5年程前に入手したときにジャンク状態だったサンワの古いテスター。
ずっと放置していたのだが、この度奇跡的に回路図が入手できたので
あらためて復活を試みた。
まずはA303という大きめのテスターだが、これは12Aレンジの抵抗が
焼損していたのと、22.5Vという乾電池が必要な状態のもの。
焼損していた抵抗は回路図では0.97Ωということになっているが、
0.97Ωって持っている訳もなく、そもそもそんなの売ってるのか?
この12Aという大電流が測定できるレンジは一旦見送ることにした。
各レンジのチェックをしたところ、22.5Vの電池がないと動作しない
ところもあり、ここも一旦見送りとなった。
電圧はAC/DCとも若干の誤差はあるが動作の確認ができた。
22.5V電池の入手ができれば抵抗レンジも全て動くようになる。
実用というよりはコレクションの位置づけとしてはゴミにならずに
済んだというところか
そして次はSP15D
これは、ごく一般的な汎用普及モデルとでも言うところか、新品価格も
それほど高くはなかったように記憶している。
不具合内容としては、AC電圧の測定値誤差が非常に大きいことと
抵抗レンジの×1が全く機能していないという2点だ。
AC電圧は30%程の誤差があり、全く使えない状態だった。
コンセントの電圧を測定すると75Vくらいを指している。
250V以上どのレンジでも同じような測定結果になる。
テスターの中身なんて抵抗と整流用ダイオードしかないので経年劣化で
抵抗値が変わったのかと思ったが、100Vを入れた時にどのレンジでも
同じように75Vとなることに違和感を感じた。
単に抵抗値が変化したものなら、各レンジがバラバラの値になっても
よさそうなものである。ということは、全体的に使われている部分に
問題があるのでは。。。
ということで、整流ダイオードを疑ってみた。
このダイオードが付いていたがどう見ても整流用というよりは
検波用ダイオードに似ている。
表示がないので何なのかは不明であるが、手持ちの1SS97によく
似ている。
これを外して1000V1Aの整流用ダイオード1N4007に交換した。
すると交流電圧が多少の誤差はあるものの、どのレンジでもほぼ
正常と思われる値を示すようになった。
整流用ダイオードとショットキーバリアダイオードではvfが違うので
このような結果になるのは理解ができるところだ。
そして次は抵抗レンジ×1である。
このレンジはどの抵抗を測定してもほぼ0Ωとなり抵抗値が全く
測定できない。
×1レンジに繋がれている18.8Ωの抵抗が怪しいので、外してチェック
すると2.9MΩもの抵抗があった。
本来18.8Ωが2.9MΩにもなっているということで辛うじて繋がっている
状態なのだろう。
しかもこの抵抗は他の抵抗より太い抵抗が使われている。
許容電力が何ワットなのか解らないが、似たような太さで20Ωの抵抗が
あったのでこれを付けてみたところそれほど大きな誤差もなく測定
できるようになった。
誤差が少ないといっても、ウチにあるデジタルテスターとの比較であって
それ自体がどこまで正確なのかという疑問が無きにしも非ずではあるが・・・
更に内蔵のヒューズは0.5Aが指定となっているが、なぜか15Aのものが
付いていたので、過去に交換されているようだ。0.5Aなんてあまり
使われるものではないので、間に合わせで入れたのだろう。
このSP15Dは外観がかなりオンボロの状態で敢て復活させる価値があるのか
と言われると否定はできないが、簡単にゴミにできない理由もあるのでした。
これで、古いサンワのテスター2台、ゴミから救出となった。