700kmを走破する。タラウマラ族。最高に面白い。最近流行のベアフットランニングの啓蒙書である。人間とオラウータンのDNAは95%一緒であるが、足の構造が全く違う、人間だけが土踏まずのアーチバネとアキレス腱のスプリングを持っている。本書には書いていないが、足の横方向のアーチバネもある(これは、エンゾ早川のロードバイク秘伝の書を参照)。そこで、つま先(シューズメーカはミッドフットと言う言い方)で着地するとそのバネとスプリングが最も有効に働く。この原理はなるほどと納得する。また項靭帯があることこれは早く走る動物にしかないが、人間にはある。エンゾ早川はこれを板状筋と表現しているが、同じことを指しているようである。さらに人は体毛で覆われておらず、発汗に適した構造であるため空冷効果が最も高いが、普通のチータなどの動物は呼吸により体温調節を行うため、短い時間で体内温度があがり、そのためそれ以上走れなくなる。人間だけが長い時間走り続けることができる。タラウマラ族は草鞋の底にゴムタイヤを張ったものを履いている。エンゾ早川の銀座で買ったぞうりも底にゴムタイヤがはってある。ちなみにイランのバザールの奥の奥でショートブーツの底にゴムタイヤを張ったものが売っていて、買いそびれたことを少し後悔している。マラソンとロードレーサ(自転車)は非常に近い本質を持っていると感じた。
レースの模様の写真があるが、世界最速の二人のウルトラランナーの表情は共に楽しそうであるが、着地が米国人は踵で、タラウマラ族がつま先と対照的なのが良くわかる。
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また、このページのアーカイブは本を読み終えたあと見ると感動もひとしおである。
ナイキ等のベアフットシューズが流行っているが、値段が高いと感じる。本書では、シューズメーカ批判はあまり書かれていないのは大人の事情であろうか。
エンゾ早川が本書をリファレンスにしていると書いていないのが不思議である。
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