わたしたち「大きなお友だち」がまだ「小さなお友だち」だったころに見ていた古典作品、北斗の拳のお話。
今日はだれにも焦点をあてられていないシンについて触れたい。
ご存知、シンはラブラブ状態だったケンシロウからユリアを強奪した男である。
シンは強奪したユリアをつれ、各地の都市を占領していく。
争いを好まないユリアはシンをますます軽蔑していく。
だが、シンは以前にも増して都市の占領を加速していく・・・。
シンもバカではない。
途中から(または始めっから)ユリアが自分のやっていることを気に入らないのを知っていたはずだ。
それでもなぜ続けたのか?
その問いに答えるには、北斗の拳の崩壊した世界で語るのは適切ではない。
たとえばだ、プロ野球チームのエース級のピッチャーがとある女に恋したとしよう。
そしてその女は「筋肉バカは好みじゃない」と思っていたとしよう。
彼がそれに気付いたとき、彼はどうするだろう。
投球練習もそこそこに、公認会計士の資格試験勉強でも始めるだろうか。
そんなやつはいるわけがない。
では彼はどう思うか。
「ふざけんな! 俺の魅力はそうではない!」
きっとそう思う男はいる。そして彼は
「俺が魅力的な男であることをこの腕で証明してやる!」
と熱く語るだろう。
彼は自分が登板する日の内野席チケットをその女に渡す。
だが女はきっと興味を示さないだろうということも知っている。
仮に運良く試合を見てくれて、自分がカッコよく完封勝利をおさめて、それでもフラれたら仕方が無い。
きっとフラれるだろうとわかっていて、それでも自分の生き方を、それでも自分の信じるかっこよさを貫き通す。
それが男である。
話をシンに戻そう。
シンは南斗聖拳において最強の使い手である。
ユリアのお気に入りの男は北斗神拳の強さを代表する男である。
シンは自らのうでっぷしが世界最強であると信じていた。
シンは崩壊しきった世界を自らの力ひとつで平定できると本気で考えていた。
それがシンの生きる最もかっこいい生き方だった。
シンはユリアに自分の誇れる最もかっこいい姿を見てもらいたかった。
ユリアの目の前でケンシロウと勝負し、ケンシロウをボロクソにしてやった。
ユリアをつれて次々と都市を平定していった。
ユリアはシンのかっこよさを軽蔑した。
人を力で屈服させ罪もない人を次々と殺すシンを最低だと感じた。
「あなたにそう想われていると知るだけで死にたくなります」
これ以上ないほど拒絶した。
シンは自分のかっこよさを捨て、ユリアに好まれるよう優しく慈愛に満ちた人生を送るべきだったのか?
「オレとお前とでは1つ決定的な差がある… 執念だ、お前にはそれがない」
シンは全力で生きた。
シンに敗れユリアを盗られるまではニートのごとく生きていたケンシロウの生き方を見て、シンはそこにかっこよさを見つけられなかったにちがいない。
シンはどうすべきだったのか?
その答えにはわたしは答えられない。
しかしシンの生き方、シンのフラれかたに、男としての生き様のかっこよさを見たのだった。
「わが生涯に一片の悔いなし!」
これはラオウの言葉だが、きっと死にゆくシンもこう答えたろう。
あえて悔いがのこるところがあるとすれば、自らが世界最強であると信じていた拳法でケンシロウに負けてしまったこと、ケンシロウほど拳法の研鑽を積まなかったことであり、ユリアにフラれたことは決して悔いにはならないに違いない。
アニメ版のエンディング曲は「ユリア永遠に」だ。(※1)
この歌詞の最も似合うかっこいい男としてシンを推したい。
【※1 ユリア永遠に】
http://jp.youtube.com/watch?v=kK9-wUSD-wU
今日はだれにも焦点をあてられていないシンについて触れたい。
ご存知、シンはラブラブ状態だったケンシロウからユリアを強奪した男である。
シンは強奪したユリアをつれ、各地の都市を占領していく。
争いを好まないユリアはシンをますます軽蔑していく。
だが、シンは以前にも増して都市の占領を加速していく・・・。
シンもバカではない。
途中から(または始めっから)ユリアが自分のやっていることを気に入らないのを知っていたはずだ。
それでもなぜ続けたのか?
その問いに答えるには、北斗の拳の崩壊した世界で語るのは適切ではない。
たとえばだ、プロ野球チームのエース級のピッチャーがとある女に恋したとしよう。
そしてその女は「筋肉バカは好みじゃない」と思っていたとしよう。
彼がそれに気付いたとき、彼はどうするだろう。
投球練習もそこそこに、公認会計士の資格試験勉強でも始めるだろうか。
そんなやつはいるわけがない。
では彼はどう思うか。
「ふざけんな! 俺の魅力はそうではない!」
きっとそう思う男はいる。そして彼は
「俺が魅力的な男であることをこの腕で証明してやる!」
と熱く語るだろう。
彼は自分が登板する日の内野席チケットをその女に渡す。
だが女はきっと興味を示さないだろうということも知っている。
仮に運良く試合を見てくれて、自分がカッコよく完封勝利をおさめて、それでもフラれたら仕方が無い。
きっとフラれるだろうとわかっていて、それでも自分の生き方を、それでも自分の信じるかっこよさを貫き通す。
それが男である。
話をシンに戻そう。
シンは南斗聖拳において最強の使い手である。
ユリアのお気に入りの男は北斗神拳の強さを代表する男である。
シンは自らのうでっぷしが世界最強であると信じていた。
シンは崩壊しきった世界を自らの力ひとつで平定できると本気で考えていた。
それがシンの生きる最もかっこいい生き方だった。
シンはユリアに自分の誇れる最もかっこいい姿を見てもらいたかった。
ユリアの目の前でケンシロウと勝負し、ケンシロウをボロクソにしてやった。
ユリアをつれて次々と都市を平定していった。
ユリアはシンのかっこよさを軽蔑した。
人を力で屈服させ罪もない人を次々と殺すシンを最低だと感じた。
「あなたにそう想われていると知るだけで死にたくなります」
これ以上ないほど拒絶した。
シンは自分のかっこよさを捨て、ユリアに好まれるよう優しく慈愛に満ちた人生を送るべきだったのか?
