倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

コンサート終了

2013年04月28日 | 音楽
やっぱり本番って、
怖いです。
突如思ってもみなかった事が
起きる。
別に外的要因が無くても
意味の分からない方向に
自分のマインドが動きます。
ふと視界に入ったお婆さん、
眠そうだな、、。
とか、
何か寒いぞ、、、。
とか、
弾いている音楽に、
ちゃんと没頭している瞬間は、
大丈夫。
かといって、冷静に
自分の出している音を
聴くことも忘れてはいけないから、
そのバランスを取るのって
難しいと
いつも痛感します。
今回は、余裕があったはずの
一曲目のバッハで
意外にも後半
不安になってしまいました。
するとツルッと指が
滑ったのです。
更に、モタモタっと。
バッハの後に
やっぱり今日はすみません!っと
帰っちゃいたい気分でした。
客席から
大変温かい拍手と笑顔が
あったおかげで、続行出来ました。

次はデュポールのメヌエットによる変奏曲。
コンサートの日の朝、
電車の中で、ネットで曲について検索。
モーツァルトが、この曲を
224年前の昨日書いたことが、発覚!

ポツダムで、
王室音楽長のデュポールに、
気に入って貰うために、彼のメヌエットを主題に作曲したとのこと。
いわゆる職探しの旅
の最中だったわけです。
職どころか、借金が
増えて旅は終了しました。
天才モーツァルトが、成人してから
苦労した話は、広く知られています。

妙にこの日は、
臨場感を持ちました。
そのせいか、
モーツァルトが良かったという
お客様が多かったようです。

この後の
ショパンのワルツは、ちょっと
付けたし的に
なってしまったかもしれません。
まあ、お口直し(?)的に。

フィナーレは、
ドビュッシーの喜びの島。
彼が、ダブル不倫のスキャンダル中
パリを抜け出し
愛の逃避行に、ジャージーへ
行った際に作曲した曲です。
ワトーの絵 'シテール島への船出'も
曲の題材になっています。
愛人エマと、ドビュッシーは、
後に結婚。
初めの奥さんが、自殺未遂。
このスキャンダルが元で
何人か友人がドビュッシーから
離れていったようです。
ドビュッシーって、
とっちゃん坊やみたいな髪型で、
おチビ。
決して写真では、ハンサムと
言えないんですが、
もてたんですね~。
大変な恋愛歴に、
ビックリさせられます。

ハバネラのリズムや、
舞曲的リズムをベースに、
全体が、最後へと盛り上がっていく
ボレロを思わせる
構成になっています。
統一感を失わず
細部の色彩感も出して演奏するのは
結構難しい。
ドビュッシー自身、この曲を
「なんて、難しいんだ!」
と、言ったそうです。

今回、初めて本番にかけたにしては
無事弾けましたが、
まだまだ練り所満載です。






面白い本

2013年04月07日 | 日記
ちょっと面白い本
見つけました。
哲学って、
難しい、近寄り難い
と思ってる、私のような人に、
お勧めです。
そうでなくても
人生について
悩んでいる人にも
お勧めです。
悩んでない人にも
お勧めです。


A Little History of Philosophy
Nigel Warburton

私は、基本的に
能天気、極楽トンボ、楽天家
であると、自他ともに、
認める性質です。
が、それでも、
世の中って!?とか
こんな生き方で、良いのか??


とか
真面目に悩む事もあります。
こんな自分でも、そうなら
世の中の、人々は、
もっと真摯に
悩んでいるに違いありません。


この本は、
様々な哲学者の生き方と
思想を
とっても分かり易く
ユーモア一杯に
紹介したものです。

私でも分かるって事は、
ひょっとして、
子供向け??

と思ったけれど、
ちゃんとFor all ages. って
書いてありました。




そういえば、
高校1年の時
夏休みの宿題のひとつに
プラトンの饗宴の
感想文を書くというのが
ありました。

少し読んで、zzzz.
父に
「何か、チンプンカンプンで、
よう分からん!」と、訴えると、。

「、、、。そうかあ、ふーむ
やっぱり君の頭では難しいかもなあ。」
という
納得と同情の入り混じった
コメントが、返ってきたのを
憶えています。


結局、感想文には、
何を書いたのか?
全然憶えてません。


A Little History of Philosophy
を読み終えたら、
私も、哲学書をちゃんと
読めるように
なるかも!
と、密かに期待している所です。


4月4日~雪 コンサート

2013年04月04日 | 音楽

4月4日、今日ロンドンは、雪です!
ロンドンに住んで
14年近くなりますが、
こんなに寒い4月は、初めてです。


そんな中、
ヘンデルフェスティバルの
ランチタイム・コンサート、
無事終了しました。

実は、元々歌う筈の
ソプラノ歌手が、
1週間前に降板し、慌てて
代わりを探すという
ハプニング付き。

本来歌う筈の歌手が、
プログラムに選んでいたのは、
ヘンデルのカンタータ2曲。

バロックヴァイオリン2人と
チェロ1人、そして自分の
4人。

楽譜を揃えたり、
リハーサルを組んだりの地点から、
連絡しても、
うんともすんとも歌手からの
反応が無しという状況が、
続きました。
そして、1週間前に、
フワリと、!!
「声が忙しくて、疲れているから
コンサート無理かも、、
どーしよう!?」てメールが!



結局、急きょ
過去のヘンデルコンペティションの
ファイナリストから、
代理で歌ってくれる人を、
探す事に。

超短期間で、
2曲も、カンタータを
仕上げてくれた
エリノア・ラルフ・ジョンソン さんに
脱帽と、感謝です!


Agrippina condotta e morire「死へ向かうアグリッピーナ」は、
ミニオペラ的な、
30分近くの大曲。
死に瀕するアグリッピーナの
ネロに対する
心の葛藤を、
描いた美しく激しい作品です。
テンポの変化や、
不協和音の多い、レチタティーヴォ。
音域の広さ。
表現豊かな演奏が、
要求されています。
エリノアさんは、非常に
声に深みと、色のある歌手で
この曲にピッタリ。
レチタティーヴォが、
難しいと、こぼしつつ、
本番は、ちゃんと音程もはまり、
美しくドラマチックな、
歌を披露してくれました!