倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

良い練習を求めて

2024年01月23日 | 音楽
先日の記事に
身体と心を整えてから練習
と書きました。
今日はこの件について。

随分前に、まだウチの旦那が
ボーイフレンドだった頃
「君は練習したくない日に
無理矢理練習するから、効率が悪い👎」
と批判されまして、
何?💢
「自分の練習後回し癖を棚に上げて!」
とムッとしたんですが、
彼曰く
「音楽の中にしっかり入っていく為に、
身体も心も準備しなきゃだめだ。」
「練習は単に指を動かす時間ではなくて、
音楽を追求して自分の音をじっくり聴く時間!、いきなり楽器を奏でるべきではない!」
確かに仰せの通りです。
😅
それ以来
身体と心の整え方、
色々と模索してきました。
🤓
ここでピアノとチェンバロに分けて
練習前の
ルーティンを
紹介します。
勿論こういった事は人それぞれ。
皆さんも
自分に合った方法を
探して下さい!




ピアノ🎹
1)適度に全身を動かす。散歩、掃除やちょっとした買い出しなど。この際頭の中で練習したい曲や部分を流して、曲想や構想など色々考える。(おかげで財布を忘れたり、買った物をレジに忘れてきたりが頻発😅)

2)5-10分フェルデンクライス+筋トレ、若しくはラジオ体操🤸。フェルデンクライスはあまり知られてませんが、ヨガ🧘やアレクサンダーテクニックよりも音楽家にはお勧めです♪

3)指と手の準備運動〜フィジオパティ(粘土みたいな物体)を使ってエクセサイズ(5分)この際も練習する曲について考えつつ行います。

4)コーヒー☕︎と甘い物→楽譜を見ながら練習のメニューやどう弾きたいか考える。

5)一音エクセサイズ(脱力と消音)on piano
6)音階とアルペッジョ
7)練習(30分〜1時間毎に休憩⏳)




チェンバロ
1)2)3)4)は同じ。
5)調律
6)楽譜を睨む→プラン確認→運指の日は運指へ。
7)ゆっくりの曲や箇所から練習、早い曲もゆっくり。

両方とも
まだ余力があるなぁという時に
練習を終了。
今日はここが良くなったので
次はこの辺りをさらおう!と
成果と課題を確認して
楽器を閉じます。

もうひとつ
時々行う
意外に効果抜群な練習法は
電車🚃や機内で楽譜を見る事👀。
フレーズや
構成など
パッと💡閃くことも。
おかげで
電車から降りそびれそうになる事が
しばしば

さて練習への準備開始!







チェンバロとピアノの両立

2024年01月21日 | 音楽
以前にも書きましたが
今年は
両方の楽器でお仕事が
入ってきそうなので
両立の為の注意事項⚠️
備忘録を兼ねて記そうと思います。

(チェンバロ始めたばかりの方へ)
個人差ありますが
基本的なタッチが身につくまで
一年くらいはチェンバロに集中!
それが無理なら
絶対同じ曲をピアノで弾かない!
(これは私今でも気をつけています)。

さてタッチの違いですが
色々な事が
まことしやかに囁かれております。
例えば
腕を動かすな!
肘も動かすな!
上半身は動かすな!
などなど






これを守ろうとして
コチコチになり
音楽までカチカチ🥶になる方が
プロでも沢山いらっしゃります。

実は
私の恩師達は
〜するな!ではなくて
腕は脱力しよう!
手首の力も抜こう!
指先は鍵盤と仲良く!
くる節からモゾモゾ動かそう!
といったような
〜しよう!系の指示を
常に飛ばして下さいました。
なので萎縮せず
自然に色々気をつけられるようになりました。






チェンバロとピアノの
決定的な違いは
弦を弾く際の抵抗の瞬間。
この瞬間を
指で感じて
表現に繋げるのが大切です。
そして
指は鍵盤と仲良く=
レガートにしたい所や、同じハーモニーやフレーズ内のオーバーホールドを最大限に使う。

アーティキュレーションを
常に叫ぶ演奏家や生徒さんの中には
パツパツと
フレーズを切って
指も上げて
音楽がブツ切れ事件
結構発生しています。
時折
アーティキュレーションを
つけなければ
死んでしまう病
みたいな方もいらっしゃいます。

私の恩師達の口癖は
「貴女は音楽を奏でるべきで
アーティキュレーションを
奏でるべきではない!」
「チェンバロは美しいレガートで弾く方が
難しい。だからこそレガートが大事!」
💓
と言っていました。
アーティキュレーションに
こだわるのに有名なダッチスクールですが
例えば
Bob van Asperen
 は
結構レガートに拘っていました。

真に音楽の解釈を
大切にしていて
腕を動かすなど云々の
表面的な事より
どう表現するか
どう聴こえるか
を細かく細かく細かく追求。

レガートに弾くために
え!?そんな運指するの?
みたいな指示もあり
タジタジ😅

でも自分の恩師達も
特にニコラス・パールは
その路線まっしぐらなので
私は首を縦に振り続けたのを
覚えています。

という事で
ちょっと脱線しましたが、
両立する際の
実践ティップは、
曲を分ける
日を分ける
両方の楽器共、練習前に身体と心を整える*
(これの方法は別記事で)
少しさらったら録って自分の音をチェック
新しい曲は表現と繋がる運指を先ず考える




もうひとつ
例えば副科で
チェンバロのレッスンを受けて
楽器が弾けるようになる=チェンバロ弾ける
ではないという点は
残念ながら
指摘したいと思います。


バロックや古楽の
様式や
パフォーマンスプラクティスを
勉強して
初めて
楽器への
アプローチなども
深まっていきます。
ソロのみでなく
通奏低音などの経験も
大事です。
私も2年間は
古楽科でみっちりと
その辺りも勉強、
その後も勉強の連続です。
😅
奥が深いですね、
学べば学ぶほど
自分の不勉強を痛感します。
という事で
今年も
頑張ります!
















