GW2日目。
午前中は水族館へ行った。
しかし1日中 嵐。
仕方なく、早めに旅館に行ってみた。
でも、昼食は予約していないと
用意できないとのこと。
そりゃあそうだ。
旅館の番頭さんが近所の料亭を教えてくれた。
私たちはその店に行くことにした。
場末と言うこともあり
あまり客はいなかった。
そんな静かな店に
父ちゃんが元気に入っていった。
「そこの旅館の番頭さんにここ紹介してもうたんや!」
「は、そうですか・・・」と店の主人はあいそ笑い。
「紹介や、言うたら瓶ビール1本サービスしてくれるらしいな!?」
しーーーーーん・・・・
見事な静けさだった。
カエルが飛び込んだ池のように
静まり返っていた。
絶対に言ってはいけない言葉。
ハリーポッターに出てくる『ヴォルデモート』よりも
言ってはいけない、おそろしい言葉だ。
父ちゃんは何を思ってそんな冗談(?)をこいたのか?
父ちゃんたちとはよく行動を共にするが
ちょいちょいこう言った「ちゃかし」を
店員とか通りがかりの他人とかに言う。
関西で言うところの「いちびり」と言う種類の人間。
身内にいると、もう、やっかいでしょうがない。
父ちゃんのレジェンドはつきない。
大昔、カッパさんと二人で秘湯と呼ばれる温泉旅館に行ったらしい。
道中、タクシーの運転手と話がはずんだ。
その運転手は、人なつこい父ちゃんに気を許してしまい
『この温泉旅館には女将の知らない温泉がありますねん』
それは村のごく限られた男たちだけが
知っている温泉だと言う。
そんな大切な秘密をつかんだ父ちゃん、
旅館に着くなり女将に
「この旅館にはあんさんの知らん温泉がありまっせー!」
と大声で言ったらしい。
こんな人おるかぁーーー?
信じられないよねー?
絶対に友だちになりたくない。
家族でいることも苦痛だ。
タクシーの運転手は?
旅館の大将は?
その後どんな運命を辿られたかは
知る由もない。