マタニティハラスメントと言う言葉を目にして
ほんま時代を反映しているなぁと
つくづく思う。
昔、私が勤めていた会社では
適齢期の女性は結婚退職が当たり前で、
徐々に出産退職も増えてきた。
独身女性からすれば出産退職なんて
まさにガラスの靴をはくシンデレラぐらい
羨ましく思ったものだ。
それから出産後に復帰する女性も
1人2人と現れた。
ここから職場に不穏な空気が漂い始めたのだ。
折りしもバブルがはじけた時期と重なる。
会社側からすれば退職して欲しい。
同僚からすれば増員がないわけで、しわ寄せが来る。
1年の育児休暇なんて迷惑な話だ。
誰も喜んではくれない。
私の後輩は1人目を産み、職場復帰を果たした。
復帰しても残業はできないので、仕事は同僚の半分ほどだ。
突然の欠勤、早退は当然のこと。
この時の同僚の気持ちは痛いほどわかる。
自分も早く結婚したいが、その予定はない。
そして幸せな家庭を築いている同僚のせいで
仕事が増え、ますます自分は縁遠くなっていく。
これほどみじめなことはない。
そして当の後輩も心苦しい。
仕事と育児の掛け持ちは大変だ。
みんなが迷惑がっているのが伝わってくる。
子どもの熱で休もうもんなら、
翌日のみんなの視線がきつい。
で、その後輩はほどなくして2人目の妊娠がわかった。
そのことを課長に報告すると、
「あ、そ。じゃあ今月で辞めてね」と言われたそうだ。
退職の日はひっそりと会社を後にした。
10年も勤めたのに送別会もなかった。色紙も花束もなかった。
その後輩の仕事を引き継いだ同僚からは、
別れのあいさつもなかったと聞く。
もうね、どっちの辛さもほんとよく分る。
どっちの立場もいや!
誰も悪くないのにみんな不幸だ。
この当時、仕事はマニュアル化されてなかった。
ベテランの匙加減で仕事を進めていく風潮だった。
だから慣れた人じゃないと、仕事がとどこおる。
私も有休の前の日は、同僚に依頼する仕事内容を
箇条書きでA4用紙2枚に書いたものだ。
だから一年休んでまた復帰と言うスタイルは
非常に周りから嫌がられた。
そして育児しながら働くのも厳しい職場だった。
定時過ぎての仕事のトラブルは当たり前だったから。
出産後に職場復帰している人もいるが、
子どもは1人だけだ。2人以上は育てられない。
少子化になるわけだ。
でも、自宅で会社のコンピュータの端末機を使えたら、
複数の子どもを出産しても仕事を続けていけたと思う。
きっと今なら可能だろう。
しかし、まだまだマタハラは止まないだろうな。
独身と経産婦は分けて仕事をした方がいいと思う。
そうでなければ独身者ばかりに仕事が増え、
一見、それで解決しているように見えるだけで、
本当の問題点が見えなくなってしまうから。
もっと派遣社員も活用して、
能力のある派遣は正社員登用していくべきだと思う。
人が異動することによって、
根深い問題が浮き彫りになるはずだ。
誰かの仕事が特殊な仕事になってはいけない。
もっともっと企業の活性化は必要だと
私はつねづね考えている。
自分のことだけじゃないよ、
本当に社会のことも考えている。
でもねブログに書くだけ。
実行はしない。