@040【数学問題と推理小説】
推理小説のルールの中に、
「謎を解くための材料はすべて読者に提示しておくべき」
「事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない」
というのがあるらしい。
読者が謎解きをしながら読む推理小説。読者は最後の謎解きの前に、それまでに得た情報から論理的に組み立て、犯人を推理する。そして最後の瞬間を迎えるのだ。自分の推理が当たったか、はずれたか。はずれた時はどこに気付かなかったからかを考えることが推理小説の醍醐味だ。
作者との駆け引きがある。
数学の良い問題は推理小説の名作に似ている。
学校で学ぶ数学は積み重ねられている。
高校の「数学Ⅰ」の問題は、問題作成者と高校1年生までに学習する内容を知っている解答者との駆け引きである。
学習した内容が分かっている情報で、問題から解答するためのヒントを見つけ、そこから推理して答えを導く。解ければ、解答と見比べれる。解けなかった時は、どこに気付かなかったを学習する。
推理小説の謎解きをするような感覚で、数学の問題に挑むと面白いかも知れない。
(2020/9/24)