 13:41:02 | しまくとぅば
M:うぬ二、三日、いい月ぬ夜ぬ続ちゅーさーやー。
S:あんすとぅよ。くぬめーぬ十五夜ぬ月や見事えったんやー。夜ぬ三時びかーに外に出じちたとぅ、空にや雲んてぃーちんねーらん、月ぬ光ぬんじゅんに青るーくしち、周りぬ景色や海ぬ底ぬぐとぅるあいたんでー。あんちすらせーぬ月ぬ夜んでぃいうしや、ウチナーえってぃんあんすかやねんがはじ、りち思たぬあたいえったさ。
M:風んねーぬ空気ぬん澄でぃや、月ぬあかがいよーぬんゆー出来てぃ、ウチナーぬんなまが一番良い季節えっさーや。
S:夜んにんびやっさぬよー、いいあんべーえんや。
M:なまんぬんはんばんぐとぅにんたっくんばーれん?
S:あいえんばーえっしが、さすがにやー、よーぴやぴーさぬ、ヤッケじぴさうすたいしちやうんばーえっしが。
M:はー、てーげー頑丈者えっさー。
S:二十代にガードマンぬアルバイトしちゅたぬばーや、夜中仕事しちアパートに帰ーてぃにんびしや昼るえっせーや、真冬えってぃん上やジャンバー着きてぃ、畳ぬうわーびんかい、ぬんはんばんぐとぅにんとぅたんよ。もちろん、暖房器具りちんぬんねんばーえっさ。うぬばーによ、ぴーせぬばーにや俯せなってぃにんびしがましりいうしが分かたんばーてー。めーよかやあとぅ、わたよかーやながにぬぴーせーしにや強ーせんりいうしが、ゆー分かたんばーえっさ。やっぱり人間ぬん元や四本足ぬ動物えってんばーえっとぅ、イングヮーとぅかマヤーとぅゆぬむん、にんびぬばーや俯せなってぃにんびしが あてーめーえってんばーえっさ。俯せないねー内臓冷やさんせーやー、うぬ方が動物とぅしち自然なにんびよーえんばーえっさ。。
M:あい言ゃーりねーやー、イングヮーえってぃんマヤーえってぃん、ながににや毛ーぬうぽさぬ、わたぬめーやいけらーせーとぅや、ぽーてぃにんびしが保温ないがはじやー。えっしが、あんねーぬくとぅどぅーぬ体験じ分からんてぃんしみんでぃ思みーしが。ぴーしぇーば無理さんぐとぅ毛布はんびばしむんばーらんな?
S:まーうりやあいえっしがよー。若せーぬばーやうぬあたい体力ぬあいてんばーえっさ。
M:ちゃっさ若せーてぃん、ぴーせーしやぴーせんり思いしが……。
S:なまやさすがに冬や毛布はんてぃにんとぅーしがてー。
M:布団やはんばんばーなー。
S:布団やねーらんむん。
M:は……。まー、歳考えーてぃ無理さんしがましり思いしがや。
S:ちゃっさぴーせんり言ちん、ウチナーや凍死すーぬしわーやねんばーえっとぅ、うりびかーえってぃんでーじな恵まってぃうんばーれんどーやー。ないぬむんえーねー浜んかい行じ、月眺みてぃ波ぬ音聞ち、貝殻杯にしち酒えってぃん飲でぃやー、月光浴しーがちなー寝んびぶせんばーえっしが、なかなか実行やならぬ。えってぃん、月眺みてぃ心休みーぬ時や持ちぶせんやー、ちゃっさ世ぬ中ぬわさわさーしちん。

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7 コメント

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月光浴 (京の京太郎)
2008-11-16 17:12:16
20年前、読谷で、夜、たらふく酒をのみ 月明かりだけの海にマンボウのようにプカプカ浮いていたら いつのまにか海水がジェリーのように硬くかんじてきて 体と海水の境が分からなくなり 自分が一個の単細胞に戻ってしまったような気がした 月明かりも雲に閉ざされてしまうと 空と海、上下も分からない世界の中に浮かんでいた。しかしなぜ いま ここにいるのか、理由はわかっていた。最後まで付き合うと心にきめて海から上がった。雲が切れ月明かりに照らされた波頭が白く浮かび上がって見えた……いつまでも忘れがたい月明かりの思い出
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いぬウチナー口やてぃん (キー坊)
2008-11-16 19:30:28
目取真さん。ちゅーうがなびら。

