海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

那覇市長選挙

2008-11-17 20:22:41 | 政治・経済
 昨日(17日)に行われた那覇市長選挙は、現職の翁長雄志氏(58)=無所属、自民、公明推薦=が、元県議の新人・平良長政氏(65)=無所属、社民、共産、民主、社大、国民新推薦=に一万五千票以上の大差をつけて勝利し、三選を果たした。得票数は以下の通り。

当選 翁長雄志氏  70,071票
    平良長政氏  54,966票
    屋良朝助氏   1,797票

 あわせて那覇市議会の補欠選挙(欠員5)も行われた。結果は以下の通り。

当選 亀島賢二郎氏(自民・新)  29,643
当選 前田千尋氏 (共産・新)  17,530
当選 宮平のり子氏(社民・新)  17,364
当選 清水磨男氏 (民主・新)  17,230
当選 仲松寛氏  (無所属・新) 13,498
次点 伊波秀輝氏 (社大・新)   9,866
    下地恒輝氏 (無所属・新)  6,872
    比屋根米子氏(無所属・新)  6,694
    内間徹氏  (無所属・新)  1,259

 平良氏を推薦した共産・社民・民主・社大四党の市議候補者の得票数が61,990票。それに対して平良氏の得票数は54,966票で7,024票もの開きがある。与野党ともに市長選挙と市議補欠選挙のセット戦術で票の掘り起こしを図ったのだろうが、平良氏の方は野党各党の票をまるでまとめきれていないのだから、これでは完敗するのも当然だろう。翁長氏の8年間の実績や現職の強みを云々する以前に、平良氏の陣営は野党各党と連携を取り、市長選挙の集票へつなげる力が選対になかった、というのが一番の敗因ではないのか。
 ヤンバルに住んでいて那覇市の選挙状況の細かいところは分からないのだが、マスコミ報道を見ているかぎり、市政の「チェンジ」や「刷新」を強調しても、平良氏の発言や政策から「チェンジ」の勢いが伝わってこなかった。むしろ、アメリカ大統領選挙の報道を直近に目にしている市民は、若さと演説のうまさでブッシュ政権からの「チェンジ」をアピールしていたオバマ氏に比べて、平良氏の口にする「チェンジ」は、オバマ氏の勢いを借りて真似をしようとしているが、実質が伴わずにむしろ違いが目立ってしまう、という印象を受けたのではないか。これでは浮動票も動かせなかっただろう。
 選挙の細かい分析はこれからマスコミその他でなされるだろうが注目したい。   

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4 コメント

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Unknown (かむじゃたん)
2008-11-18 09:19:57
自公が勝つのは癪に障る。
けれども、平良さん、悪い人ではないのだが、
「タマが違う」という感じ。
ボクは、どんなにいい人でも65歳で出るのは
間違っていると思う。現職、二期やって58歳。
演説も人を引き付ける魅力はなかった。
市議・県議長いことやって市長選挙立候補、
魅力ないと思う。
こちら側が勝つ方法?
選挙に行かなかった人々を投票に行かなきゃ、
と思わせる候補を立てることだ。
もう、組織だけで選挙に勝つ時代ではない。
と、見渡して人材がいるのだろうか。
来年は統一選挙、そしてあっという間に件知事選。
返信する
Unknown (福地原金城)
2008-11-19 04:09:11
コメントさせてください
私も今回の市長選、大方の予想はついていましたが、
実績がある=裏もある?と思って、平良氏に投票した人も多かったはずです。
何故なら、私がそうだから
返信する
Unknown (福地原金城)
2008-11-20 01:35:59
昨夜のコメント、自分で読んでも?なので、
またコメントします(ごめんなさい)

保守系が長い事関わっているとろくな事はない・と私は思いますし、同じ人に何度もさせるとよくない・と私のまわりではささやいていました。
平良氏に一票入れた人たちはそう考えたんだと思います。だから私も平良氏に一票入れました
返信する
基地沖縄は他人事 (吟遊茶人)
2008-11-24 23:36:53
はじめまして。那覇市長選の件、コメントさせてください。
敗因は候補者の力不足とかではなく、いがみ合う左派、大同団結する自公の差が出ただけでしょう。
沖縄はまだましですが、左派が少々の違いでいがみ合い教条主義に陥って足を引っ張りあっているのをみて、無党派層や一部の革新支持者はうんざりし、政治に絶望するのでしょう。
そもそも食うに困らない活動家の方々には、下流の者達の感じる切迫感はないのかもしれません。

また目取真氏らしく、北部を収奪する那覇という視点からの敗因分析はいかがでしょうか。
那覇のヤマト化、新自由主義化傾向が敗因の一つでしょう。那覇市民の多くにとって基地被害が他人事となりつつあることを表した選挙結果ではないのでしょうか。
返信する

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