倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

イースターの日曜日

2013年03月31日 | 日記
今日はイースターの日曜日。
正教会は、今年は、
5月の第一日曜だけど、
プロテスタントやカトリックは、
今日。
キリストの復活を祝う日が、
正教会と、他の宗派で、
違うのは、興味深い。

やっぱり今日もロンドンは、
気温は5度以下と寒い。
イースターの気温、過去最低だとか。
幸い朝は、薄い日が射し
ほのかに春の気配。

オルガン奏者を務める教会では、
ミサの途中で十字架に水仙を
飾って、キリスト復活の象徴に。
先週皆が釘をうった十字架だ。


かがんで花を整理しているのが、
いつもお花をアレンジしてくれる
おばさん。
彼女は、看護婦を育成する施設で
普段は、勤務している。
イースターエッグの木も
彼女のお手製。


ウチの神父さんは、レントの間
チョコレート断ちしていたらしい。
ミサの最後に
皆の前で
食べますよ~!と
イースターエッグのチョコを
嬉しそうに、ほうばって、解禁宣言。
信者、皆大笑いとなった。




ヘンデルコンペティション2013

2013年03月28日 | 音楽
毎年恒例の
Handel Singing Competition.
このコンペティションは、
ロンドン ヘンデルフェシティバルの
催しのひとつ。
ファイナルに残ると、
バロックオーケストラとの共演。
更に、フェスティバルのオペラや
コンサートでの演奏の機会が貰える。
よって、参加者のレベルは、
かなり高い。
プロとして既に活躍中の歌手も
受けていたりする。
私は今年で専属伴奏を務めて、
5年になるけれど、
毎年いろんな事が起きる。

ある年は、ファイナルの途中で
聴衆の一人が、心臓発作に。
周囲の家族は、歌手を気使って
アリアが終了する迄
待ってから、知らせたらしい。
え??心臓発作なのに!??
ファイナルの聴衆の中に
お医者さんがいらっしゃって、
救急車が来る迄、応急処置。
待つこと20分程。
救急車到着後、倒れた人が
無事息を吹き返したと、
指揮者のローレンス・カミングスが、報告。
コンペティション再開となった。
ヘンデルも、驚愕したこと
間違いない。

会場は、毎年ハノーバースクエアの
セイント・ジョージ教会。
ヘンデルが、生前オルガン奏者として
務めていた教会だ。
彼の住んでいた家(現在ヘンデルミュージアム)は、目と鼻の先。
ヘンデル臭が、プンプン。

ある年は、一次予選の会場で、
猫が、調律直後のチェンバロの中に、
侵入。
猫は、弦の上で
ゴロゴロしていたらしい。


勿論チェンバロは、調律前より
音が狂い
去ったばかりの調律師さんを
呼び戻さねば、という事態に。
一時予選開始が30分以上遅れて
始まった。

今年は、一次、セミファイナル、
ファイナルの間が
それぞれ結構空いている。
そのせいか、
歌手達が熱心に
コーチングに通ってきて、
ついついこっちも熱が入ってくる。

コーチングと、伴奏を
頼まれていたソプラノが、
2人揃ってファイナルに残り
とっても嬉しい年となった。
特に一人は、韓国人のソプラノで、
アジア人としては、
初めてのファイナリストだ。
彼女の歌は
何か人を惹きつけるものがある
もう一人のソプラノは、
イギリス人で、こちらも
とっても表現力がある。
2人共、すごく熱心で
謙虚な歌手で
頭が下がる。
4月11日のファイナルが、
楽しみだ。

5年間で、大量のヘンデルアリアを
弾いたり、聴いたはずだけれど、
一向に、飽きない。

ヘンデルは、偉大だ。







ロンドンの長い冬とイースター

2013年03月26日 | 日記

もう3月も終わりだというのに
今日も最高気温2度!

永遠に冬の様な気分になります。

イースターが、日曜なのに
気候の方は、
クリスマスが来ると
大勘違いしているみたいです。

夫のブルガリア正教のイースターは
5月です。
其れ迄には、イースターらしくなっているでしょうか?

毎年茹でた卵にロウで、絵柄を描き
それから色を付けます。
すると絵柄が白く浮き上がる。
ひとつ赤く染めた卵を
次の年まで
お供えとして、キープ。
一年中イコンの前で
鎮座している卵は、一体どうなっているのでしょうか?



英国国教会では、
イースターの一週間前の
日曜のミサをパームサンデイと言います。
ウチの教会では、木の十字架に
釘を打ち付け、
打ち付ける際
自分の罪について考えるのだそうです。

イースターの日曜に、
釘の所に、いっぱい水仙を付けて
十字架が、美しく飾られます。
ミサの終わりには、
卵の形のチョコを配ります。
私は、この卵型チョコを
あまり美味しいと、
思ったことはありません。
ウチの神父さんは、
大好物のようです。








伴奏者とトイレットペーパー

2013年03月15日 | 音楽
伴奏者って、
トイレットペーパーみたいなもの?
と気付いて、
唖然。


つまり、用を足すには
不可欠。
無いと非常に困るのに、
使用後はポイっとさようなら。
こんな事が、浮かんだのは、
最近コンペティションで、
歌手の伴奏が続いたから。


勿論全ての歌い手さんが、
伴奏者をトイレットペーパー的に
使用する訳ではありません。
本当の意味で
良い歌い手さん達は、
音楽を全体として捉えているため
伴奏の重要性を把握している人が、
多いように思います。

が、兎に角いろんなハプニングが!


ある歌手は、
当日、透明ファイルに入った楽譜を
持参。
きちんと整理され、いい感じ。

そのファイルは、ページの取り外しが
容易に出来るタイプのもの。
よって、ページをめくる度に
ページが取れる、、、。
しょうがなく
弾き終わったページは、
ヒラリと床に。
そして、曲の最後まで行き着いた
と、思いきや、
Da Capo = 曲の頭から繰り返す。
勿論、全てのページは、
床の上なので、
演奏停止です。



他に しょっちゅうあるのは、

10数枚のページを
バラバラに渡されること。
更に、そのバラバラのページは
クシャクシャであったりする。
すると
何処からともなく
吹いてきた微風で、
パラリとページが
飛んだり、


ページをめくった際
他のページが
バサッと落ちたり


極め付けに
ページが、抜けていたり、
コピー状況が、お粗末で
音がボヤけていたり
消滅していたり
というのも、しばしば。


最近は、おばさんになってきたせいで
"若いもんは、しゃあないなあ~"
と、寛大に、接して
「あんたね、今後の為に言っとくけど、、」と、
優しく(?) ミニ説教しつつ
ページを引っ付けたりします。
もしくは、テープを渡して
貼っていらっしゃい!と命ずる。
など、様々な対応をいたします。

少々若い頃は、
真剣に、腹が立ちました。
いくら伴奏者は、
「縁の下の力持ち」
って言ったって
限界が、あるぞ~!と。

元々縁の下でなく、
土管の上でも何でも良いから
お立ち台に上がって
目立ちたい性分の自分には、
すぐに限界が、
来ちゃうのかもしれません、、。
そんな、でしゃばり性も、
長年の経験の中で
随分と丸くなってきたと、
思っています。(自分だけ?)