カッパの女房

縁あってASDのカッパさんの嫁になりました。
カッパさんの飼い主・・・いや嫁として日々修行中です。

怖い話Ⅲ

2013-08-12 10:44:18 | 非現実なお話


タイトル、怖い話だけど、

全然怖くないんだよね。




ずいぶん前に親友のイザベラちゃんと

郊外の古民家に創作和食のコース料理を

食べにいったときのこと。

そこに行くのは2回目なんだけど、

前回は道に詳しい子が誘導してくれたから

すんなり店に着いたんだけど、

今回は方向音痴の二人きり。

ま、簡単な道だったよね、

と脳天気に歩き出した。


右手にお稲荷さんが見えたときに

あれ?前、神社あったっけ?と首をかしげた。

「キツネに化かされたりしてね」

なんて私が軽口叩いたのがまずかった。



迷った。

駅から徒歩10分の距離なのに迷った。

郊外で土塀の残る民家が多い。

どこを曲がっても似たような道に出会う。


「そのうち着くやろ」

と、私とイザベラちゃんがのんきに歩いていた。

でも、行けども行けども行き止まり。

さすがに自力ではたどり着けないと思ったね。

タイミングよく、

犬を連れた女性が向こうから歩いてきたので

道を聞こうとしたら、

犬が私に向かってめっちゃ吠えるの!

いやぁ、こんなに犬に吠えられたの初めてかもしんない。


店は角を曲がってすぐのところ。

あーーここだ、ここだ。

「6時予約なのに15分ほど遅れたね」と

時計を見たら、まだ6時前。

ウソだぁ!

駅を出たときは5時45分。

あんなに迷って行ったり来たりしたのに、

何で?

これこそ本当にキツネにつままれたとしか

言いようがない。


帰るときに

「さっきの女の子、おかしくなかった?」と

イザベラちゃんが聞いてきた。

え?誰それ?私、知らない。

するとイザベラちゃんが

「あ、いいの!何にもない」と話題をそらした。


翌日になって、ようやくイザベラちゃんの

言ってた女の子を思い出した。

あーーいたいた。


道に迷っていたときに、私たちの真後ろを歩いてたよね。

専門学生風の女の子。

帽子かぶって、スケッチブックらしき物を持ってた。

追い越せばいいのに、すごい近い距離まで迫ってくるの。

なんか前髪がめっちゃ長くて

髪の毛を後ろに束ねて

暗い感じの女の子だった。

横向くたびに、視界に入るの。

それくらい顔が近かった。

あれ、あの女の子、一体どこに行ったんだろ?

いつのまにか消えてたね。


結局、女の子はなんなのか、わからない。

私、イザベラちゃんに言われるまで

女の子のこと忘れてたよ。


あれからイザベラちゃんと、

その話をすることはない。


女の子がいたのかいなかったのか、

どっちでもいいことだ。



でも、その店に行くと、

やっぱりその時のできごとを

思い出しちゃうんだ。

怖い話ってか不思議な話だよね。





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