いや~、暑い日が続いておりますね!皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はビールのお話でございます…前回の飲み方の反省を込めまして、ですね。そういえば以前にも同じような反省文を書いたような気がいたしますが、定かではございません。
さて、「窒素、燐酸、カリ」という言葉は耳にしたことのある人も多いかと思います。窒素は記号で書くとNで、リンはP、カリはカリウムだからK。ホームセンターに行くと窒素肥料や燐酸肥料が売られています。農業関係の人はこの「N、P、K」のバランスをすごく気にします。それはこのうちのどれか一つでも足りなくなると、てきめんに成育が鈍るからです。
ビールの醸造に使われる「酵母(イースト菌)」も植物の根っことおんなじでして、無機窒素や無機リン酸を直接吸収することができます。酵母はアンモニウムイオンなど無機物からも窒素分を得ることができるというわけです。通常、一般的な環境では硝酸イオンやアンモニウムイオンなどというものが豊富な場所というのは多くないですので、バクテリアなどの微生物はタンパク質分解酵素によって分解された窒素分を(アミノ酸の形で)得るようになっているわけですけれども。
で、ビールやパンの醸造では酵母のこの便利な性質を利用しているわけです(いわゆる本醸造(日本酒や味噌)とは違いうというわけですね)。そして窒素とリンのバランスを意図的に最適化することによって、収量を最大化するなどということが、実はできるわけです。パンだったら生イーストとイーストフードを使えばよく膨らんで失敗しないですよね。酵母がそもそも無機窒素や無機リン酸を利用できるような体の仕組みになっているのはなぜかといえば、周囲にいるバクテリアが放出する気体のアンモニアガスを利用できることで楽をしているというふうに考えれば、なんとなく納得できます。
話は変わりますが、「体に悪いものが入っているなら、酵母だって発酵しないはずじゃないの?」と思ってしまいますけど、この際有害なのか無害なのかということを突き詰めるんではなくて、作物や酵母がどういうふうに成育(増殖)しているのかという違いに注目するという発想の転換をした方がいいのかもしれません。遺伝子組み換えの話じゃないですけど、有害か無害かということを突き詰めて泥沼化し、結局お互いの間にしこりだけが残るなどということも、安全性の問題ではよくあることです。
似たような話なのですけど、よく農学をちょっとかじった人がこういうことをいいます。「積算温度だ」「このところ夜の温度が高かったからよく伸びてくれた」「よかったよかった」。こういう話とちょっと似ています。いくら科学が発達したと言っても、植物の根の先端で個々のイオンがどういう動きをしているのかというのは、全くお手上げのわけです。単に浸透圧が高いから根の中に入っていくのか、それとも何か根の方から働きかけるものがあるのかどうか。一見まったく関係なさそうに見える“エントロピー”が、こんなところで関係しています。
まあ、そういうわけで、伝統的な製法を守って作られているビールと、そうでないビールとでは、後者のビールの方がリン酸が多く含まれてる可能性はある、少なくともこういうことは言えると思います。ただ、リン酸というのは食味を改善したりさまざまな目的のために広範囲の食品に添加される(かまぼこ、ハンバーグ、ぎょうざ、缶コーヒー、コーラ等)ほどで、むしろ風味を良くすると考えられていますから、少々オーバーしてもパスしてしまう、といった可能性もあるでしょう。また細胞のエネルギー源ATPは、放っておいても時間とともにひとりでに分解するという性質がありますが、ATPが壊れると当然リン酸ができます。そういったわけでリン酸はもともと自然界のあらゆる生物に含まれているものです。リン酸自体に害があるわけではありません。ですんで厚生労働省も表示義務をしていません。せいぜい「pH(ペーハー)調整剤」などとしているケースがあるくらいです(リン酸にも実にいろいろな種類があるわけですけれども、クリームが分離するのを防ぐ目的で添加するリン酸は「pH調整剤」と表記することが多いようです)。
