今年もカッパさんに何度目かの
10円ハゲのシーズンがやってきた。
以前に大きなハゲと小さなハゲが混在する不運に見舞われ、
その後は思い出したように小さなハゲが勃発を繰り返している。
カッパさんも慣れたもんで、
ハゲに対しては膝にできた青あざ程度に捉えている。
よかった。
カッパさんの近況はと言うと、
特に変化もなく、
「このタオル、口に入るから嫌やねん」と昨晩は不満を漏らしていた。
口に入るタオルかぁーすごいなー
と私は冷めた反応をするにとどめた。
どんな風にタオルで顔を拭いているかは干渉しないことにした。
以前も散髪屋で理髪師がカッパさんの顔のマッサージをしてくれた際に、
理髪師が口に指を入れてくる。
だから口をかたくつぶってせめぎ合いに堪えた、
などの話をしてくれたが、
どうも色んなものがカッパさんの口に飛び込もうとしているようだ。
最近のカッパさんは目薬も普通に目にさせるようになり、
以前のように床にこぼれた目薬を雑巾で拭くことはなくなった。
成長したな、と思う。
カッパさんが用を足した後は、
ウォシュレットで便座がびしょぬれだったのだが、
私が口を酸っぱくして注意した甲斐があり、
ようやく濡れた便座を拭いてくれるようになった。
なぜお尻を浮かせてウォシュレットを使うのかは干渉しないことにした。
カッパさんはおにぎりが好きで、
私は昼食によくおにぎりを握ってやるのだが、
先日は1人で2合分のおにぎりをたいらげた。
たぶん3合分のおにぎりも楽勝だったと思う。
なぜ私がおにぎりを握るかと言うと、
カッパさんはお茶碗に盛ったごはんでは全然足らないからだ。
しかしおかわりをしないので、ずっと「腹減った」と言い続ける。
「ごはんまだ残っているで」と私が言っても、
「炭水化物はもういいねん」と拒絶する。
カッパさんの中でおにぎりは炭水化物ではないようだ。
そうそう、今朝のカッパさんは
「ゆで卵は膜ごとむく!」と言う金言を残した。
みんなそうやって剥いているで、とは口が裂けても言えない。
そんなお茶目なカッパさんと久しぶりに
心療内科でカウンセリングを受けた。
私の精神がカッパさんのせいで崩壊寸前だったので、
申し込んでおいたのだ。
カッパさんは私の付き添いの形で付いて来てくれたが、
本命はカッパなのだ。
案の定、カウンセラーとカッパさんのラリーが続いた。
するとカッパさんの顔がだんだんと晴々としてきて、
最後には
「これって定期的に受けた方がいいですかね?」と
自らカウンセラーに尋ね、とうとう来月の予約まで取ったのだ!
びっくりだ!!
月1受けると言う。
たぶん月1だとカッパさんはかなりアップデートされる。
別人になるかも知れない。
ニューカッパの誕生が待ち遠しい。