風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

四月大歌舞伎 @歌舞伎座(4月24日)

2016-05-04 16:25:54 | 歌舞伎


皆さまGWを満喫されていますか?
私は体調が優れず、出掛けるのも近場ばかり 家の掃除をしたり、新しく買ったタブレットPCの設定をしたり、そんなのんびり連休です。
さてさて、今更感満載ですが、四月の歌舞伎座(幕見)の感想を自分記録用に簡単に。


【身替座禅】
仁左衛門さんっ、お久しぶりでございます~~~http://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif
私は去年の十月以来なので半年の間におじいちゃんになってしまわれていたらどうしましょう・・・と実はちょっぴり心配していたのですけれども(それでも好きですけど!)、・・・ニザさま、若返っていらっしゃる・・・?72歳なのに私よりお元気そうだ。仁左衛門さんは人間じゃなくて妖精さんなのかも・・・。

始まる少し前に定式幕が開いて・・・、わぁ、緞帳(「中島千波作 春秋の譜」)だ~~~ 一気にぱぁ~っと華やいだ雰囲気にhttp://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0237.gif
この緞帳は右京の衣裳と同じ柄(紅葉と桜)なんですね。素敵http://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0236.gifhttp://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0237.gif 
菊五郎さん&吉右衛門さんのときもそうだったっけか?と後で調べたところ、あのときは「松尾敏男作 朝光富士」でした。

菊五郎さんの右京もだぁ~~~い好きだけど、仁左衛門さんの右京もすっごく好き
お似合いだろうな~とは思っていたけれど、想像以上に殿さまらしい(御公家さまとは微妙にちがう)右京で、それが大変好みでございました。
京のお殿さまの上品さに、ふんわりと薫る色気。こういうお役の仁左衛門さんが私は本当に好きだなあ。水色も黒も橙色も、お花柄もよくお似合いです
ニザさまって登場した途端に舞台がぱぁっと明るくなるんですよね。周囲にはいつもそよ風が吹いてるし(本気で)。・・・やっぱり人間じゃないのかも。

左團次さんの山の神は、吉右衛門さんが意外に可愛らしい系だったのに対して、ドスのきいたThe恐妻という感じ笑。
又五郎さんは今回も鉄板の太郎冠者で、児太郎米吉も美しく(二人とも雰囲気があって大変よかった)、仁左衛門さんの右京にうっとりと酔いしれながら、ほんわか楽しく華やかな、幸せな一時間でございました。


【彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち) 杉坂墓所~毛谷村】
「純朴な男がみせる一筋の正義――」(@ポスター)とのことですが。仁左衛門さんは「純朴な男」というにはイイ男過ぎます~。穢れを知らない純朴な男(@ニザさまインタビュー)があんなイイ男オーラを纏えるわけないわ!素敵すぎ(キッパリ)。

毛谷村は数年前に愛之助&壱太郎で観たことがあるだけなのだけれど、あちらが新春浅草歌舞伎らしい若々しい毛谷村なら、今回は歌舞伎座の大歌舞伎の毛谷村という印象でした。歌舞伎って本当に演じ方で作品のカラーが変わりますね~。

仁左衛門さんの六助は、想像していたよりも熱演系であった。
後半の怒りの場面がリアルなので(こんなに怒りを表現するのか!と少しビックリした)、このお話は長閑なイメージだけどやっぱり敵討ちのお話なのだなぁ、ということがよくわかる毛谷村でした。
そして斧右衛門(浅草では海老蔵、今回は彌十郎さん)というのは単なるお笑い担当キャラではなかったのだね。自分も母親を亡くしたばかりの六助は、自分が騙されたことよりも、微塵弾正(歌六さん)が斧右衛門の母親をあんな風に簡単に殺したことに怒っているのだなと感じました。斧右衛門という役の滑稽なだけではない哀れさのようなものが、今回の毛谷村でわかった気がします。新薄雪もそうだったけれど、仁左衛門さんの舞台は作品の言わんとしていることがわかりやすい。
といって怒りだけが前面に出ているわけではなく、ラストの斜め上を見上げる表情、清々しくてとても美しかった。本当に、キレイな人だなぁ・・・。紅梅と白椿もなんてお似合いなのでしょう。
それと膝で寝てしまった子供に目を細めて「子供というのは罪のない仏様だなぁ」みたいな台詞を言うところ。ニザ様の空気がなんだか透明で、あなたこそ仏さまみたいですよ!と、ぐっときてしまいましたよ。まぁ、この台詞でこんなにぐっとこさせる“若者”が果たしているか、ということは別にして^^;

舞台上でのお着換え。お園ちゃん役の孝太郎さんが両手を広げて(一階席の)お客さんから隠していても、上階の貧民席からは全て丸見えなわけですが。こういう着替えの場面って、いつ見てもドキドキしてしまう。いや着替えだからではなく、「間に合うのかなあ~」と。着替えの多い役は歳をとると大変って前にどなたかが言っていたけれど、アタフタ見せずに何でもないことのように美しく(しかし超高速で)着替えてみせる役者さん達&それを手伝う女方さんや後見さん達。そうよね、歌舞伎役者にはいつだって涼しい顔でいてほしいもの。こんなところでも夢を見させてくれる皆さん、アッパレ&ありがとうございます

さて、今月の歌舞伎座は團菊祭ですね。行けるかなぁ。行きたいなぁ。

仁左衛門が語る『彦山権現誓助剱』『身替座禅』
(笑わせようと思えばいくらでも笑わせられるけれど)「笑いは深いところから出てこないといけない」
どうかどうかこの言葉を揮毫して全ての楽屋部屋の壁に貼ってくださいまし~~~。

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