蘭月の勉強部屋 さんより転載です。
野田政権が、内閣改造を行いました。
ちょっと検証してみましょう。
まずは、今回の内閣改造で実質的に「更迭された」人(これらは既に「元」大臣です)。
・一川防衛大臣
・山岡国家公安委員長・消費者担当大臣・拉致担当大臣
・蓮舫行政刷新担当大臣
この他、
・平野博文国対委員長
この、文科相へポストを移された平野さんも、実質的には「国対委員長失格」として、事実上更迭を食らった部類です。
ベテランだからちょっと配慮されて、大臣ポストに残らせて貰えただけと見ていいでしょう。
一川さんは、「私は防衛の素人だが、それがシビリアンコントロールだ」という究極のアホ発言に始まり……。
沖縄米軍基地問題の契機になった少女暴行事件を知らなかった(大臣になって以降、全く勉強せず)。
その暴行事件を「乱交事件」と言い間違えるなど、もうメチャクチャでした。
山岡さんは、言わずもがな、消費者トラブルの権化である「マルチ商法」の教祖みたいな人。
そんな人が消費者担当大臣だなんて、タチの悪いジョークです。
また、拉致問題になんの見識も経験もなく、また、取り組む姿勢もまるで感じられず、拉致被害者とその家族を酷く失望させてしまいました。
蓮舫さんは、自民・西田昌司氏に散々ツッコまれた通り、覚せい剤で逮捕歴のある不動産会社社長との親密な関係。
ねぶた祭りへ一緒に行ったり、祝杯をあげたりと、かなり深い間柄だったようです。
一部報道では、「不倫だった」という話まで出ている始末。
まぁ、事業仕分けが実質ただのパフォーマンスだったということは、もう誰もが理解していますし。
客寄せ(集票)パンダとしての役目も、もはや期待できません。
政治手腕もまるで発揮できなかったのですから、交代は当然でしょう。
平野さんは、国対委員長としての役割(野党とのパイプ)を、全く果たせなかったと言わざるを得ません。
昨年の国会運営は、根回しが呆れるほどにヘタ(というか、できない)で、無駄に野党との仲をこじれさせただけでした。
政策的に近い筈の公明党をブチ切れさせ、国会運営を行き詰らせたという実績は、今も野田内閣の足枷として立派に残っております(笑)。
国対委員長が平野さんでは、野党との協議どころではない。と、そんなトコでしょうね。
で、新しい閣僚の顔ぶれ。
<岡田克也氏>
衆院予算委員会筆頭理事・党行政改革調査会長→副総理・行政改革担当大臣・一体改革担当大臣
<小川敏夫氏>
参議院幹事長→法務大臣
<平野博文氏>
国対委員長→文部科学大臣
<田中直紀氏>
民主党総務委員長→防衛大臣
<松原仁氏>
国土交通副大臣→国家公安委員長・消費者担当大臣・拉致担当大臣
今回は特に、岡田さんについて。
この人の入閣が、今回の内閣改造唯一の「目玉」人事。
同時にこれが、野田内閣の方向性を、これ以上ないくらいに象徴しております。
まず、岡田さんといえば、「脱・小沢」の急先鋒の一人です。小沢さんが強制起訴された時、党員資格停止にしたのもこの人です。
そして、消費税増税を推進しており、その意味で野田首相に近い。
逆に言うと、増税反対を主張する小沢さんとは真っ向から反目する立場です。
これが意味するところはハッキリしていて、
野田首相はもはや、小沢グループを説得する(或いは解散をちらつかせて協力を迫る)よりは、「野党の協力を得て消費税増税をやりきってしまおう」と考えているのでしょう。
政局的な思惑で「消費税増税反対」を唱える小沢さんよりも、元々、「消費税増税やむなし」という意見を持っている自民党の方がアテになる、と考えている訳です。
無論、自民党も簡単に話に乗ってはこないでしょうが、野田首相が解散総選挙を交換条件にすれば、OKになる可能性があります。
