風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

生きるということ

2017-09-16 19:18:27 | 



余は今迄禅宗の所謂悟りといふ事を誤解していた。悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。
(正岡子規 『病牀六尺』 明治35年6月2日)

淡々と書いているけれど、ものすごく凄絶な言葉だと思います。
典型的な明治人である子規は最後まで宗教に頼ることはなかったけれど、こういう言葉が自然に内から出てくるまでに子規の病状は進んでいた。
人は皆、死ぬまでは生きなければならない。義務だからではなく、他に選択肢はないという意味で。
どんなに痛くても、苦しくても、辛くても、孤独でも(子規は最期まで人に囲まれていたけれどね)。
9月19日は子規の命日です。