世界はシステムで動く―いま起きていることの本質をつかむ考え方
メドウズ,ドネラ・H
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784862761804
ちょいと前のことだが、ある日突然、うちの会社が全面禁煙になった。
するとどうなったかというと・・・
会社の前の公道やすぐ近くの公園でみんなタバコを吸うようになった。
するとどうなったかというと・・・
「近所の人からクレームが来てる!」
と人事ブチ切れ。
しかも都合の悪いことに、作業着の着用義務の締め付け強化が同時に行われており、
タバコを吸ってるヤツらがどこのどいつなのかがバレバレになってしまっていた。
これを見てどう思われる?
「うちの上層部はこんなにマヌケだったのかよ…」
と、我輩のようなタバコを吸わないヤツらもふくめた全員に冷笑されるにいたる。
そもそもタバコを吸わないヤツらのほとんどは受動喫煙がなければ同僚がタバコを吸うくらい好きにすればいいくらいにしか思っておらず、
逆にそんな細かいことまで口を出すなんてこの社長大丈夫なのかとすら皆の思うところであり、
全面禁煙になって喜んでいるヤツは我輩は一人もお目にかかったことがない。
どうしてこうなったwww?
それは、この本の著者のいうところの「システム思考」がなっとらんということだ。
うちの会社のタバコの例よりもっとマヌケな例もある。
全国で唯一の「コンドーム販売規制」
長崎県の少年保護育成条例改正が紛糾
http://diamond.jp/articles/-/7651
↑これだ。
詳細はググるなりリンク先を読むなりされたし。
ちなみにこの本ではマヌケの最たるものとしてチャウセスクの中絶禁止をあげているが、これも似たようなもんだろう。
この本はタイトルにあるように「世界はシステムで動く」ことを滔々と説明している。
それを読めば「まあ意味はわかったよ」と思う人もいよう。
しかし問題はそこではない。
システムの中の人からは、往々にして本質は見えないということだ。
世界はシステムで動くことを頭ではそれなりに理解していたとしてもである。
たとえばこの本ではピケティが言いだして一躍有名になった「金持ちはさらに金持ちになる理論」に別の観点からたどり着いているが、
だから我々個人がどうしようという具合にはなかなかならない。
中にはそれで共産党に入信したりプラカード持って首相官邸前に集合したりするヤツもいるかもしれんが、
それもこの本でいう個別最適の一側面にしかなっていない。
だから世界はマヌケな指導者に満ちているのか…というところか。