汝(なー)が書ちゅるウチナーグチや純粋なヤンバル言葉に近さる言葉やいびんてー?
中頭んチュぬ我んがー、ちゅけーん読だるうっさしぇー、十分ねー意味や捕みーさびらんさい。三けーんびかー読み返しーねー徐々に解てぃちゃーびしが、てーげーに苦労さびーん。

我ったーシマにんヤンバルンチュやちゃっさん居てーくとぅ、ヤンバルクトゥバのアクセントや直ぐに解いしが、言葉自体やじゅんねー聞ちぇーんーらんたんさい。かんしなーが書ちぇーし読みーねー、相当に違いが在る事解いびーっさー。

例えば、
「M:なまんぬんはんばんぐとぅにんたっくんばーれん?」
くり我ったーくとぅばし言いねーかんないんでぃ思いびーん。
「なまんぬーんかんらんぐーとぅーにんじゅるばーるやんな?」

和訳「今も何も被らないで寝てるのかい?」
私の訳は当たってますか?(笑)
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今帰仁言葉 (目取真)
2008-11-17 02:51:06
和訳は当たっています。
今帰仁ではh音がp音として残っているのが有名ですが、k音がh音に変化しています。
被る→はんびん
風→はじ
買う→ほーるん
「美しい」の清らさん=ちゅらさんは、今帰仁では「すらせん」と言います。
もっとも、今帰仁でも東西によって違うのですが。
仲宗根政善氏の『今帰仁方言辞典』を、あれは字与那嶺の方言辞典であって、同じ今帰仁でもよそのシマは違う、と怒っている人もいました。
もう20年も前の話ですが。
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各地方言 (キー坊)
2008-11-17 10:29:10
目取真さん。今帰仁言葉のご講釈、いっペーにへーでびる。

小生の故郷の町にもヤンバルンチュが沢山住み着いていましたが(主に本部)、だからヤンバルのアクセントは耳慣れています。でも、今考えてみれば、あの方々は生のヤンバル言葉ではなく、中部風にアレンジされたものを使っていたのだと思います。
シマ(集落)が違えば言葉も違う。これはかつては中頭も同じ状況だったのでしょうが、今やウチナーグチ自体が風前の灯に成っています。

京の京太郎さん、こんにちわ。
読谷という土地に事のほか思い入れが強いようですね。読谷は私の地元と違って、海岸線は埋め立てが無いですね。これもその土地の人間性を象徴しています。
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ありがとうございました (福本)
2008-11-17 13:59:24
第9条の会の講演パンフ、お送り頂き、有り難うございました。この間の動きを分かりやすく整理していただいた講演内容で、一気に読ませて頂きました。また主催者の方々の熱意と緊張感がパンフからあふれ出ていて、集会に参加された方々には濃密な議論空間の共有だったことが伝わってきました。ぜひ他の人にも勧めたいと発売元の影書房さんに電話を入れましたら、影書房さんは書店関係の販売だけで個人の購入申し込みは発行元の第9条の会の方へと教えてもらいました。第9条の会へとりあえず20冊の購入を申し込みました。集会での販売や知り合いへ購読を勧める等、この問題を拡げる手立ての一つに使わせてもらおうと思います。ありがとうございました。
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キー坊さん、こんにちわ (京の京太郎)
2008-11-17 14:31:41
日曜日、あまりにさみしい葬儀の受付の任をすませて家に帰って、そのままパソコンを開けてしまいました。布団に潜り込まない生活を私も続けていた時期が少しあったもので、月光浴というタイトルに誘われて、他の方には関係のないことを書き込んでしまいました。読谷の土地には思い入れはありません。読谷で出会った人々が忘れられないだけです。いまは読谷にいない人達も…。彼らとまた一緒に呑める日があったらと切に願っています…。
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チュプチセコルさんの話 (京の京太郎)
2008-11-18 09:33:06
京都・山科に私と同い年だったアイヌ人のチュプチセコルさんが住んでいた。数年前に彼も病気で亡くなってしまった。30年ほど前だったか、彼がアイム語の絵本を出版するお手伝いをする機会があった。一緒に朽木村に出かけて昔から伝承されてきた念仏踊りなどを見たこともあった。アイヌの民話では女の子が月で水くみ、沖縄の民話では男の子が水くみをしているなど、いろいろな話を聞かせてもらった。チュプチセコルとは(月が家)という名前。ほほのヒゲが濃くて、関西沖縄文庫の金城さんにすこし似ていた彼だった。チュプチセコルさん、後しばらくしたら、月で一緒に水ではなく、また酒を飲み、いっぱいいろんな話をしましょう…。
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