竹心の魚族に乾杯

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渓流釣り技法(3)[キャスト編]

2020年03月15日 21時09分13秒 | 用語集

送り込み


難易度			★
ロッド適性		旭仙翠硬調、星煌峰

アンダーハンドキャスト。ピンポイントに仕掛を投入する精度に優れ、竿への負担も少ない投餌法である。風には弱く、また軽いオモリが振り込みにくいという欠点がある。この投餌法で遠くのポイントを狙うためにはキックポイントのある調子、ないし高弾性のブランクス(長竿)が求められ、対岸で掛けた時や下流に走られた時の対処能力に劣ることになる。また短竿の片手釣りでは餌から先に着水させるなどテクニカルな操作も可能。

押し振り


難易度			★★
ロッド適性		凌

自重だけで竿をしならせ、バックキャストなしで仕掛けを前方に打ち込む投餌法。

空中浮揚


難易度			★
ロッド適性		特になし

風を利用して着水前に仕掛けを一瞬止める小技。餌から先に着水するため、着水直後のヒットが増える。またラインメンディングの面でも非常に有利で、仕掛けをよりナチュラルに流すことができる。

郡上振り


難易度			★★
ロッド適性		凌5.1、弧空硬調改5.1

一種のサイドキャスト。流し終わった仕掛を、手元に回収せずに、そのまま直線的に上流に向かって振り込む特殊な投餌法である(注:ピックアップの際に針に餌が着いていることを目視または手感で確認する)。打ち返しの回数を大幅に増やすことができるが、竿が良くないと充分な投入精度が得られない。手尻はある程度長くしたほうが振り込みやすい。また竿先への絡み対策(天井糸など)を施す必要がある。竿への負担は想像以上に大きく、エコノミーロッドなどは風のある日などいとも簡単に折れてしまう。

サミング


難易度			★★
ロッド適性		ルアーロッド

ベイトリールでキャスト後、ルアーの着水前にスプールに指を当ててブレーキを掛けること。糸ふけ・バックラッシュを防ぐ他、着水音を小さくすることができ、また着水後間髪入れずアクションさせることができるため、特に賢くスレやすい魚種に有効である(注:スピニングリールの場合、親指でなく人さし指でブレーキを掛けるが同じく「サミング」と呼ぶ)。渓流のルアーフィッシングでは根掛かりを防ぐ上でも必須のテクニックである。

襷振り


難易度			★★★
ロッド適性		本流スーパーゲーム7.5、郡上あまごレプリカ6.3

ヘラブナ釣りの襷振りとは様相が異なる。スリークォーターのバックハンドキャストであり、本流竿では竿を肩に担いで餌付けを行い、次にそのまま正面に構え直し反動で仕掛をポイントに投入するというかなり高度な投餌法である。これができると打ち返しの回数を大幅に増やすことができるが、正確にポイントを撃つのにはかなりの習熟が要求される。かつて本流でこの技を駆使するエキスパートが多く見られたが、やはり峽愛用者が多かった印象がある。

反動抜き


難易度			★★★
ロッド適性		金剛テンカラ、凌、弧空硬中硬改

サイドキャストのフィニッシュ時、握っている手を一瞬緩めることで竿先の揺れを速く収束させる小技。慣れれば手の感触だけで意識せず毎回行えるようになる。
前述の郡上振りで投入し、何もしないまま流すと、ハリスがオモリを中心に「く」の字の状態で流れに乗ることになる。そこで着水と同時にいったんハリスを一直線する竿操作を行う(仕掛けをステイさせる)と、オモリが軽くても、刺し餌の抵抗をうまく利用して入り波に乗せることができる。反動抜きがきちんとできていると、このステイを急流でも確実に行うことができる。また、フォールのアタリが取りやすくなるメリットもある(前述のサミングと類似点が多く、熟練者なら誰でも自然にやっている)。
竿の性能にも大きく左右され、コミをサンドペーパーで磨く、天井糸を太くするなどのチューニングがよく行われる。

ピン撃ち


難易度			★★
ロッド適性		凌5.1、刀翠5.1、源流彩5.3、弧空硬調改5.1、星煌峰5.3

文字通りピンスポットに投餌すること。この際、仕掛をただ投入するだけでなく、着水前のオモリにブレーキを掛けることでヒット率を上げることができる(ルアーフィッシングのサミングと同様)。渓流釣りの基礎スキルでもあり、習得できると軽いオモリでも仕掛を女波に入れることができるため、点の釣りでなくても釣果に影響する。竿にはある程度の軽さが求められるが、高反発過ぎると軌道修正がやりづらい。
ピン撃ちは反動抜きがやりやすい竿ほど精度が上がる。反対に、精度の低い竿で何とかしようとするとオモリを重くして対処する他なく、魚の予測と実際に餌が流れてくるタイミングとのずれが生じ食い損ない食い渋りに直結する。また大きすぎるオモリはドリフトにも影響を与え、釣れない悪循環に陥りやすい。
ちなみに、サイドキャストのピン撃ちに慣れると送り込みはほとんど不要となる。

振り直し


難易度			★★★
ロッド適性		凌、刀翠など

ピン撃ちをしていて狙いが外れた際、仕掛けが水面に着く前に跳ね上げて再度撃ち込み直すこと。餌釣りよりもテンカラ/フライが有利となるとすればこの点。振り直しせずにそのまま続行しても釣れることは釣れるが、地合いを作るのは困難である。また万が一着水させてしまった場合でも、流れに逆らわずにそっとピックアップすれば悪影響を最小限にとどめることができる。なおルアーフィッシングの振り直しは餌釣りよりもさらに難易度が高い。
参考:
オーナーばり公式チャンネル #002 陽春のいざない 渓流の山女魚を求めて(19:00より)

釣り人:天野勝利さん
「妥協して落ちたところから流すのではなく、自分の思ったところに入って初めて仕事を始める」

ボーアンドアロー


難易度			★★
ロッド適性		源流彩5.3

点の釣り専用の投餌法。手尻を短くし、仕掛けを引いて弾き飛ばす。決まれば確かに格好いいが、最近は源流の魚でも甘くないので思ったほど出番はない。

前撃ち


難易度			★★★
ロッド適性		凌十四尺

当ブログで勝手に呼んでいるキャスト方法で、菱田与一・菱田昇共著『郡上職漁師のアマゴ釣り』に紹介されている投餌法を参考にさせていただいたもの。竿は投点に向けて構え、11時の位置から9時の位置までゆっくりと振り下ろし僅かに逆方向の力を加えぴたりと止める。続いて暴れる穂先が左右にだけ動くよう手を緩めると穂先が仕掛けを前方に運んでくれる。この時仕掛けが空気をはらんで若干上方に膨らんでいるとよく飛ぶ。耐捩れ性のある竿が必要となるが、テンカラやルアーに劣らないキャスト法である。

回し振り


難易度			★
ロッド適性		粋我硬調など

柔らかい竿や、長めの仕掛の場合に用いる投餌法。竿への負担も小さく、風にも強い。欠点は、川虫が針から飛んだりずれやすいことと、渓流域やゴルジュ帯で後ろの枝に引っ掛かること。胴に乗る竿の方が良く、先調子の竿ではピンポイントに入りにくい。ちなみに、金剛テンカラや朱紋峰凌のような竿ではサイドキャストだけで仕掛が充分に飛ぶため回し振りはほとんど必要ない。

ロールキャスト


難易度			★★★
ロッド適性		フライまたはルアーロッド

フライフィッシングで行われる、後方に障害物がある時の振り込み方。バス釣りではアンダーハンドキャストの一種。


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