面白いのはビールという飲み物は、薄いわりに酔いが回るのが速いということです。事前に水分をわざと控えておいてから一気に飲むと、確かに少ない小遣いで酔っぱらうことができますね(笑)。もちろんワインや酒のようにチビチビ飲むのではなくて、のどを鳴らしてゴクゴク飲むという飲み方の違いも大きいわけですけれども、たいてい喉が渇いて水分を欲しているときに飲むということも関係していると思います。喉がどんなに渇いていても、ただの水を大ジョッキ1杯飲み干すというのは結構しんどいのですが、ビールだと訳もなくできてしまうというのはよく考えてみると面白い現象ですね。ただの水よりもスポーツドリンクの方が吸収がいい、ということと同じで、体液に近い糖分濃度になっているのかもしれません。そうだとするとビールを飲んだ時というのは、水分や糖分と同時に、アルコールやリン酸も一気に入ってくる可能性があるということになりますね。
で、これは自分の場合ですけど、ビールを飲んだ次の日は、靴がいつもよりもキツくなります。もちろん鮎タイツも履くのに一苦労で、鮎タビは痛いことがあるほどです。それで、釣りに行く前の日はビールを一切飲まないようにしています。聞くところによると40歳過ぎると腎臓が弱ってくるんだそうで、釣りを趣味にしている人間にとっては結構深刻なものがあります。もっとも生まれつき腎臓が弱く、睡眠時間も普通の人より長いので普通の方にはそのまま当てはまらないでしょうけど。
やっぱりビールが一番分かりますけど、缶コーヒーでも結構だるくなります。リンの過剰摂取で浮腫むというのは聞いたことがなかったのですが、自分の場合はどうやら関係があるようです。遊離したリン酸とそうでないリンとで違いがあるのかもしれませんが、どうしてそうなるのかは分かりません。
ワタクシ自身の話をすると、実は数年前から、駄目なビールの味がおぼろげに分かってきたんです。味というよりも匂いとでも言いましょうか。もちろん新しいビールと古いビールでは違いますが、それとはまた別な感じです。駄目なビールは、強いて言えばなんというかキナ臭い感じがします。キナ臭いビールは、残念なことに大体が国産ビールです(特定の銘柄というわけではありません。銘柄に関係なく当たり外れがあります)。
というわけで、どうしてもビールとか発泡酒が飲みたいときは結構、悩んで買っています。それでたまにだからいいかあ~と1本500円以上するやつを買ったりします(普段は暑くてもウイスキーですけどね)。近頃は缶コーヒーも黄色信号だし、コンビニのパンも駄目です。他にも腎臓に負担をかけているのがきっとあるんだろうと疑心暗鬼になります。厚生労働省も、リン系有機酸類を目的名ではなくて化学名で表記するように指導してくれれば、ワタクシ共もこんなに苦労することはないんですけどねぇ。
今回はビールのお話でございます…前回の飲み方の反省を込めまして、ですね。そういえば以前にも同じような反省文を書いたような気がいたしますが、定かではございません。
さて、「窒素、燐酸、カリ」という言葉は耳にしたことのある人も多いかと思います。窒素は記号で書くとNで、リンはP、カリはカリウムだからK。ホームセンターに行くと窒素肥料や燐酸肥料が売られています。農業関係の人はこの「N、P、K」のバランスをすごく気にします。それはこのうちのどれか一つでも足りなくなると、てきめんに成育が鈍るからです。
ビールの醸造に使われる「酵母(イースト菌)」も植物の根っことおんなじでして、無機窒素や無機リン酸を直接吸収することができます。酵母はアンモニウムイオンなど無機物からも窒素分を得ることができるというわけです。通常、一般的な環境では硝酸イオンやアンモニウムイオンなどというものが豊富な場所というのは多くないですので、バクテリアなどの微生物はタンパク質分解酵素によって分解された窒素分を(アミノ酸の形で)得るようになっているわけですけれども。
で、ビールやパンの醸造では酵母のこの便利な性質を利用しているわけです(いわゆる本醸造(日本酒や味噌)とは違いうというわけですね)。そして窒素とリンのバランスを意図的に最適化することによって、収量を最大化するなどということが、実はできるわけです。パンだったら生イーストとイーストフードを使えばよく膨らんで失敗しないですよね。酵母がそもそも無機窒素や無機リン酸を利用できるような体の仕組みになっているのはなぜかといえば、周囲にいるバクテリアが放出する気体のアンモニアガスを利用できることで楽をしているというふうに考えれば、なんとなく納得できます。
話は変わりますが、「体に悪いものが入っているなら、酵母だって発酵しないはずじゃないの?」と思ってしまいますけど、この際有害なのか無害なのかということを突き詰めるんではなくて、作物や酵母がどういうふうに成育(増殖)しているのかという違いに注目するという発想の転換をした方がいいのかもしれません。遺伝子組み換えの話じゃないですけど、有害か無害かということを突き詰めて泥沼化し、結局お互いの間にしこりだけが残るなどということも、安全性の問題ではよくあることです。
