ⅭⅩⅧ「ダム」を見る聴く、 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ 2023/1/1
アフリカ、スーダン、建設現場、泥からレンガを作り出す、労働者たち、いくつも、いくつも、日差しの中、そして、仕事を終え、休憩、主人公は、近所の老人に、バイクを借りに、今日で最後だと、屋敷の中に入り、奥からバイクを持ってくる老人、壁には、独裁者に対する反抗のポスター、疾走するバイク、乾いた、岩場とも、砂漠とも、主人公の前には、大きな泥の彫塑、主人公は神を作り出しているのか、悪魔か、人形か、泥を塗り固め、根気よく、泥を塗り固め、人物とも、獣とも、化け物とも、バイクは僅かの時間と借り受けたが、深夜に、夜の闇の中を戻っていく、老人の屋敷前に、だが、誰も玄関に現れない、故に、そのままにまたバイクを走らせる、建設現場でも、今日も労働が続く、泥をレンガに、車がやってきた、ボスの車、ドアの前に並ぶ労働者の若者たち、賃金を支払われる、一人の男が文句を、おまえは3日しか働いていないと、いや違うと語るが、受け入れられずに、車は走り去る、この建設現場は、ニュースに流れる、革命派なのだろうか、その前の独裁者の業者なのだろうか、主人公はダムの前に、警備員が眠って居る、ライフルを落として、睨み付ける主人公、このダムとは、これもまた、独裁者の建設、水を支配し、采配し、独裁に、今、革命派とは、いかに、ニュースでは、革命派が支配しているのだから、ダムの警備員もまた、革命派でなくては、車のボスも、革命派でなくては、だが、現実には、労働の現場は、何も変わっていない、主人公はバイクを走らせて、岩場の、山間の中、誰もいない場に、バイクは壊れたか、ガソリンがなくなったか、砂地に放り出されて、主人公は孤独に歩む、どこに、狙いは、主人公には、背中に、左の背の下に、痣が、始まりで、シャツを着たままに、水を浸していた、バイクで看護師の許に出かけた、看護師が塗る薬、不気味にただれたあざ、何の傷なのだろか、工事現場、戦闘、バイクでの事故、果たして、友人と共に、買い物、そして、別れ、だが、この友人の赤いシャツの若者が、川辺にしゃがみ見つめる主人公の前に、倒れている、死している、流されている、抱えて運ぶ主人公、果たして、彼は、友人は、仲間は、何者、政治故か、労働故か、革命故か、こんな不気味な現実の中、労働は続く、そこに、怒りの、哀しみの、苦悩の主人公が、辿り着く、あの一人孤独に作り出していた神、その神にも、また、背中の字のような、傷が、痣が、その痣を泥で塗り直し、治癒する主人公、ダムの水か、決壊したか、激しく淀み流れる、主人公の辿り着いた作業現場、小屋が炎上する、建設現場を燃やし尽くすのだ、そして、決壊した水が、流れ、主人公の作り出した神の許に、大きな神の彫塑が、水に飲まれ、水を浴び、ゆっくり、ゆがみ、倒れていく、これは、主人公の祈りが、その祈り故の神が、招いた決壊、破壊、水の中に飛び込み、泳ぎ出す主人公、独裁者をも、革命派をも、建設現場も、ダムも、町も、村も、全てを流し尽くす、その最前線の神と、水を含んだ、泥神と共に、主人公は、行く、炎上して燃やし尽くした、工事現場をも、労働者をも、含みこんで、津波だ、そして、再生だ、全ての、始まりに、主人公の痣は、また、己の、自身の決壊ではないか、血まみれで、肉体をも、破壊し、流れ尽くす、土地も、人物も、全てを殺し尽くすのだ、この祈り、神、砂と水から作り出された、世界が、今、主人公の祈りのの神、その神もまた、砂と水から作り出された、神自らの破壊と再生と共に、土地の再生、政治の、国家の、人の、人々の、再生に、背中の痣は、治癒させるのではない、そこから、肉体を決壊させ、破壊し、再生させる痣なのだ、人の苦悩なのだ、祈りなのだ、故に、主人公自体がまた、神なのだ、死した友人もまた、この水の流れの中には、沢山の主人公たちが、流れていないか、友人たちが、炎上し燃え尽くし、そして、全てを水で流し尽くすのだ、主人公の、孤独な主人公の側には、犬が、全てが、召されて、だが、全くの夢物語なのだとも、しかし、痣の痛みと怒りは、どこまでも、どこまでも、