新年の抱負

2024年01月07日 | 日記
またまた出遅れましたが
新年の抱負を
自分を励ます意味も兼ねて公開。
何事も継続が力。
3日坊主で終わらぬようにしたいと思いますw
小さく実践出来そうな目標が大事!

12:30に寝る支度をする(夜更かし防止)

-これが結構難しい😓突如フクロウ🦉について調べまくったり、推理小説が止まらなくなったりする性質があり、時差ボケ中以外は平気で午前3時くらいまで覚醒している事も度々なのです。そして睡眠時間4-5時間で翌日大後悔。珈琲カップに鉛筆を✏️入れて生徒に笑われたり。
睡眠は大事!

筋トレとフェルデンクライスをマメに(メンテ)

-肩や首の凝りは職業病ですが、ちょこちょこ筋トレやフェルデンクライスのエクセサイズをする事で随分防止出来るので、コレも必須です!

Duolingo 継続(🇩🇪🇫🇷🇮🇹🇪🇸)
-語学を学ぶのは好きな上にDuolingoはゲーム感覚で続けられるので只今410日目です!ただし欲張り過ぎて、ドイツ語を話そうとして、Ich bin müde parce que 😂みたいにごちゃ混ぜになる傾向が、、。気をつけながら続けたいと思います。

賢者に頼る
-行き詰まった時は、去年出会ったセネカやアウレリウスのアドバイスを今年も仰ごうと思います。色々な人達(音楽家も含め)伝記も、もっと読むぞ!📕

笑う門には福来る

-ユーモアを常に忘れずに暮らしたいたいものです。
最近ちょっとハマっていたのがBBCのGhostというコメディドラマ。こんな風に亡くなった祖父や祖母達が実は近くにいて、あーだこーだ言っていたら良いな!と思いつつ楽しく観ました。そう思ったら何だか心強いじゃないですか!?

🎠塞翁が馬
-日々の⤴️&⤵️も、この言葉でしなやかに乗り切っていけたらと思います。

おっと、12:30です!
寝支度せねば!お休みなさい💤






新年早々嬉しいレビュー

2024年01月06日 | 音楽
クリスマス前
束の間の日本を満喫して
ロンドンに帰ってきた途端
コロナで伏せておりました。
何とか無事回復して❤️‍🩹
Happy Nee Year! 
ところが、能登半島の地震など
新年早々心痛むニュース。
被害に遭われた地域と人々に
一刻も早く必要な支援が行き届きますように!
遠い空の下から祈っております。🙏

病み上がりで
何となくアダージョに
練習や教えを始めていた矢先、
思いがけなく嬉しいレビューを
アメリカ🇺🇸ファンファーレに
書いて頂きました。
ありがとうございます。
改めて録音エンジニアの
ジョン・クロフト氏や
プロデュースして下さった
恩師ニック・パール氏を始め
素晴らしいチームに恵まれた事にも
感謝で一杯です。
💓
著作権の関係で
抜粋のみですが、ここで日本語訳と共に
紹介したいと思います。
2024年も襟を正して
謙虚に、真摯に
精進していきたいと思います。

“-What I especially love about her playing is not just the spontaneity but the sense of wonder and exploration she brings in such movements as the opening Prelude to the D-Minor Suite:”


特筆したいのは、ニ短調のプレリュードの様な楽章などに溢れる自発性のみならず、何かを驚きと共に探究している様な感覚である。


“Ogawa’s is special in so many ways: in her lovely sense of pacing; in the extreme, yet tasteful ornamentation that adds to the work’s momentum; in the gorgeous colors she elicits from her chosen instrument (here, one by Klaus Ahrend, 1973, after Johann Daniel Dulken); the beautiful clarity of articulation and balancing of voices; and not least of all, in the gorgeous way she characterizes each and every variation, with an understanding of not just what came before, but what is to come.

The recording was captured in a crystal-clear acoustic, one that allows every nuance to be heard, though one that never sacrifices the total sonic atmosphere.”


(ト長調シャコンヌ)小川の演奏は多くの点で卓越している。全体を構築していくペース、作品の抑揚に貢献する極めて豊富で趣味の良い装飾、彼女が楽器から引き出す多彩な音色(楽器の説明・略)、鮮明なアーティキュレーション、声部のバランス、など挙げればきりがない。更に、彼女はそれぞれの変奏の性格を前後との関係を捉えた上で絶妙に描き出してゆく。

アルバムはクリスタルクリアな音質で繊細なニュアンスを拾いつつ決して全体の雰囲気を損ねることなく録音されている。


“—do yourself a favor and take a listen to this release. You may hear qualities that you’ve never been aware of before. And you may be surprised at just how dynamic the instrument can be in the right hands.” © 2024 Fanfare

是非このアルバムをお聴きになるよう勧めたい。(ヘンデルのみ鍵盤作品を聴いていて)今までは気づかなかった様々なことを(彼女の演奏を聴き)発見するであろう。チェンバロが奏者の技量でこんなにダイナミックで表現豊かに奏される楽器なのかと驚嘆するはずである。