CⅩⅩⅩⅩⅡ「女であること」1958 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ 2024/12/31
美輪明宏の歌、女、おんな、おんな、東
京の多摩川付近のお屋敷、娘がバルコニーの鳥かごの前に、郊外の風景、起きだした
主婦の主人公、風に怯えて、小鳥に対しても、不安気な娘、食事は終わったのかと主
人公、まだですと、一緒にと主人公、部屋に戻り廊下に戻ると既に娘は消えて、夫は
弁護士で、彼の弁護している死刑囚の娘なのだ、身寄りがなくて、二人で引き取っ
て、弁護士は、再審の為に働いている、そんな娘にはボーイフレンドが、学生さん、
弁護士のお屋敷に住まう、夫婦の身寄りと思ってか、憧れの弁護士屋敷の娘に恋して
いる学生、娘は、父のことは何も語れずに、話せば、青年は去っていくと、全てに不
安なのだ、疲れ果てて、病がちでもあって、お屋敷には、世話する使用人の叔母さん
と、4人暮らし、夫婦には子供がいまだないのだ、故に、娘を引き取ったのだとも、
主人公は友人の個展に、昔の女学校の同級生たち、何所かブルジョアの叔母さんたち
の気取り、貝殻の絵が、主人公の過去のロマン、皆が知っているロマン、皆の憧れの
青年、そして、主人公と青年の恋、貝殻にまつわって、皆は、主人公を揶揄って、主
人公にとっては、既に過去のこと、個展には、主人公の友人夫婦と息子が、個展の主
は、そのロマンの人も訪れたと、何とも、何所か困惑気味な主人公、過去とばかりは
言えない、思いが残されているのだ、割り切れない表情、これもまた女、大阪の友人
の娘が飛び出して、始まりのシーンで、自転車で通りを乗り回していた娘、友人から
の手紙に、驚きながら、近いうちに在られると察している主人公、聴かされた夫、ま
た一人娘が増えるかと、私が面倒を見なくてはと主人公、人が良いとも、だが、この
人の良さに、皆が甘えてしまうのだが、かくて現れたおてんば娘、果たして、死刑囚
の病がちの娘と仲良くできるだろうか心配な主人公、おてんば娘は、何も気にせず
に、玄関先の主人公の大切にしている菊も伐ってしまうのだ、平気で夫に語らって、
仕事場にもいついてしまって、しかし、可愛い娘に夫もまんざらでもない様子、こう
して、自分で蒔いた種ながら、おてんば娘に嫉妬、しかも、死刑囚のためとも、その
娘のためとも、このむすめにもまた何所か嫉妬、おてんば娘と友人の息子と連れ立っ
ての観劇、そこで、あの過去の男と偶然に再会、妹の子を連れて、その様子を見てし
まうおてんば娘、これで一入、夫に取り入る気を起こさせてしまうのだ、この日、死
刑囚の娘は父を訪うて、おてんば娘にも、その旨を話してあまり刺激しないように
と、おてんば娘は夫の仕事を手伝い始めて、相変わらずの燥ぎぶり、死刑囚の娘は、
学生と語らって、彼は娘の部屋を見たいと、離れの娘の部屋を訪うて、言い寄って、
抱いてしまう、そこに夫の仕事の書類を取りに戻ったおてんば娘、去っていく学生を
見てしまう、髪を乱して、現れる娘を見て、察するおてんば娘、有人夫婦の息子は、
主人公を誘って、やり手息子は、何所か幼馴染のおてんば娘よりも、年上の美貌の主
人公に惹かれて、誘われた舞踊は断って帰る主人公、が、あの過去の男が夫と仕事の
取引が、何も知らずに、夫はこの男を屋敷に招いて、大阪からおてんば娘の母がやっ
てきていて、夫の居ない留守に男が屋敷に、こうして主人公と男の再会、おてんば娘
の母が、何とか取り持とうと、だが、二人とも、満足に語れずに、が、二人で会うこ
とに、遊び人の男は、よりを戻そうというよりも、昔の好で遊びたいばかり、夫と
は、娘たちのこともあって、何所か気まずくて、過去にすがりたいところも有った主
