chuo1976

心のたねを言の葉として

原発事故で傷ついた町にできる、ひとつだけの本屋さん 芥川賞作家が込めた思いとは

2018-03-14 00:48:20 | 文学

原発事故で傷ついた町にできる、ひとつだけの本屋さん 芥川賞作家が込めた思いとは

「ねこのおうち」などで知られる柳美里さん。原発事故後に福島に移住し、なぜ本屋「フルハウス」をオープンさせることになったのでしょうか。

2018/03/10 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/fullhouse?bfsource=bbf_jajp&utm_term=.uxvv3vDkY#.ugL7l7yDM



私、本を一番読んだのは小、中学校のときだった。なぜ読んだかというと、現実が辛かったからなんですよ。

 

学校では全裸にされたり、バイキンと呼ばれて周りが給食をボイコットするような、かなり激しいいじめにあっていたんです。一方の家では両親が不仲で、別れるようなこともあった。

本の名前などを記すところを「扉」というんですよね。めくることができるその扉の中は、異世界。私にとって、現実から逃げ込む場所だったんです。

南相馬に住む知人やご住職からも聞くんですけれど、ここでは自殺が増えている。福島は、岩手や宮城と比べても突出して多いんですよね。

小高におられた知り合いのお兄さんも、避難先で自殺してしまった。70代のその方は農業をやっていて、田んぼの隣が汚染土の仮置き場になってしまって。

一時帰宅をしたときにそれを見て、「もうできないんだ」と亡くなられてしまった。

小高の現実があって、避難先での現実があって。そのどちらも辛かったら、かなり生きているのが辛くなってしまうと思うんですね。

自分の子供時代だって、学校も家も辛かったから、死はリアルなものとして目の前にやってきていた。

そういうときに、本という異世界への扉があれば、違うのではないんじゃないか、という気持ちが強いんです。

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