似たような話なのですけど、よく農学をちょっとかじった人がこういうことをいいます。「積算温度だ」「このところ夜の温度が高かったからよく伸びてくれた」「よかったよかった」。こういう話とちょっと似ています。いくら科学が発達したと言っても、植物の根の先端で個々のイオンがどういう動きをしているのかというのは、全くお手上げのわけです。単に浸透圧が高いから根の中に入っていくのか、それとも何か根の方から働きかけるものがあるのかどうか。一見まったく関係なさそうに見える“エントロピー”が、こんなところで関係しています。
まあ、そういうわけで、伝統的な製法を守って作られているビールと、そうでないビールとでは、後者のビールの方がリン酸が多く含まれてる可能性はある、少なくともこういうことは言えると思います。ただ、リン酸というのは食味を改善したりさまざまな目的のために広範囲の食品に添加される(かまぼこ、ハンバーグ、ぎょうざ、缶コーヒー、コーラ等)ほどで、むしろ風味を良くすると考えられていますから、少々オーバーしてもパスしてしまう、といった可能性もあるでしょう。また細胞のエネルギー源ATPは、放っておいても時間とともにひとりでに分解するという性質がありますが、ATPが壊れると当然リン酸ができます。そういったわけでリン酸はもともと自然界のあらゆる生物に含まれているものです。リン酸自体に害があるわけではありません。ですんで厚生労働省も表示義務をしていません。せいぜい「pH(ペーハー)調整剤」などとしているケースがあるくらいです(リン酸にも実にいろいろな種類があるわけですけれども、クリームが分離するのを防ぐ目的で添加するリン酸は「pH調整剤」と表記することが多いようです)。
面白いのはビールという飲み物は、薄いわりに酔いが回るのが速いということです。事前に水分をわざと控えておいてから一気に飲むと、確かに少ない小遣いで酔っぱらうことができますね(笑)。もちろんワインや酒のようにチビチビ飲むのではなくて、のどを鳴らしてゴクゴク飲むという飲み方の違いも大きいわけですけれども、たいてい喉が渇いて水分を欲しているときに飲むということも関係していると思います。喉がどんなに渇いていても、ただの水を大ジョッキ1杯飲み干すというのは結構しんどいのですが、ビールだと訳もなくできてしまうというのはよく考えてみると面白い現象ですね。ただの水よりもスポーツドリンクの方が吸収がいい、ということと同じで、体液に近い糖分濃度になっているのかもしれません。そうだとするとビールを飲んだ時というのは、水分や糖分と同時に、アルコールやリン酸も一気に入ってくる可能性があるということになりますね。
で、これは自分の場合ですけど、ビールを飲んだ次の日は、靴がいつもよりもキツくなります。もちろん鮎タイツも履くのに一苦労で、鮎タビは痛いことがあるほどです。それで、釣りに行く前の日はビールを一切飲まないようにしています。聞くところによると40歳過ぎると腎臓が弱ってくるんだそうで、釣りを趣味にしている人間にとっては結構深刻なものがあります。もっとも生まれつき腎臓が弱く、睡眠時間も普通の人より長いので普通の方にはそのまま当てはまらないでしょうけど。
やっぱりビールが一番分かりますけど、缶コーヒーでも結構だるくなります。リンの過剰摂取で浮腫むというのは聞いたことがなかったのですが、自分の場合はどうやら関係があるようです。遊離したリン酸とそうでないリンとで違いがあるのかもしれませんが、どうしてそうなるのかは分かりません。
ワタクシ自身の話をすると、実は数年前から、駄目なビールの味がおぼろげに分かってきたんです。味というよりも匂いとでも言いましょうか。もちろん新しいビールと古いビールでは違いますが、それとはまた別な感じです。駄目なビールは、強いて言えばなんというかキナ臭い感じがします。キナ臭いビールは、残念なことに大体が国産ビールです(特定の銘柄というわけではありません。銘柄に関係なく当たり外れがあります)。
というわけで、どうしてもビールとか発泡酒が飲みたいときは結構、悩んで買っています。それでたまにだからいいかあ~と1本500円以上するやつを買ったりします(普段は暑くてもウイスキーですけどね)。近頃は缶コーヒーも黄色信号だし、コンビニのパンも駄目です。他にも腎臓に負担をかけているのがきっとあるんだろうと疑心暗鬼になります。厚生労働省も、リン系有機酸類を目的名ではなくて化学名で表記するように指導してくれれば、ワタクシ共もこんなに苦労することはないんですけどねぇ。