教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

火星が攻めてくる日は来ない

2015-04-17 23:59:05 | 経済/経済/社会
いま地球上にあるすべての国の統計を合計すると、貿易収支だか何だかが大幅な赤字になる。

…という話はときどき聞く。
これはピケティの著作”21世紀の資本”にも書いてあったことだ。

なぜか?

…という問いに対し、例のピケティの本ではタックスヘイブン経由で自国に投資している先進国の資本の存在を臭わせている。
これとは別の見解によれば、中国の貿易統計は相手国の貿易統計とは大幅に異なるため、中国が政治的な理由により貿易黒字を大幅に過少申告しているせいだという見解もある。

これはどちらが正しいのか?

わからん。
たぶん両方正しいのだろうが、比率の程度までは見当もつかん。

ところでだな。
世間ではこの「貿易収支だか資本収支だかが大幅な赤字になる」現象について、「地球は火星から借金がある」とか「地球は火星に対して貿易赤字である」
とか表現する。
例のピケティの本でもこういう表現があったのも見た。
(っていうか、こいつがはじめに言いだしたのかもしれんのだが)

別の表現としては、公定歩合(昨今では政策金利)を下げることをして
「月から金をひっぱってくる」
という表現もある。
(ケインズ的な財政負担を強いる政策なしで需要を喚起させることからくる表現)

では、ホントに火星に対して貿易赤字や借金があるとどうなる?

…とか考えはじめると、火星のカタフラクトが借金の取り立てのために攻めてきそうな感じがするわ(笑)。

とはいっても実際に人類が火星に移住できる時代になったとしても、火星に対して大幅な貿易赤字が出ることはあるまい。

なぜか?

輸送コストがとてつもなく高いからだ。

かつて大航海時代、インドでは庶民の食卓で使うほど一般的な香辛料が、ヨーロッパへ輸送したあとではグラムあたりで金と同じ値段になったという。
これと同じことになるわけだ。
アルドノア・ゼロでも鶏肉が火星では貴族しか食えない超高級食材だったのを思いだしてほしい。

さらに言えば、火星に対して大幅な貿易赤字があったとしても、火星のカタフラクトが借金の取り立てのために攻めてくることもまたあるまい。

なぜなら、火星から地球までというとてつもなく長く伸びた兵站が戦争の続行を不可能にさせるからだ。

かつて大英帝国が全盛期から転がり落ちた日、それは植民地の武力鎮圧のコストがかかりすぎてギブアップしたことが原因でもある。



もうここまで来ると、火星と地球の間で資本の移転が起きるのかどうなのかさえ怪しくなってくる。

例えば今の日本国政府は米国債を1兆ドル以上もデジタルデータで持っている(いまは米国債は紙では発行されない)わけだが、これは何かあったときにそのドルを対価に必要なものを輸入するための手段として使えるから持っているわけであって、
人民元のように何かあったときに使えない可能性が高い(たとえば日本の有事は中国か中国の子分の国が引き起こすものであるのは断言できる状況であるため、その状況では中国人民銀行が日本国政府の口座を凍結するのは確実だという理由による)ものは日本国政府は保有していない。

米国債とは逆に火星とはロジスティクスのコストがとてつもなく高く、いくら火星中央銀行にお金を預けていようと必要なものを輸入することができない、つまり火星の通貨は地球ではほぼ無価値、だから資本の移転が起きないんじゃないか、そう思うわけ。

アルドノアドライブくらい重量あたりの金銭的価値が高いものだったら、かなりの対価を支払ってでも欲しいとなるとは思うけどね。