紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

名刺をつくる。

2006-11-02 00:22:15 | おしごと
 何年か前に仕事上の全国大会の分科会で、事例報告のプレゼンをする羽目になった。なってしまった。
 最初はなにかの間違いか、軽い冗談だろうと思って、当然おことわりするつもりだった。おじいちゃんが日に日に弱って行くのも気がかりで、家を空けるのが不安な日々でもあったので、依頼があった時点では、まさか私が行くことになるとは思いもしなかった。

 が、結局のところ行かざるをえないだろうと自己判断して、腹を括った。長年同じ所で仕事をしているとはいえ、所内ですら発表なんてしたことなかったのに。いきなりの大舞台でのプレゼン・デビューになってしまった。いや大舞台すぎて、かえって開き直れたのかも。

 サービス残業同様の「家に仕事の持ち帰り」はしない、と固く決めていたけれど、今度ばかりはそうも言っておられず、日付を越えて口述原稿を書く日々に突入。睡眠不足が祟って?出勤日を休日と勘違いし、危うく無断欠勤しそうになったことも。

 ところで十年ぶりの出張研修だ。交流会もある。ということは、名刺がいるんじゃないの?

 まだ家族全員で年に1回旅行をしていた頃、岐阜県の郡上八幡に行った。15年ほど前で、まだ素朴で懐かしい空気が郡上八幡には流れていた。そこのお土産屋さんで、美濃和紙の名刺を奮発して購入したっけ。和風の模様がさーっと入った名刺の箱が、引き出しの奥より発掘された。やっとお天道様の下に出て来る日がやってきたよ、君たち。

 そして次なる仕事はプリントゴッコの出番である。手書きで原稿を作り、製版を作り、ぺったんぺったん刷って行く。別段特殊な字体でも、イラスト入りでもないけれど、ミョーに存在感のある名刺が完成した。

 真っ先にKちゃんが気に入り、「私に1枚ちょうだい!」といって、できあがったのを1枚机のデスクファイル?(机の上に敷く厚手の透明なビニール。中に紙類を挿める)に保存してくれた。

 出張もプレゼンも無事終了し、名刺も日本各地の人達にばらまけた。帰りにひとりで新宿の紀伊国屋で期間限定の斎藤美奈子さんがつくった「人文」の棚を見に行き、都会の本屋さんでどきどきし、中村屋で一番安いカレー(ロールパンにカレーが入ったもの)をいただき、目眩がするほどのおいしさに合掌したくなった。が、「東京酔い」(勝手に命名)のため、翌日は寝込んでしまった。

 昨年、名刺に似合うデニム地のへんてこりんな名刺入れも買った。が、名刺は残り僅かになってしまった。もったいなくて、どんどん渡す機会を逸しているこの頃である。

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