お気に入りのカフェで
久しぶりに
ブリオッシュや
コンフィチュールを
楽しみながら
ふと思う。

EU離脱後に
このベルギー系カフェは生き残るのだろうか?
ワッフルは勿論の事、
ケーキやパン類も豊富で美味しい。

ウェイターやウェイトレスの大半は
マルティリンガルのヨーロピアンだ。
17年前
ロンドンで
美味しいコーヒーの飲めるカフェを
見つけるのが至難の技であったと
以前にも書いた。
イギリスの食文化が
近年急激に豊かになったのは、
EUと移民のおかげだ。
今やロンドンでは下町的
南東部ですら、
洒落たフランス系のカフェを
楽しむ事ができる。

つい食いしん坊が先に立って
食べ物の事から始めてしまったけれど、
様々な面を
あれこれ眺め廻しても、
EU離脱が
イギリスにとって吉と出るとは
到底思えない。
EUは確かに、組織的な問題を
抱えている。
イギリスの国会で
イギリスの問題は決めたいという声も
多少は分かる。
けれどEUの抱える問題は、
イギリスにとっても
痛い問題ばかり。
移民、テロ、地球温暖化、
どれを見ても
イギリスのみが単独で
解決できる問題ではない。
EUと共に取り組むことが必然的な問題ばかりだ。
私の知っている音楽家達の90%が
離脱反対派だ。
音楽は言葉や国境を越えて
人々を結びつける。

身近なアンサンブルだけ見たって、
チェコ🇨🇿、ブルガリア🇧🇬、スペイン🇪🇸、が日英に混じっている。
スペイン人(カタロニア人)の同僚が果たして離脱後にイギリスで働き続けられる保障は今の所無い。酷い話だ。
自分も学生時代、
随分とヴィザには
悩まされた。
才能ある同僚達が多々
ヨーロッパで活躍したいという思いを
泣く泣く諦めて
帰国したりした。
そんな思いを
更に多くの若者達が、
EU諸国の若者達も含めて
味わうことになる。
あまり身近にはいないけれど、
メディアや、周囲を見回すと
離脱派の意見には
視野の狭いものが多い。
差別的、排他的な極端な意見を除いても、
EUへの批判のみが先立って
EUが抱える大半の問題は、
イギリスも抱えているという事を
踏まえていない。
踏まえていても、
イギリスのみで解決出来ると
思っていたりする。
ついでにEUの恩恵を
しっかり把握していない。
また食べ物に戻るが、
イギリスは日照時間が少ないから
野菜も果物も、豊富ではない。
イギリス産のトマトなどは
酸っぱくて食べれない物が多い。

新内閣とメイ首相が、
物資の流通は
EUと行うけれど
移民はNoだという交渉を進めようとした。
てんで相手にされていない。
そりゃあ当たり前だ。
そんな御都合主義は、
どこも相手にしてくれない。
イギリスは孤立する一方だ。

それにしても
離脱派のリーダー達は、
結果が出た途端、
後は野となれ原となれ。
無責任甚だしい。
離脱派の筆頭だったボリスなどは、
「EU離脱は、
EUと共に歩み、
我々はEUと常に交流し、、ウニャウニャ」
と、意味不明な声明を出す始末。

フェラージにあたっては、
イギリスでの政治活動は、
自分の人生を楽しみたいからと
引退しておいて、
今度はアメリカに
トランプの応援に
ノコノコ出て行く醜態。

EUにイギリスが払っていた
⒊5億ポンドはNHSに!というスローガンは
真っ赤な嘘だったと
フェラージは
しゃあしゃあと翌朝言ってのけたりもした。

離脱派の無責任さには
怒りを通り越し
呆れ果てる。
テレザ.メイ が
ボリスを外務大臣にしたのは、
「あんたが離脱だって言ったんだから
責任持ってやんなさい!」って事なんだろう。
離脱派の中には、
別に大丈夫じゃない!?って
今でも思っている人が多いらしい。
まだ離脱は初めの一歩も
始まっていない。
彼等は
始まって実際に痛い目に遭わないと、
離脱の意味を理解出来ないのかもしれない。
無知な大衆が
エゴイズムと排他主義に動いたとも言えるし、
中央集権の政治が、
地方の大衆への富の配分に失敗した結果とも
言えるかもしれない。
多文化的社会の
恩恵を味わっているロンドンでは、
過半数がEU留意派だった。
新ロンドン市長も留意派だ。
ロンドンに住む一市民として、
音楽家として、
EU離脱の行く末を憂う日々だ。