うろ覚えの鼻歌でも、
曲名を教えてくれるアプリがある。
前から気になっている曲名を何としても突き止めたくて、
私はそのアプリをスマホにインストールした。
で、早速スマホに鼻歌を聞かせてやった。
すると、
「一致する曲がありませんでした」と出てきた。
それでも
もしかしてこの曲かもよって
候補曲を挙げてくれた。
でもね、全然違う・・・。
私はラテンのマイナーな曲調を歌ったつもりなのに、
ハワイアン的な曲が挙がっていた。
リッキーマーティンも出てきた。
そんなに音痴だっか・・・!
愕然とする。
アプリの説明には
ラジオやテレビで流れている音源からでも、曲名を探せます。
と書いてある。
でも鼻歌でもいけるんでしょ?
ふつう、鼻歌って完璧な音程じゃないよね?
それか音大とか行ってる人の鼻歌限定なのかも。
私も、もう一度トライすべく鼻歌を練習してみた。
でもね、
鼻歌って練習するもんじゃない。
もともとがうろ覚えなんだから、
練習すればするほど音程が狂っていく。
最終的には、原形すらとどめなくなった。
すっかりリッキーマーティンに寄ってしまった。
もしかしたら、最初からリッキーの曲じゃね?
って惑いそうになる。
さあ・・・どうしよう。
うちにはエレクトーンと言う名の電子オルガンがある。
もう2年ほど触ってない。
これで鼻歌を演奏してみようとひらめいた。
でもね、調べたかったメロディが遠くのかなたに行ってしまっている。
あーーー思い出せないよーーー。
そうこうしているうちに、
カッパさんがやってきた。
「フクちゃーーん。この曲、何かわかる?」
で、朗々とカッパさんが悦に入って歌うのだが、
何が何やらさっぱり。
っつーか、私の邪魔をしないでほしい。
もう少しで忘れかけたメロディの尻尾を捕まえられそうだったのに!!
カッパさんの場合、旋律を知らず知らずアレンジしているので、
2音ぐらいしか合ってなくて、
そっから探し出すのは至難の業だ。
しかし、どういうわけか私はピンと来てしまう。
「もしかしてこの曲?」って歌ってあげると、
「あーそれそれ♬」と小躍りする。
いいなぁ、カッパさんには私と言う存在があってさ。
結局、私の知りたかった曲はわからずじまい。
カッパさんの知りたかった曲はスティービー・ワンダーだったが、
もう私の頭の中はスティービーが占領している。
きっとあの知りたかった曲名を知ることは二度とないような気がする。