倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

ファッリャのチェンバロ協奏曲

2013年09月28日 | 音楽
この曲は、
弾かねばならないけど、
弾きたくない曲。
弾けそうだけど、
弾きにくい曲。
ショパンのソナタとは逆で、
練習せねば、と
気ばかり焦って、
練習してません。


理由は:
1:
チェンバロの楽器の性質をあまり上 手く使っていないと感じる。

2:
もともとピアノをイメージして書いた?もしくは、ファッリャは、
ピアノを使って書いた?と思わされる部分が多い。
3:
しかし、ピアノには、しっくりこない部分も多い。

つまり、なんだか中途半端なのです。

実際、この曲を献呈された
ランドウスカも、
一度演奏したきりです。

と、自己弁護、あれこれ。

ファッリャに、怒られそうですが、
やっぱり、
上手く書かれていないという
印象は、拭えません。

私が、曲を掴めていないだけなのか?
だとしたら、早く
開眼したい!





何個か録音も聴いたけれど、
演奏者の良し悪しとは別に、
どうも魅力的に、
聴こえません。

兎に角、ファッリャさん、
イマイチだわ~!


なのに、2月に、演奏せねばなりません。
更に
1月のリハーサルは、
ピアノで、というのも、
意気消沈の原因のひとつです。

ブーブーブツブツ言っていたら
旦那様が助け舟を出してくれました。
チェロパートを
ゆっくり弾いて
一緒にさらってくれるそうな。

チェロパートが加わったら、
少しは、曲がつかめるかもしれません。





無数のピアニスト

2013年09月22日 | 音楽
よく思うことがあります。
一体どれほどの人間が、
コンサートピアニストや
チェンバロ奏者を
夢見て
世の中に、蠢いているのか、、。
歴史の中で
うもれていったのか。
方丈記の中の水の泡、"よどみにうかぶうたかた"の如きでしょう。
私も、その泡のひとつ何だなあ、、と。
{イ短調の緩徐楽章が鳴り始めます。}

大きな音楽の川の流れに浮いては、
消えていく。
{イ短調は、偽終止したまま、沈黙のフェルマータです。}

自分の様な、
ピアニストのほんの端くれでも
弾く意味はあるのかなあ??
と、ボソッとつぶやいてみました、。
{2小節の疑問形フレーズ}
すると、聞いてなさそうに
携帯で遊んでいた旦那が、
突如むくっと起き上がり、

{ 突然 イ短調の属7の和音。}



「アート自体が人生の表現だから、アーティストを技術や名声だけでは、
測れないね~。だから、君が弾くのにも意味はあるんじゃない?」

ふーむ、たまにこの人、
突然、冴えた事を曰うから
驚きます。
{転調して、イ長調のアンダンテ}

自分なりの演奏を
地道にして行くことが、
人生を歩むことそのもの。
そういうことかもしれません。

{終止形}

結婚記念日のランチ~L'Aterlier

2013年09月14日 | 日記
今年は、13日の金曜日が、
結婚記念日とぶつかりました。
キリスト教で、13は、
縁起の悪い数ですが、
中国では、割り切れないという事で、
カップルには、良いそうです。
物は捉えようということで、
以前から行きたかったL'Aterlierへ、
ランチを予約!


L'Aterlierは、以前BBC の
マスターシェフで、紹介されていた
ミシュラン2つ星のフレンチですが、
ランチは、
2コース£25、3コース£35、と
私達の様な下々の者でも、
何とか手の届くお値段です。

では、お料理の紹介。
まずは、シェフのコンプリメント

フォアグラのムース+ポートワインゼリー+パルメザンチーズ風味の泡

これ、絶品でした!
そして、超美味しいパン!


私の注文したオードブル。卵+ポレンタのコロッケ+パプリカソース+生ハム


旦那の注文したトマトとモッッツァレラのサラダ

ドレッシングが、アメイジング!と感嘆。

私は、メインに、ランゴスチン(海老)のトマトソース+バジルのパスタ


これも泡付き。ちょっとくどめでしたが、美味しかったです。

旦那は、照り焼きチキン、生姜風味、パセリ味の泡付き。


チキンが、柔らかく、
しっとりでした。
泡が、流行るのでしょうか?

デザートは、
イートンメス(苺+ベリーシャーベット+メレンゲ)


ナッツ味のシュー、シャンテリクリーム入り。赤オレンジゼリー添え


結婚記念という事で、シェフが、サプライズをプレゼントして下さいました!




食べきれず、最後のミニフィナンシェは、お持ち帰りしました。

さすが、2つ星、サービスも、お味も、感動的でした!




フランス歌曲とイギリスの田舎

2013年09月10日 | 音楽
フランス歌曲の大家、B先生による集中講座が、
ジャックドウズという村(?)で開かれました。
伴奏のお仕事で、呼んで頂き、
嬉しいやら、緊張するやら。

バースから、電車で、20ー30分。
最寄りの、フルーム駅に着きます。
Frome と書いてフルームと発音するそうです。
ややこし
最寄りと言えども、フルーム駅から、更に車で、20分近く行って、
ジャックドウズ到着です。

駅には 料理をしてくれるロウが、迎えに来てくれました。
彼女の温かい手料理、文字通り、講習の糧でした。
ロウは、普段は、事務職が仕事。講習の時のみ、お料理は、半分ボランティア的に、してくれるいるそうです!

彼女みたいな存在があってこそ、音楽の講座が成り立つわけです。
講習の終わりに、歌手達と、B先生が、チョコをロウにプレゼントしていました!
ちなみに、私もB先生も、歌手達から、お菓子を頂きました。

滞在先のB&Bは、素敵なイングリッシュガーデンのある、ごく普通の民家。
先生、私、生徒の一人の3人が、
ここに泊まり、お風呂とトイレは、共同です。


過去にも、サマーコースの伴奏の仕事に何度も行きましたが、
イギリスの先生方の気さくさには、常に新鮮な驚きを覚えます。

B先生は、歩くエンサイコロペディアというべき、膨大な知識と、経験の持ち主。
そんなことは、おくびにも出さない気さくさです。
2、3分も彼のレッスンを聴いたら、彼が只者ではないと、誰もが気付くのですが、、。
歌手達は勿論、伴奏者も、学ぶことの多い講習でした。

田舎の美しい自然が、フランス歌曲の雰囲気を、より味わい深くしてくれました。
懐中電灯無しで歩けない程、夜は真っ暗。
降り注ぐ様な満天の星空でした。
無数の星に、吸い込まれる感覚と共に、
無限の中の有限を自覚して、不思議な感動を覚えました。