天空に吸い込まれる。その圧倒的臨場感。マチュピチュをインカ道途中から見下ろす。写真やDVDで何度も見たはずの風景。でも、ここに足を運ばなければ味わえない感覚。体が斜めに落ちていくようだ。このまま空を飛べそうというか、斜面を駆け下りれるというか。暫くの間、じっと見下ろし、この空気に身をまかせる。豆粒のような太古の人々が街を行き交う、でもそれは旅行者であり、この土地の住人がどこに行ったかは誰も知らない。
ビンガムが発見し、100周年ということであるが、ペルーの人々はそれを喜ばない。なぜならこのアメリカの大学教授に発見されるはるか前からそこに存在していたことをペルー人は誇りに思っているから。
今日は快晴である。5月は雨季から乾季に移行しているのでベストシーズンである。一般に8月の真冬の方がベストと思われているが、後の章で5月の良い理由を書く。昼は日本の夏の服装でちょうど良い。日差しが強いため、薄い長袖と帽子はあったほうが良い。マチュピチュ村には、滞在期間分の荷物しか持ち込めない。ペットボトルは、心無い観光客が捨てたため持込が禁止になるなど、結構気を使う。もう少し寒いのでは無いかと思い秋用の登山ウエアを持ち込んだが夏用の方が良かった。
昼食は、オリエント急行が運営する遺跡前のサンクチュアリ・ロッジのレストランで、バイキングを食べる。最も食事が美味しいといわれるが、食べやすいのは高地のため茹で加減がいまひとつのパスタと飲み放題のインカコーラ、そして豚の丸焼き位であろうか。このホテルは高級であるが、夕方以降、星を眺める以外何もやることが無いという場所であるので、麓のマチュピチュ村のホテルに我々は泊まる。
さて、午後はインカ古道をさらに歩く。