人公、だが、遊び人の男は、主人公を知っているので、無理強いはしない、主人公に
その気が有ればとばかり、こうして家族は、ばらばらに、死刑囚の娘は飛び出して、
学生とともにアパートに、契りを交わしたのだから、結婚するのが当たり前と飛び出
した、父のことも話して、が、父のことを話してから、何所か怪しい、結婚話に田舎
に戻ったが、なかなか戻らずに、お屋敷に、弁護士の夫に、憧れていたばかりの駄目
学生、そこのお嬢様と思い込んでいたのではないか、田舎では、死刑囚の娘など全く
相手にされずに、拒まれて、小さな鏡台を手にした娘を詰るような姿、悲しの娘、学
生は出ていって戻らずに、おてんば娘は、帰りの車、川縁に降り立って、口喧嘩のご
とくの二人、おてんば娘を追っての夫、草むらの中、倒れた娘、覆いかぶさる夫、キ
スしてしまうのだ、女であることはなかなか大変、そんな女たちに、振り回される男
たち、振り回しているようで、結局、何所か女たちに振り回されていないか、おてん
ば娘は主人公の過去の人を知って、惹かれて、飛び出した、、夫はおてんば娘に、主
人公は過去の男に翻弄されて、こんな混乱の中、死刑囚の再審、目出度く、死刑を逃
れて、数年の求刑に、笑みの娘、駄目学生から離れてお屋敷に戻って元気を取り戻し
て、裁判の結果もよくて、笑みの夫、そこに主人公の妊娠、二人の戸惑いも、おてん
ば娘が飛び出して消えた故に、漸く、和やかに、友人夫婦と息子も現れて、久しぶり
の家族の団欒、そこにおてんば娘が雨の中戻った、画帳に書きつけた、叔母様好き、
嫌い、叔父様、好き、嫌い、気象の激しいおてんば娘、それでも、可愛い娘には違い
ないのだ、主人公に取って、過去の男はカナダに転勤、カナダから手紙が、ならば、
おてんば娘は今、どこで、誰と、何をしている、叔母様のことは好きよと、そればか
りは判ってほしいと、他の誰にも会わずに、雨の中走り去るおてんば娘、さて、ここ
では、何時もの川崎の、ちゃぶ台、家族の憩いのテーブルが、ない、始まりの朝食
も、夫と娘、主人公は今だ現れず、その後も、テーブルには、人が出たり入ったり、
文字通り、おてんば娘の出現、死刑囚の娘の飛び出し、主人公と夫もまた、夫の仕事
机の前で、睨み合い、いがみ合い、ゆったりした憩いの場から遠く離れて、ラストの
皆が集まって、そこに妊娠の知らせを抱えて戻った主人公、晴れて、目出度し、めで
たしの、ところに、おてんば娘がやってきた、妻は皆から離れて、外に、裏口で語ら
う二人、去っていくおてんば娘のシーンで終わるのだ、最後まで、結局、ゆっくり
と、安らうテーブルは無かった、だから、主人公の妊娠も、怪しい、流産するのでは
ないか、夫も、裁判の後、頭の痛みを抱えて、疲れているのだと、感謝の娘の前で、
大体に於いて、妊娠は、この死刑囚の娘こそが学生との子を身ごもっていないか、そ
して、おてんば娘のもまた、カナダに飛んだ男の子を宿していないか、死刑囚もま
た、最高裁が待っていないか、危うい、危うい、ロケ地が楽しいです、多摩川、御堀
端、裁判所、劇場、クラブ、射撃場、端役だが、友人夫婦の息子もまた、怪しい青
年、学生ばかりでは無く、若い男たちも、何とも、だらしない、夫だって、世話に
なった弁護士の弟子、その弟子の弁護士が、娘との結婚、お屋敷付きで、娘を恋しも
したろうが、お屋敷に、地位に恋してもいたろう、学生と一緒なのだ、学生は当てが
外れた、学生もまた夫の事務所で働きたいとも語っていたのだから、おてんば娘の狙
いも夫、友人夫婦の息子の狙いも主人公、危ない、危ない、男、おとこ、おとこでも
あるのだ、打算、ださん、ださん、女、おんな、おんな、民が女であり、皆が男なの
だ、