最近しばらく「マンション売ってくれませんか?」ばかりだったが、
アベノミクス開始以来ひさしぶりに「マンション買いませんか?」がかかってきた。
ワンルームも持っている不動産投資家である我輩から見てもワンルームマンションのキャッチセールスはインチキ臭い、
いやヤツらの手の内をよく知っているからこそなおさらインチキ臭いと思うわけだが、
いろいろ聞きだしてヤツら的にはどういうリクツでツジツマ合わせをしているのかを探ってみた。
ようはこれはワンルームマンションの買い手のドシロウトに夢を売りつける商売であり、
ワンルームマンションオーナーの夢見て信じて疑わないインチキな未来の話である。
では本題の夢物語の話をしよう。
ヤツらの売りつけるワンルームマンションとはいかなるものか?
「頭金なしで不動産投資可能なんですよ! しかも月1万円の手出しですよ!」
ヤツらは物件価値の下落をいっさい考慮しない。
だからキャッシュフローの話しかしない。
そこまで考慮したうえでスルガ銀行から全額借りてプラスで回る物件なんて無いからだ。
ヤツらは銀行への月々の返済額しか言わない。
銀行への月々の利払い額の話はしない。
だいたい「売上の半分が利払いで消える会社なんて詰んでるだろ」と言えば誰しもそう思うはずだが、それに気づかせないことが重要なのだ。
まあこのへんのことはかつてさんざん書いたので今日はあらためて詳細は書かない。
わたしは
「どうせいつものように、自分が言ってることの論理の破綻に気がつかないマヌケが、さらにマヌケを捕まえようとしてるだけなんだろ?」
という思いで聞いていた。
だが1つ疑問が残る。
詐欺は自分自身がその詐欺を信じるほどでなければ成功しにくいらしい。
ではどういうリクツでこのマヌケなキャッチセールスは自分のインチキ臭い説明を信じたのか?
ヤツらの言い分をまとめるとこんなやりとりになる。
奴「将来ぜったいにインフレが来ます。インフレが来たときは現金よりモノがいい。モノの代表例は不動産ですよ」
俺「わたしも将来インフレが来るかもと思っているタチだが、インフレが来なかったら何百万円も損するような投資は話にならん」
奴「インフレは絶対来ます! ほら、この資料によれば1980年に○○万円で買ったマンションは今○○万円になっています!」
俺「だからインフレが来なかったら何百万円も損するような投資は話にならん。だいたい1990年以降はほとんどインフレなんて起きてない。その話をするなら1990年以降に建築された物件にしなさい」
奴「インフレは絶対来ます! 20年やそこらでは景気のアップダウンに隠れて見えません! 50年くらいのスパンで見ればインフレは絶対来ます!」
俺「わたしはあと50年も生きてるとは思ってねえよ。50年たたないと回収できないような投資をあんたは勧めているのかい」
奴「50年以内にはインフレは絶対来ます! これまでの人類の歴史からいっても明らかです! アメリカの有名な投資家の○○も△△もそう言っています!」
俺「有名人の誰さんが言ったなんてことはどーでもいい。金本位制のときは長期にわたってインフレなんてほとんど起きていないけど」
奴「それは統制経済のころです。ホンモノの資本主義経済ではそうはなりません」
俺「ではあなたのいうホンモノの資本主義経済とは日本では西暦何年から?」
奴「1950年代以降でしょうか」
俺「経済成長が著しいときにそれと同じくらいインフレになるのは当然でしょ。いまの低成長時代にあてはまるというのは無理があるような」
奴「歴史はかならず繰り返します! インフレは絶対来ます!」
俺「つまり、日本が金本位制でインフレがほとんどなかった2.26事件前夜のころはは統制経済だから話が別で、1950年から1990年まではホンモノの資本主義経済だから当然にインフレが来て、1990年から2016年現在までは短期間だからたまたまインフレになっていない、そういうことでOK?」
奴「そうです歴史はかならず繰り返します! インフレは絶対来ます!」
俺「で、わたしは大正時代から現在までのスパンで投資しなければならないわけね。それいったい何歳まで生きてればいいんでしょうね(笑)」
つまりヤツらはインフレが来るほうに全財産ベットしろと言っているのだ。
手元資金が50万円なのにFXか先物でレバレッジ20倍かけて1000万円のポジションとれと言っているのと同じである。
ポジションのロールオーバーに月1万円かかるが50年やっていればいつか儲かるはずだというリクツのようだ。
こんなのは投資とはいわない。
ワンルームマンションオーナーの夢見て信じて疑わないインチキな未来とは、
「インフレは絶対くるからそのとき自分だけ儲かるんだ」
という寝言を信じた未来である。
そして
「インフレが来なかったらどうするの?」
という素朴な質問には
「インフレは絶対くる」
の一言でかたづける。
よくワンルーム投資のうたい文句では
「あなたの老後にそなえて」
というのがあるが、
「インフレが来なかったらそれを買ったあなたの老後も来ないんだよ」
という現実はなんとも皮肉なものかと思う次第である。
追伸:
だから不動産投資はダメだと言うつもりは全くない。
わたしだって不動産投資しているわけだし、だいたいダメだと思っていたらやっていない。
じゃあどうやったらうまく回るのかという話だが、ここでは紙面が少ないので聞きたい人は個別にでも。
アベノミクス開始以来ひさしぶりに「マンション買いませんか?」がかかってきた。
ワンルームも持っている不動産投資家である我輩から見てもワンルームマンションのキャッチセールスはインチキ臭い、
いやヤツらの手の内をよく知っているからこそなおさらインチキ臭いと思うわけだが、
いろいろ聞きだしてヤツら的にはどういうリクツでツジツマ合わせをしているのかを探ってみた。
ようはこれはワンルームマンションの買い手のドシロウトに夢を売りつける商売であり、
ワンルームマンションオーナーの夢見て信じて疑わないインチキな未来の話である。
では本題の夢物語の話をしよう。
ヤツらの売りつけるワンルームマンションとはいかなるものか?