以前のエントリでも述べましたが、自民党とて、自分が与党の時に消費税増税をやるのは、やっぱり怖い筈なんです。必ず支持率下がりますからね。
野田首相にこの増税話を片付けて貰ってから、解散総選挙で与党へ返り咲く。
自民党が、こんなシナリオを描く可能性は充分にあります。
ここに、野田首相は賭けているんだと思います。
ですから、野田首相はあえて「小沢一派」を遠ざけるという姿勢を明確にするため、岡田さんを起用したと。
また、その「話し合い解散」の協議を進める上で、岡田さんが内閣の主力であることは、メリットがあります。
岡田さんは、自民公明と三党協議を進めることに尽力した経験もありますし。
そもそも、岡田さんはカタブツの原理主義者で有名。その点では、内外にある程度、信用もあります。少なくとも他の民主党議員よりは。
解散総選挙を交換条件に、野党へ消費税増税を呑ませる……そんな交渉を進めるなら、岡田さんは(今の民主党内では)適任だと思います。
他の閣僚については……まぁ、そんなに特筆すべきところもありませんが。
小川法務大臣は、これまで民主党政権の法務大臣があーだこーだ屁理屈こねて、殆ど放置してきた死刑執行について、
「法律で定められた法相の職責なので、大変つらい職務だが、その職責をしっかりと果たしていきたい」
と、前向きな姿勢を示しています。
昨年などは、19年ぶりの死刑執行ゼロでしたが、
刑事訴訟法では「判決確定から6カ月以内に法相は死刑執行を命じなければならない」と定められています。
つまり、平岡前法務大臣などは、大臣職にありながら、公然と刑事訴訟法違反をしていた訳です。
小川氏には、是非ともこの点、改善願いたいものです。
また、初の大臣就任となった、松原仁氏。
民主党にあっては稀有なほどの保守派として知られています。
……まぁ、本当に保守派なんだったら、なんで民主党にいるの?というツッコミが入ってしまいますが(笑)。
ともあれ、彼は民主党にあっても、拉致議連の事務局長を務めるなど、拉致問題に精力的に取り組んでおり、拉致被害者家族会からの信頼も厚い議員です。
彼が拉致問題担当大臣に就任したことは、拉致問題を抱える方々にとっては、久々の朗報でしょう。
解散総選挙が囁かれてはいますが、ともかくも尽力して頂きたいものです。
あと、田中直紀防衛大臣。
実績云々よりも、田中真紀子さんの旦那として有名ですね(笑)。
参院外交防衛委員長の経験はありますが、基本的には安全保障にそれほど造詣が深い人物ではない、という評判。
所詮、「小沢派からもせめて一人くらいは入閣させておこう」という理由で選ばれたに過ぎないのかな、と思います。
これだったら、首相補佐官(外交・安全保障担当)の長島さんの方がよっぽど適任じゃないんですかね。
まぁ、若干マシになった?というか、少なくとも「色々と明確になった」感じの顔ぶれではあります。
このメンツで、野田首相は消費税増税、いよいよ中央突破を図る心づもりなのでしょうかね。
しかし、忘れてはならないことが一つ。
実質的な更迭となった一川さんにしろ山岡さんにしろ、
「適材適所」ではなかったのですか?野田首相。
蓮舫さんの、元シャブ犯の人との付き合いにしたって、「ツッコむ必要なし!」と突っぱねていましたよね。
だったら、どうして閣僚から外すのか。問題なかったんでしょ?野田さん的には。
野田首相、あんな重苦しい顔してるクセに、言葉は鳩山さん菅さんに負けないくらい軽いです。
もう観念したらどうですか。言ってることとやってることがチグハグ過ぎて、ついていけませんよ。
この内閣が、どのような道をどのように突き進むつもりなのか。
国民として、一瞬たりとも視線を外さずにいきたいと思います。
