紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

じいさんの放物線

2007-05-20 21:47:13 | ファミリー
 田舎ではよくある光景なので、いまさら驚くことではないのかもしれないが、でもシチュエーション的には初見であるので、記しておきたい。

 もしかしたら、犯罪に類することかもしれないが、そのわりには皆さん正々堂々と白昼、しかもやたら見晴らしのいい360度遮るもののない場所で、とり行われていることが多い。頻度としては1~2ヶ月に1度は目撃する。

 お父さんが運転し、私とKちゃんが後部座席に座って、信号が赤に替わり信号待ちをしているときだった。前には軽トラが1台停車していた。

 その軽トラから、おじいさんがひょこっと降車した。えっ? なんで? 赤になったばかりとはいえ、すぐ青に替わるのに? 

 彼はひょこひょこ角の畑の際まで歩いていった。
「あ、もしかしたら、あのじいさんは」と私が予言を口にしたら、予言通り、液体が放物線を描いていた。

 3人3様に騒ぎ出す。

 H氏は「ああっ! あの畑、あの人のやろか!? ちがうやろな~。そやけどタマネギにかかってる! ジャガイモに沁み込んでる!」と主に衛生面を心配していた。

 私は「じいさん、信号青になるまでに戻れるやろか! はらはらするやんか! タイムショックやで! 心臓にようないで!」と、時間的な心配をした。

 Kちゃんは「じいさんが・・・じいさんが・・・ぎゃははははは~」とひたすらウケまくっていた。

 車の窓がわずかに開いていたので、もしかするとこの騒ぎが、じいさんの耳に届いたのかもしれない。取るものも取りあえず、というか、片づけもそこそこに、というか、そそくさと車に戻り、なんとかセーフで青信号に間に合った。
 H氏は同性として、途中やなかったんやろか、もらしてへんやろか、と他人事ながら非常に心配していた。

 Kちゃんは通り過ぎざま、しっかと現場検証して、「ぬれてる・・・」とつぶやいていた。

 「そういえば、うちのおじいちゃんも、よくウチの畑でおしっこしてはったな~、肥やしになるっていって」
 たしかに田んぼに向かってされている方のパーセンテージは高いなあ。でも360度のパノラマなんだけどなあ。ま、本人は世界の中心で放物線を描く開放感に酔いしれているんだから、いいんだろうな、きっと。

 しかし、まさか見ず知らずのオンナのブログに書かれているとは、夢にも思ってないだろうな、じいさん。

 *付録
『クロワッサン』5月25日/709号の「古い町を旅する。」という特集に、滋賀県/近江八幡の記事があります。Kちゃんの学校近辺で私の行動テリトリーですので、参考までに見ていただいてもいいかと。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (紙魚子)
2007-05-21 11:28:28
 柿の木の下っていうのは、なぜか思い入れのある場所みたいですよねえ。
 ウチの夫は、柿なんて食べたことないのに、大変大事にして灰をあげたり、堆肥をあげたり、草刈りをしてあげたり、毛虫取りも意地のようにします。草刈りついでに、私のホタルブクロも苅られたりしています(悲)
 そうそう実家でお寺の集会があるときには、おばあちゃんたちが朝顔を使っているのを、頻繁に目撃しました。もちろん向きは男性と逆なんですけれどね。着物姿ならではのことだったのかもね。
返信する
Unknown (れんくみ)
2007-05-21 10:00:14
うちの例の底抜け天然おじいさん(昔はかっこいい尊敬する父でした)昨日仕事から帰ってくるとカキの木の下に小さな後ろ向きの人影・・耳の遠い彼は私が車で戻って来たのに気付かない様子でした。車を降り『バタン!!』とドアをしめたら必要以上に“ビクン!!”そうです。たぶん放物線といえるものではなかったかもしれませんが・・(大丈夫だったか?)。でも一応は、彼なりの羞恥心が邪魔をしたのか家の敷地内、しかも畑にしては必要以上に大きな“ビクン!!”ではありました。昔は、女性でもある年齢に達すると立った姿勢で出来るようになったそうですが・・おじいちゃんの“ビクン!!”は古き良き時代の終焉をつげている物悲しさがありました。
返信する

コメントを投稿