キャリー・マリス博士は、変な男だ。
しかし、とても率直な男でもある。
この本に面白いことが書いてある。
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今世紀に入って生じたことは、世界が著しく複雑化したことである。
政府の役割のほとんどは、極めて専門的な技術領域に分散し、素人が常に監視することは全く不可能になってしまった。
国立衛生研究所(NIH)がそのような怪物の一例だ。
国立環境局(EPA)もそうである。
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国立衛生研究所に山ほどいるメディア担当者の誰かが、何か技術的なことを発表しても、いったい誰がその内容の真偽を検証しうるだろうか。
そもそも権威ある公的科学研究機関は、科学に疎い一般大衆の税金によって運営されている。
しかし、一般人がその内部を検証したり、バランス感覚を持ち込むことはきわめて難しい。
それが最近とみに問題となっていることであり、有効な対応策がない。
統一的な組織のかわりに、同じような機関が複数あること自体、そもそも効率が悪い。
それらがなんとか一般社会のために役立っているならまだよい。
なんとか我慢しよう。
気楽に構えて長い目で見ることもできよう。
今すぐどうこうしなくてもいいではないか、とも思える。
しかし、それは本当に正しいありかただろうか。
私は、彼らの言うことを信じないことこそが正解に思える。
彼らが「大丈夫、いつでも皆さんの味方です」というのが本当であったためしがない。
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同じようなことが日本でも起こっている気がする。
洋の東西、同じだと実感する。
ただ、日本の方がもう少しうさんくさい気がするのは私だけだろうか。
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