野田政権が、内閣改造を行いました。
ちょっと検証してみましょう。
まずは、今回の内閣改造で実質的に「更迭された」人(これらは既に「元」大臣です)。
・一川防衛大臣
・山岡国家公安委員長・消費者担当大臣・拉致担当大臣
・蓮舫行政刷新担当大臣
この他、
・平野博文国対委員長
この、文科相へポストを移された平野さんも、実質的には「国対委員長失格」として、事実上更迭を食らった部類です。
ベテランだからちょっと配慮されて、大臣ポストに残らせて貰えただけと見ていいでしょう。
一川さんは、「私は防衛の素人だが、それがシビリアンコントロールだ」という究極のアホ発言に始まり……。
沖縄米軍基地問題の契機になった少女暴行事件を知らなかった(大臣になって以降、全く勉強せず)。
その暴行事件を「乱交事件」と言い間違えるなど、もうメチャクチャでした。
山岡さんは、言わずもがな、消費者トラブルの権化である「マルチ商法」の教祖みたいな人。
そんな人が消費者担当大臣だなんて、タチの悪いジョークです。
また、拉致問題になんの見識も経験もなく、また、取り組む姿勢もまるで感じられず、拉致被害者とその家族を酷く失望させてしまいました。
蓮舫さんは、自民・西田昌司氏に散々ツッコまれた通り、覚せい剤で逮捕歴のある不動産会社社長との親密な関係。
ねぶた祭りへ一緒に行ったり、祝杯をあげたりと、かなり深い間柄だったようです。
一部報道では、「不倫だった」という話まで出ている始末。
まぁ、事業仕分けが実質ただのパフォーマンスだったということは、もう誰もが理解していますし。
客寄せ(集票)パンダとしての役目も、もはや期待できません。
政治手腕もまるで発揮できなかったのですから、交代は当然でしょう。
平野さんは、国対委員長としての役割(野党とのパイプ)を、全く果たせなかったと言わざるを得ません。
昨年の国会運営は、根回しが呆れるほどにヘタ(というか、できない)で、無駄に野党との仲をこじれさせただけでした。
政策的に近い筈の公明党をブチ切れさせ、国会運営を行き詰らせたという実績は、今も野田内閣の足枷として立派に残っております(笑)。
国対委員長が平野さんでは、野党との協議どころではない。と、そんなトコでしょうね。
で、新しい閣僚の顔ぶれ。
<岡田克也氏>
衆院予算委員会筆頭理事・党行政改革調査会長→副総理・行政改革担当大臣・一体改革担当大臣
<小川敏夫氏>
参議院幹事長→法務大臣
<平野博文氏>
国対委員長→文部科学大臣
<田中直紀氏>
民主党総務委員長→防衛大臣
<松原仁氏>
国土交通副大臣→国家公安委員長・消費者担当大臣・拉致担当大臣
今回は特に、岡田さんについて。
この人の入閣が、今回の内閣改造唯一の「目玉」人事。
同時にこれが、野田内閣の方向性を、これ以上ないくらいに象徴しております。
まず、岡田さんといえば、「脱・小沢」の急先鋒の一人です。小沢さんが強制起訴された時、党員資格停止にしたのもこの人です。
そして、消費税増税を推進しており、その意味で野田首相に近い。
逆に言うと、増税反対を主張する小沢さんとは真っ向から反目する立場です。
これが意味するところはハッキリしていて、
野田首相はもはや、小沢グループを説得する(或いは解散をちらつかせて協力を迫る)よりは、「野党の協力を得て消費税増税をやりきってしまおう」と考えているのでしょう。
政局的な思惑で「消費税増税反対」を唱える小沢さんよりも、元々、「消費税増税やむなし」という意見を持っている自民党の方がアテになる、と考えている訳です。
無論、自民党も簡単に話に乗ってはこないでしょうが、野田首相が解散総選挙を交換条件にすれば、OKになる可能性があります。
