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10日午後8時からはじまったNHKBSプレミアムの時代劇『大富豪同心』、これまで見たことのないユニークな時代劇だった。
主役の見習い同心・八巻卯之吉(中村隼人)は、江戸随一の札差・両替商の三国屋徳右衛門(竜雷太)の孫である。
つまり、商家の孫だから侍ではない。
ところが、徳右衛門が金に物を言わせて、老中と南町奉行所内与力・沢田彦太郎(小沢仁志)を取り込み、放蕩三昧の孫・卯之吉を南町奉行所の同心へねじ込んでしまった。
従って、武士でもないから剣術はサッパリ、暗闇が苦手、走ることが遅いとのキャラクター設定とか。
ところが、もっとも面白い設定は、この卯之吉が最も怖いのは祖父の徳右衛門である。
そのほかは老中でも、奉行所の上司・先輩でも、江戸市中の裏家業の侠客でも、全く怖くない、恐れをなさない設定。
太鼓持ちから岡っ引きになった銀八(石井正則)、侠客・荒海ノ三右衛門(渡辺いっけい)などが、見習い同心の卯之吉にすっかり魅了される。
難事件解決に卯之吉の手足となる活躍をするから傑作である。
深川一の芸者・菊野(稲森いずみ)も卯之吉にほれ込んでいるとか。
また、同心としての卯之吉の軍師のような役割を見せるらしい。
凄腕の剣の達人で浪人・水谷弥五郎(村田雄浩)は、三国屋徳右衛門が雇い上げており、密かに卯之吉を守る役どころ・・・。
ところが、男色の気がある浪人で売れない女形役者・由利之丞(柳下大)にぞっこんとの設定。
卯之助を取り巻くメンバーが面白く、愛嬌のある面々でもある。
エンディングの出演者による奇妙な踊り、ダンスも時代劇らしからぬ面白さがある。
まさに異色の時代劇であるから、視点を変えてみて行くと面白さが徐々に伝わってくる。
何といっても、歌舞伎界のホープ・中村隼人さんのはんなり同心ぶりがとても爽やかでいい。
また、配下の岡っ引き・銀八を演じている石井正則さんが、とてもいい感じである。
陰に日向に卯之吉を手助けする。
その献身さを飄々と演じているから素敵である。
いずれにしても、一癖も二癖もある脇を固める役者陣、それをウマく取り込みながら卯之吉を演じている中村隼人さん、このドラマでさらに人気が上がるであろう。
10回シリーズである。
今後の展開が楽しみ・・・である。(夫)
(出典:NHK公式HP 抜粋)
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