「オレとお前とでは1つ決定的な差がある… 執念だ、お前にはそれがない」
シンは全力で生きた。
シンに敗れユリアを盗られるまではニートのごとく生きていたケンシロウの生き方を見て、シンはそこにかっこよさを見つけられなかったにちがいない。
シンはどうすべきだったのか?
その答えにはわたしは答えられない。
しかしシンの生き方、シンのフラれかたに、男としての生き様のかっこよさを見たのだった。
「わが生涯に一片の悔いなし!」
これはラオウの言葉だが、きっと死にゆくシンもこう答えたろう。
あえて悔いがのこるところがあるとすれば、自らが世界最強であると信じていた拳法でケンシロウに負けてしまったこと、ケンシロウほど拳法の研鑽を積まなかったことであり、ユリアにフラれたことは決して悔いにはならないに違いない。
アニメ版のエンディング曲は「ユリア永遠に」だ。(※1)
この歌詞の最も似合うかっこいい男としてシンを推したい。
【※1 ユリア永遠に】
http://jp.youtube.com/watch?v=kK9-wUSD-wU
逆に女は「マミヤのような勇ましい女より、ユリアのようなおしとやかなお嬢様タイプが良いなぁー。」と惚れた男に言われたら、次の瞬間からでも生き方を「変えられる」(人が大多数)。
男は「世紀末のような厳しい環境を切り開いて子孫を残すため」、女は「世紀末のような劣悪な環境下であっても、泥水を啜ってでも生き延び、確実に子孫を残す」ため、それぞれの本能に刻まれた生存戦略といいったらロマンがないかもしれません。
が、だからこそ世の中上手く行っているのではないでしょうか。
生存本能的な話でいいますと、さいきん読んだとある本では、女はいったん妊娠すると次の相手を捕まえるまでに大幅に時間をロスるので…という観点から男女の違いを分析していました。
文明社会ではどうなんかわかりませんが、自然界ではそれが最もうまく回る戦略なんでしょうね。
他にもその本では、こいつはダメだと思ったらあっさり損切って引きずらない勢いの良さは女のほうがあるというのも、そのリクツで説明していました。
けど、「ウエストは80cmじゃないほうがいいなー」と惚れた男に言われても、ダイエットで目立った成果を上げられる人はほとんどいないかも(笑)。
そこが魅力的です。
しかし反面、管理人様の考察を読んで、ユリアがシンに靡かなかった理由が、なんとなくわかった気がしました。
シンはその思考パターンから、どれ程相手に尽くしても『男たるもの女を守りリードすべき!』と考える父兄社会(亭主関白)的な男性と見受けます。
一方のユリアは…兄二人を押し退けて南斗最後の将になったり、南斗の都の繁栄を築いていた敏腕政治家であった事から『女たるもの男を導きリードすべき!』と考える母系社会的(かかあ天下)な女性かと思われます。
それゆえ、ユリアは『絶対に自分に支配権を渡さず、思い通りにならないシン』よりも『喜んで尻に敷かれてくれるケンシロウ』を選んだのではないでしょうか。
ユリアに街をプレゼントしたシンですが、いざユリアが軍事や政治をし始めたら「俺の考える美しいユリアじゃない!!」とゴネそうですし。
あるいは「力の正義の時代じゃ危ない!」「お前には無理だ!」と言い張って、名義だけユリアで実権はシンという体制を取りそうですし…。
(ユリアを舐めていたともいえる。)
ユリアはシンといると頼もしいどころか、ウザくて窮屈で仕方なかったのではないでしょうか。
(その点ケンシロウは陰からサポートに徹してくれそうだし、抜けてて優位に立ちやすい。)
もしかしたら「何でこんな政治家として私よりもはるかに劣る男に、好き放題されなきゃいけないのよ!!(怒+屈辱)」とか「こいつは政敵!!いずれ母系社会な慈母星コミュニティを征服するに違いない!そうはさせない!」とすら思っていたかも。
シンは…全て漢に委ねてくれる女性(同門の漢・レイの妹アイリや天帝ルイのような女性)の方が相性が良かったかもしれません。
長々と失礼いたしました。
その発想はぬけてました。
なんせ、オンナゴコロ的な分析はわたしの最も不得意とするものでして……。
ご指摘いただいた内容を前提にふりかえってみますと、これまた実にしっくりいくものですね。
そういう視点で見ても、シンがユリアを射止めるには「ケンシロウのような『三歩下がって妻に仕える』事を厭わない男」か「ラオウやサウザー以上の武力と、トキ以上の人望・ユリア以上の政治力を兼ね備えた漢」になるしかないんですよねぇ…。
酷い無理ゲーです。(涙)
(管理人様の例え話に沿うなら、プロ野球選手になる程度じゃダメで、大リーガーやワールドカップ優勝チームに所属する位でなければ、近寄る事さえままならない。そんな女性。)
ジャギが余計な事を言わなければ、シンがもっとリベラルな考えの持ち主だったら、気持ちを切り替えて別の女性に乗り換えていたら…好きなキャラだけに、そう思えてなりません。
あらためて見ますと、シンは美学を共感できなかったとかでなく、もっと根本的な対立構造に足元をすくわれた感ですね。