DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

どうする(5)

2014-06-18 12:50:37 | 物語


来て、一歩

出て、一歩

この一歩の、意味を考える

***

「JR京都駅中央出口から、京都大学吉田キャンパス本部構内、工学部三号館情報学研究学科・知識情報学研究室に到達するアルゴリズムを作りなさい」

野崎まどが描くknowという文庫に出てくる問いだ。

なかなか面白い本だ。



長年、水中ロボットを扱っていて感じることだが、技術者は自分の目線でシステムを開発したがる。

操作画面は、とても複雑だ。

航行に必要な情報が、画面上にあふれている。

これでは、売り物にならないな、と思ってしまう。

ものづくりは、上流からではだめだ。

ユーザーの立場にたって、下流から眺める必要がある。

上流の目線で作ったものは、オタクの趣向から出ない。

したがって、まともな人は買わない。

使いものにならないことを知っているからだ。

「知る」ということ。

***

先生の言葉を反芻する。

あの時僕は、どれくらい知るべきですか、と聞いた。

「知れるだけだよ」

道終・常イチ先生はそう答えた。

先生の言葉の一つ一つが、僕の規定コードになった。

***

知的好奇心

それが失われつつある

知る、ということ

存在を知り

他者を知り

宇宙を知る

一歩が意味を持つ

積み上げた知識は意味を持ち

結果として価値を持つ

それに対する対価が

あまりにも小さい

***

難しいことを

易しく示すことほど

難しいことはない

しかし

難しいことを

難しく示すことは

ごまかしにつながる