カープ君の部屋

カープファンですが、カープの記事はありません。目指せ!現代版「算額」

【海外のたすき掛け】

2021-07-02 12:24:58 | 日記
YouTubeで見た海外の2次式の因数分解を紹介し、考察しよう。

4x^2+4x-15
α+β=4, αβ=4×(-15)=-60→α=-6, β=10
4x^2+4x-15
=4x^2+(-6+10)x-15
=4x^2-6x+10x-15
=2x(2x-3)+5(2x-3)
=(2x+5)(2x-3)

【やり方】
ax^2+bx+c
α+β=b, αβ=acとなるα,βを見つける。
ax^2+bx+c=ax^2+αx+βx+c
前2項と後2項それぞれでまとめて、共通因数でくくる。

【例】4x^2-5x-21
α+β=-5, αβ=4×(-21)=-84=-2^2×3×7
(α,β)=(-12,7)
4x^2-5x-21
=4x^2-12x+7x-21
=4x(x-3)+7(x-3)
=(4x+7)(x-3)
※α,βの順番の不問

【因数分解可能性の確かめ】
α+β=b, αβ=acとなる整数α,βが存在したとする。
aとαの最大公約数をsとし、
a=st,α=spとする。tとpは互いに素
αβ=acより、(sp)β=(st)c→pβ=tc
tとpは互いに素だから、β=tqとおける。
p(tq)=tc→c=pq
よって、
ax^2+bx+c
=ax^2+(α+β)x+c
=ax^2+αx+βx+c
=stx^2+spx+tqx+pq
=sx(tx+p)+q(tx+p)
=(sx+q)(tx+p)


ac=αβの素因数分解が複雑なときは、
α,βを見つけるのが大変
もう少し工夫してみよう。

αとβの最大公約数をpとし、
α=ps, β=ptとする。
α+β=b→b=p(s+t)
αβ=ac→ac=p^2×st

【2次式の因数分解の手順】
①p^2がacの因数で、pがbの因数である最大なものをpとする。
②s+t=b/p, st=(ac)/p^2→s,tを見つける
(s,tは互いに素)
③(α,β)=(ps,pt)
④ax^2+bx+c=ax^2+αx+βx+c
⑤前2項と後2項それぞれでまとめる
⑥共通因数でくくる。

【例】8x^2+14x-15
b=14, ac=-2^3×3×5→p=2
s+t=7,st=-2×3×5→(s,t)→(10,-3)
(α,β)=(20,-6)
8x^2+14x-15
=8x^2+20x-6x-15
=4x(2x+5)-3(2x+5)
=(4x-3)(2x+5)

【例】9x^2-24x-20
b=-24, ac=-2^2×3^2×5=-6^2×5→p=6
s+t=-4, st=-5→(s,t)=(1,-5)
(α,β)=(6,-30)
9x^2-24x-20
=9x^2+6x-30x-20
=3x(3x+2)-10(3x+2)
=(3x-10)(3x+2)

s,tは互いに素だから、累乗はひとかたまりで考える。

【例】6x^2+11x+4
α+β=11, αβ=2^3×3→p=1
s+t=11, st=2^3×3=8×3→(s,t)=(8,3)
(α,β)=(8,3)
6x^2+11x+4
=6x^2+8x+3x+4
=2x(3x+4)+(3x+4)
=(2x+1)(3x+4)

【例】6x^2+23x-48
b=23, ac=-2^5×3^2→p=1
s+t=23, st=-2^5×3^2=-32×9
→(s,t)=(32, -9)→(α,β)=(32,-9)
6x^2+23x-48
=6x^2+32x-9x-48
=2x(3x+16)-3(3x+16)
=(2x-3)(3x+16)

【例】28x^2-32x+9
b=-32, ac=2^2×3^2×7→p=2
s+t=-16, st=3^2×7=9×7→(s,t)=(-9,-7)
(α,β)=(-18,-14)
28x^2-32x+9
=28x^2-18x-14x+9
=2x(14x-9)-(14x-9)
=(2x-1)(14x-9)

【例】48x^2+5x-18
b=5, ac=48×(-18)=-2^5×3^3→p=1
s+t=5, st=-32×27→(s,t)=(32,-27)
(α,β)=(32,-27)
48x^2+5x-18
=48x^2+32x-27x-18
=16x(3x+2)-9(3x+2)
=(16x-9)(3x+2)

【例】48x^2-115x-150
b=-115, ac=-2^5×3^2×5^2→p=5
s+t=-23, st=-2^5×3^2=-32×9
→(s,t)=(9,-32)→(α,β)=(45,-160)
48x^2-115x-150
=48x^2+45x-160x-150
=3x(16x+15)-10(16x+15)
=(3x-10)(16x+15)

たすき掛けの組み合わせがたくさん考えられるときは、この方法が速いかも?
すべての問題が同じレベルで、7行で解答できるので【7行解法】と名付けようか。

(2021/6/27)

もう少し深掘りしてみる。

【2次式の因数分解可能性について】
①ax^2+bx+cが因数分解可能
②D=b^2-4acが平方数
③α+β=b, αβ=acとなる整数(α,β)が存在する

①②③は同値関係である。

【証明】
①→②
ax^2+bx+c=(px+q)(sx+t)とする。
a=ps, b=pt+qs, c=qt
D=b^2-4ac
=(pt+qs)^2-4pqst=(pt-qs)^2

②→③
D=b^2-4ac=k^2とする。
bが奇数→k^2は奇数→kは奇数
bが偶数→k^2は偶数→kは偶数
bとkの奇偶は一致する。
b+k=2m, b-k=2nとする。
b=m+n
b^2-k^2=4ac→mn=ac
よって、α=m, β=nとすることができる。

③→①は、上で説明済み

よって、
①→②、②→③、③→①が証明できた。
①→③は、①→②と②→③から
②→①は、②→③と③→①から
③→②は、③→①と①→②から
説明できる。

(2021/7/2)
コメント
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