風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

壽初春大歌舞伎 夜の部 @歌舞伎座(1月4日)

2015-01-09 19:40:22 | 歌舞伎



一年の観劇始めはやっぱり歌舞伎で


【番町皿屋敷】

とはいえ、最初がこれって。。。^^;
いえ、一年の最初に吉右衛門さんが観られて満足です、はい。

吉右衛門さん(青山播磨)、前半の染五郎(放駒四郎兵衛)とのケンカの辺りはお疲れ気味?な感じだったけれど、前半最後の散るを眺めるところ、雰囲気があってとてもよかった。後半は熱演。台詞も聞かせます~。
しかしそんな吉右衛門さんの熱演をもってしてもあまり私の心に響かなかったこのお話。。。だって播磨さん、心が小さすぎやしないかい?愛してるからこそ不安になっちゃったお菊ちゃんの気持ちをもう少し考えてあげてもよかろうに。若さゆえの真っ直ぐさですかねぇ(吉右衛門さんだから貫録あるけど^^;)。
このお役って梅玉さんが年をとらないうちにもう一回やりたいって仰っていた役ですよね。梅玉さんの播磨もとても見てみたいです~。あまり作品に魅力は感ぜねど。。

芝雀
さんのお菊、若い娘が思いつめた様子がお見事でした。

染五郎は、吉右衛門さんに完全に食われちゃうこともなく、よかった。吉右衛門さんが前半は調子控えめだったせいもあるかもですけど。


【女暫】

暫も観たことがないのだけれど、助六や曽我対面的な絵面のおめでたさを味わう感じでしょうか。
体調が悪くてのんびり観ていたので、この中身のなさがかえって楽しめました♪ 正月らしくてよかった 楽屋落ちも楽し~(大和屋のねぇさん♪)

玉三郎さん(巴御前)は背が高いから舞台映えしますね~。ゴージャス~。姐御!
玉さまの後、これをやれる女形って誰かいるかなぁと考えてしまった。
「赤いぽっぽの兄さんたち」って言う玉さまがとても好きです笑

最後の幕外は、なんという贅沢!最高に楽しかった~~~
吉右衛門さん&玉三郎さん。このお二人も、仁左衛門さんとは違う意味で美しい組み合わせ~。二人ともなんて可愛くて素敵なの(>_<)! 吉右衛門さん(舞台番)、六方をあんな風に(笑)教えてるだけなのに、勧進帳を思い出して見とれてしまいました~。そのまま六方みせて~。

男女蔵さん(成田五郎)、最初誰かわからず、台詞回しや声が左團次さんにそっくりだなぁ、でもどう見ても違うよなぁ、と思っていたら男女蔵さんだった。初めて親子なんだなぁ、と感じました。


【黒塚】

猿之助、新歌舞伎座初出演おめでと~。
猿之助&勘九郎、この二人が一緒にいるのを観るのは超楽しい!素敵!

猿之助の岩手、細かな所作が妙に元気がよくてあまり老女には見えなかったけど、やっぱり色々上手い~。私は四の切よりもこっちの猿之助の方が数倍好きです。
薄野原の場面、薄(ちゃんと風に揺れてる!)も照明もすごくすごくキレイだった 
岩手が背負ってる薪には、白い桔梗の花が数本ささっているのですね。老女で鬼なのに、女性らしい細やかさが垣間見えて微笑ましかった。月の光に地面に映る自分の影と戯れながら嬉しげに踊るところも、なんとも可愛らしく。
そんななので調伏されちゃう後半が哀れなのだけど、勘九郎の阿闍梨が誠実さに溢れているから、嫌な後味がまったくないのよね。この阿闍梨は岩手の哀しみを理解して、一緒に悲しんでいるのがわかるから(岩手は裏切られたと誤解しちゃってるけどね・・)。そんな彼に魂を鎮めてもらえた岩手は幸福だったのではないかな、と感じることができました。

そして強力の寿猿さん、お若い~~~。本当に寿猿さん?と何度も見直してしまった。

この演目、好きです。できれば秋の季節に観たかった!