倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

エマ・カークビーのマスタークラス

2012年10月08日 | 音楽
世界のエマ・K。
Dame の称号も授与されている、古楽界の女王的存在。


その名声や、地位とはうらはらに、
あまりに素朴で、気さくなので、
度肝を抜かれる人も多い様です。

エマのマスタークラスの伴奏は、
これ迄に、何度もさせてもらいましたが、
私も最初の頃は、びっくりしていました。

今日も、次から次へと、何気なーい雰囲気で
バンバンと、鋭いアドヴァイスを!

若い生徒さんの中には、
エマの謙虚さ故に、アドヴァイスの深みに
気付けない人もチラホラ、、、。



特に徹底しているのは、
いかに大切に言葉を歌うか、という点です。

子音や、母音を生かして、一つ一つの言葉を
丁寧に、表現するために
いかなる妥協もしない。

何度も何度も、生徒が出来る迄、
丁寧に指導していきます。

ちょっと教える途中に歌う彼女の声の美しさにも
改めて、恐れ入りました。


某音楽院は、何故もっと彼女のマスタークラスを
事前に生徒に宣伝しないのか、
不思議です。

ひょっとして、エマがわざと、
大袈裟にしない様に、頼んでいるのかな?
と思う程、ひっそりと、マスタークラスが開かれるのです。
エマは、ひょっこり現れ、ひょっこり帰って行く。


彼女の素朴さと偉大さに、
今日もまた、感銘を受けました。



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演奏家の心得

2012年10月07日 | 音楽
先日、私の大好きなカウンターテナー、ヤルスキー氏のインタビューの記事を
何気なく読んでいました。

そこで、ドキッとした件が、、、。


なぜ、OOの作品を歌わないのか?という質問に、
Artist should know what he can do and what he can't do

という様な返答をしていました。
非常にシンプルな答えなのだけれど、
そういう風にスンナリ言えてしまう所が、
本当のアーティストだと、恐れ入ったわけです。

と同時に、
自分が、ピアニストとして、
この単純な、しかしエッセンシャルな
鉄則を習得していなかった事に気付き、
愕然としました。


やっぱり世界の超一流は、
自分の力量を厳しく認識する所から
出発しているのだなあ、、、と。

歌い手さんというのは、
例えば、いくらプッチーニが好きで歌いたくても、
その時、持っている声が、合っていなければ、
歌ってしまうと、喉を壊す事になります。

でも、つまるところ、
ピアニストだって、同じ事なんですよね、、。

プロとしての演奏レベルを維持するためには、
いくらラフマニノフや、シューマンや、ブラームスが
弾きたくっても、
その自分の願望を律して、
自分の手や、体、スタイルに合ったものを
極めて行かねばならない!
つまり、そういう選択していく能力も
実力のうち、という事です。


もっと早くに、悟るべきでした。
10年前くらいに、気付いていれば、、、!
とまあ、気付けなかった自分の力不足、能力不足
だという事でしょう。

自分のオツムの足りなさを痛感した
ヤルスキー氏の鋭い発言でした。

コメント (2)
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収穫祭 / Harvest festival

2012年10月07日 | 日記
紅葉が美しい季節になりました。
ロンドンの紅葉も
お天気の良い日は、
なかなか美しいです。
日本の紅葉の場合、
山の端や、お寺、神社合い重なって
古の時が、静かに流れてゆく。
物悲しい秋をしんみり、、
という感じです。
私の個人的な観察ですが、
イギリス人は、あまり
紅葉=物悲しい という連結は無い様です。

フランス歌曲だと、
秋と、恋の終わりなどを重ね合わせた歌は
多いけれど、
イギリス歌曲にそういった曲があったかどうか、、。
どちらかというと、
わあ、、秋だ.綺麗だねえ!
といった単純な反応。

今日はオルガンを弾いている教会の
Harvest festival.


手作りジャム、クッキー、果物の砂糖漬け、果物のリキュール、ハーブオイルなど販売。
皆の持ち寄った手料理で、朝のミサの後、ランチ。

アフリカ系のスパイシーなシチューやご飯
タイ風チャーハン
ロシアンサラダ
キッシュ
多国籍の、にぎやかな食卓です。

秋の食べ物と言えば、
栗、焼き芋、カボチャ などが、大好物の私ですが、
そちらは、日本食屋さんで、手に入れる事にして、
今日は、様々な秋の味をつまんで、
お腹いっぱいになりました。


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