DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(5)

2015-04-02 17:27:29 | ButsuButsu


「生きる」ということは、どういうことなのだろうか。

それは単に「死ぬ」という言葉に相対するものではない気がする。

先日の航空機事故のように、副操縦士の暴走によって死を強いられる場合もある。

戦争では、死ぬことが義務付けられたりする。

理不尽であっても、理不尽であると言えない状況もある。

願わくば、自然の摂理に基づいて死にたいと思うのだが、現実は異なる場合が多い。

私の友人である画家ブライアン・ウィリアムズは、自然を瞬間に捉え、絵画の中に凝縮する。

絵の中の世界は、動かない世界である。

写真のようでもあるのだが、しかし、写真とは純然に異なる。

そこには、作者の精神がこめられている。

時にはその情念が放出され、観る人に感動を与える。

絵は、死んでいるのだが、生きているのである。

もし、魂というものがあるとするのならば、このような情念の世界ではないのだろうか。

不条理な死はやるせないが、納得の死は美しいのかもしれない。

事故や戦争による死は、不条理であって、決して許容できない。

「生きる」ということは、不条理を排除して、摂理に従う、ということなのか。

日々の生活に追われる身だが、なぜ生かされ、かく生き、どう死ぬるのかを、時には考えてみても良い。

絵師ブライアンは、魂を込めて、曲面絵画という作品を作り続ける。

こうした具体的な創作の所作が、「生きる」事の証となる気がする。

羨ましい限りだ。

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