以前のエントリでも述べましたが、自民党とて、自分が与党の時に消費税増税をやるのは、やっぱり怖い筈なんです。必ず支持率下がりますからね。
野田首相にこの増税話を片付けて貰ってから、解散総選挙で与党へ返り咲く。
自民党が、こんなシナリオを描く可能性は充分にあります。
ここに、野田首相は賭けているんだと思います。
ですから、野田首相はあえて「小沢一派」を遠ざけるという姿勢を明確にするため、岡田さんを起用したと。
また、その「話し合い解散」の協議を進める上で、岡田さんが内閣の主力であることは、メリットがあります。
岡田さんは、自民公明と三党協議を進めることに尽力した経験もありますし。
そもそも、岡田さんはカタブツの原理主義者で有名。その点では、内外にある程度、信用もあります。少なくとも他の民主党議員よりは。
解散総選挙を交換条件に、野党へ消費税増税を呑ませる……そんな交渉を進めるなら、岡田さんは(今の民主党内では)適任だと思います。
他の閣僚については……まぁ、そんなに特筆すべきところもありませんが。
小川法務大臣は、これまで民主党政権の法務大臣があーだこーだ屁理屈こねて、殆ど放置してきた死刑執行について、
「法律で定められた法相の職責なので、大変つらい職務だが、その職責をしっかりと果たしていきたい」
と、前向きな姿勢を示しています。
昨年などは、19年ぶりの死刑執行ゼロでしたが、
刑事訴訟法では「判決確定から6カ月以内に法相は死刑執行を命じなければならない」と定められています。
つまり、平岡前法務大臣などは、大臣職にありながら、公然と刑事訴訟法違反をしていた訳です。
小川氏には、是非ともこの点、改善願いたいものです。
また、初の大臣就任となった、松原仁氏。
民主党にあっては稀有なほどの保守派として知られています。
……まぁ、本当に保守派なんだったら、なんで民主党にいるの?というツッコミが入ってしまいますが(笑)。
ともあれ、彼は民主党にあっても、拉致議連の事務局長を務めるなど、拉致問題に精力的に取り組んでおり、拉致被害者家族会からの信頼も厚い議員です。
彼が拉致問題担当大臣に就任したことは、拉致問題を抱える方々にとっては、久々の朗報でしょう。
解散総選挙が囁かれてはいますが、ともかくも尽力して頂きたいものです。
あと、田中直紀防衛大臣。
実績云々よりも、田中真紀子さんの旦那として有名ですね(笑)。
参院外交防衛委員長の経験はありますが、基本的には安全保障にそれほど造詣が深い人物ではない、という評判。
所詮、「小沢派からもせめて一人くらいは入閣させておこう」という理由で選ばれたに過ぎないのかな、と思います。
これだったら、首相補佐官(外交・安全保障担当)の長島さんの方がよっぽど適任じゃないんですかね。
まぁ、若干マシになった?というか、少なくとも「色々と明確になった」感じの顔ぶれではあります。
このメンツで、野田首相は消費税増税、いよいよ中央突破を図る心づもりなのでしょうかね。
しかし、忘れてはならないことが一つ。
実質的な更迭となった一川さんにしろ山岡さんにしろ、
「適材適所」ではなかったのですか?野田首相。
蓮舫さんの、元シャブ犯の人との付き合いにしたって、「ツッコむ必要なし!」と突っぱねていましたよね。
だったら、どうして閣僚から外すのか。問題なかったんでしょ?野田さん的には。
野田首相、あんな重苦しい顔してるクセに、言葉は鳩山さん菅さんに負けないくらい軽いです。
もう観念したらどうですか。言ってることとやってることがチグハグ過ぎて、ついていけませんよ。
この内閣が、どのような道をどのように突き進むつもりなのか。
国民として、一瞬たりとも視線を外さずにいきたいと思います。