「頭金なしで不動産投資可能なんですよ! しかも月1万円の手出しですよ!」
ヤツらは物件価値の下落をいっさい考慮しない。
だからキャッシュフローの話しかしない。
そこまで考慮したうえでスルガ銀行から全額借りてプラスで回る物件なんて無いからだ。
ヤツらは銀行への月々の返済額しか言わない。
銀行への月々の利払い額の話はしない。
だいたい「売上の半分が利払いで消える会社なんて詰んでるだろ」と言えば誰しもそう思うはずだが、それに気づかせないことが重要なのだ。
まあこのへんのことはかつてさんざん書いたので今日はあらためて詳細は書かない。
わたしは
「どうせいつものように、自分が言ってることの論理の破綻に気がつかないマヌケが、さらにマヌケを捕まえようとしてるだけなんだろ?」
という思いで聞いていた。
だが1つ疑問が残る。
詐欺は自分自身がその詐欺を信じるほどでなければ成功しにくいらしい。
ではどういうリクツでこのマヌケなキャッチセールスは自分のインチキ臭い説明を信じたのか?
ヤツらの言い分をまとめるとこんなやりとりになる。
奴「将来ぜったいにインフレが来ます。インフレが来たときは現金よりモノがいい。モノの代表例は不動産ですよ」
俺「わたしも将来インフレが来るかもと思っているタチだが、インフレが来なかったら何百万円も損するような投資は話にならん」
奴「インフレは絶対来ます! ほら、この資料によれば1980年に○○万円で買ったマンションは今○○万円になっています!」
俺「だからインフレが来なかったら何百万円も損するような投資は話にならん。だいたい1990年以降はほとんどインフレなんて起きてない。その話をするなら1990年以降に建築された物件にしなさい」
奴「インフレは絶対来ます! 20年やそこらでは景気のアップダウンに隠れて見えません! 50年くらいのスパンで見ればインフレは絶対来ます!」
俺「わたしはあと50年も生きてるとは思ってねえよ。50年たたないと回収できないような投資をあんたは勧めているのかい」
奴「50年以内にはインフレは絶対来ます! これまでの人類の歴史からいっても明らかです! アメリカの有名な投資家の○○も△△もそう言っています!」
俺「有名人の誰さんが言ったなんてことはどーでもいい。金本位制のときは長期にわたってインフレなんてほとんど起きていないけど」
奴「それは統制経済のころです。ホンモノの資本主義経済ではそうはなりません」
俺「ではあなたのいうホンモノの資本主義経済とは日本では西暦何年から?」
奴「1950年代以降でしょうか」
俺「経済成長が著しいときにそれと同じくらいインフレになるのは当然でしょ。いまの低成長時代にあてはまるというのは無理があるような」
奴「歴史はかならず繰り返します! インフレは絶対来ます!」
俺「つまり、日本が金本位制でインフレがほとんどなかった2.26事件前夜のころはは統制経済だから話が別で、1950年から1990年まではホンモノの資本主義経済だから当然にインフレが来て、1990年から2016年現在までは短期間だからたまたまインフレになっていない、そういうことでOK?」
奴「そうです歴史はかならず繰り返します! インフレは絶対来ます!」
俺「で、わたしは大正時代から現在までのスパンで投資しなければならないわけね。それいったい何歳まで生きてればいいんでしょうね(笑)」
つまりヤツらはインフレが来るほうに全財産ベットしろと言っているのだ。
手元資金が50万円なのにFXか先物でレバレッジ20倍かけて1000万円のポジションとれと言っているのと同じである。
ポジションのロールオーバーに月1万円かかるが50年やっていればいつか儲かるはずだというリクツのようだ。
こんなのは投資とはいわない。
ワンルームマンションオーナーの夢見て信じて疑わないインチキな未来とは、
「インフレは絶対くるからそのとき自分だけ儲かるんだ」
という寝言を信じた未来である。
そして
「インフレが来なかったらどうするの?」
という素朴な質問には
「インフレは絶対くる」
の一言でかたづける。
よくワンルーム投資のうたい文句では
「あなたの老後にそなえて」
というのがあるが、
「インフレが来なかったらそれを買ったあなたの老後も来ないんだよ」
という現実はなんとも皮肉なものかと思う次第である。
追伸:
だから不動産投資はダメだと言うつもりは全くない。
わたしだって不動産投資しているわけだし、だいたいダメだと思っていたらやっていない。
じゃあどうやったらうまく回るのかという話だが、ここでは紙面が少ないので聞きたい人は個別にでも。