翌朝はよく晴れていた
昨夜退治した蜂と蜂の巣を処理するべく、
私は火バサミ(ゴミバサミ?)とビニール袋を手にベランダに降り立った。
そーっとかがんで巣を確認すると、
蜂さんたちが寄り添うように死んでいた。
そして巣の真下には赤ちゃんたちが積み重なって死んでいた。
可哀想だった。
あーこれ私が殺ったんだ。
なんてひどい・・・。
やっぱり殺生は嫌だな。
蜘蛛やゴキブリだとこんな気持ちにならないのにな・・・
などと思いながら、蜂さんと赤ちゃんと巣をビニールに入れた。
そんな私の気も知らず、カッパさんは鼻歌まじりで
歯を磨いている。
巣と死骸をゴミ袋に詰めて、捨てに行った。
カッパさんが「もう蜂の処理は終わったん?」と聞くので、
「今捨てに行った」と言うと、
ふぅ~んと満足そうにうなずいてから
「僕が巣を見つけたからよかった」
「幼虫が成虫になってたら巣はもっと大きくなってた」
と、カッパさんは退治できなかったので、
巣を見つけたことをすごい功績のように自慢し始めた。
ことあるごとに
「僕が巣を見つけた」と威張りくさる。
もし、カッパさんに蜂退治させていたら、
この程度の威張りではすまん。
朝昼夕晩と私に
「ありがとうね」「助かったわ」「私には無理だった」
「カッパさんの勇気に脱帽だ」などとを感謝求めるにちがいない。
それを言わないと「そんなに感謝するのが嫌か」などと不機嫌になる。
いやいや、感謝って何度も何度も言わせるもんじゃないからね。
せいぜい2回ほどだよ。
つくづく私が退治してよかったと胸をなでおろす。
今回の蜂退治でカッパさんがいかに小者であるか
思い知った一幕である。
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