背骨から、動くという意味を考えています。
ヨガは、哲学に支えられているものですが、実感、体感を通してからだで会得するものです。
<<背骨>>というキイワードは、ヨガだけでなく、私の信頼する野口整体の考え方の基本にもなっています。
<<背骨で呼吸する>>ということが一度だけ、はっきりわかったことがあります。
何年も前、若い時分のことですが、私はコロンボにあるナワロカ・ホスピタルで手術を受けるため、ベンチで待っていました。
手足がかじかんで、全身が冷たく、緊張にいまにも震えてきそうでした。
そのとき、<<背骨で呼吸する>>を思い出して、やってみました。
背骨に気を集中して、そこに息を通す、つもりで呼吸を繰り返したのです。
そうすると、ふわっと暖かくなって、気分が落ち着くことができたのです。
しかし、以来、何回か、窮地に陥った折に試してみるのですが、うまくいきません。
うまくいったのは一度だけなのです。
昨年秋以来、体調がよくありませんでした。
これまで役立ったなにをしても、乗り越えることができません。
年齢のせい?
そろそろ引き際?
と、弱気にもなりました。
しかし、春になり、暖かい季節がようやく訪れると、少しずつ、体力が回復して、気持ちにも力がわいてきました。
これからが、大切なときだ、と思います。
みなさんがたとの実践を通して、背骨から、うごく、背骨で呼吸する、ことに意識を向けていきたいと思います。