私は霊の存在はぼんやりと信じているが、
「私は霊感がある」と言い切る人の霊感はあまり信じていない。
それ思い込みちゃうん?って言うのが多いからだ。
だからこれから私が書く内容も“思い込み”の域をでない。
そんな感じで軽い気持ちで読んでくれたらいいかなと思う。
その日、私は珍しく体調がよかった。
天気もいいし、食欲もあった。
24時間働けるんちゃう?と思うくらい元気だった。
そう、あの時までは・・・。
店に80代女性と50代女性、二人の客がいた。
ふいに私の体が重くなった。
なんて言ったらいいのか、体に悪い電磁波を思いっきり浴びている感じ。
内的要因よりも外的要因のしんどさ。
えげつない不快感、違和感、倦怠感、疲労感。
あ、これもしかしたら、アレじゃねーか?
知ってるヤツだ。
アレだ。
私は残念ながら霊感がないから、正体がわからない。
でもアレって何となく感じた。
連れてきたのは客のどちらかだ。
「そう言えばおばあさんの方、旦那を去年亡くしたよな。法事でもしたか?」
と思いつつも、私のような素人でも不快に感じるほど存在感が強く、
何かを訴えているようだ。(と、私が勝手に感じた)
おばあさんの旦那にしても、1年も経ってから訴えることもなかろうに・・・。
50代女性がおもむろに私とカッパさんに、
「3日前にね、父が亡くなったんです」
お前かーーーーっ!!
待って待ってーーー
たぶんそのお父さんここにいるよーーー!
絶対何か訴えているよーーー
などと心の中で思ったものの、もう意識をそっちには向けず、
女性には、つかず離れずでやり過ごした。
そして1週間後、その女性がやってきた。
「会社、辞めたんです」
と、憑き物が落ちたようにスッキリした笑顔で話す。
憑き物・・・お父さん・・・?
もともと身も心もボロボロで会社を辞めたがっていた女性。
彼女の母も体が弱い上に、さらに夫が亡くなり、
一人では生活できない状態だったようだ。
「20年勤めてましたけど、やっと辞める決心がついたんです」
「え、でも中間決算期で忙しい時期ですよね?大丈夫でしたか」
「表面上は引き留められましたけど、介護問題なので円満に退職できました」
ああそうなんだ、よかったね。
もしかして、お父さんは彼女に会社を辞めて欲しかったんだな。
(円満退職はお父さんが根回ししたか?)
彼女の体も心配だったろうけど、
なによりお母さんのことが心配だったのだろう。
夫婦愛だね。
なんか、彼女にうまく伝わったようでよかったね。
これで安心して成仏できるね。
と、まあ全部私の妄想かも知れん。
いや、きっと妄想&思い込みだ。
・・・でも、あの電磁波ビンビン攻撃風のえげつない不快感、
あれだけは思い込みではないと今でも思っている。
ええ思ってますとも。