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がむしゃらに書いても…

2021-01-17 | 文章・文芸
【2021.01.17(sun)】    
我流が身につくだけらしい。

・昨年読んだ「屋根屋」が面白かったので、著者の村田喜代子氏が書かれた2冊の文章読本の類を読んでみた。 


・巷に、名だたる文学者の書かれた文章読本は沢山あるものの、私には難しく読むのに骨が折れる。
それに比べこの2冊の平易な文章は何と読みやすいこと…。

・<名文を書かない文章講座>のまえがきに相当する “百万人の文章” の中で著者はこう語る。
「文章を書くことは、もしかすると自分の内に隠れている一番自分らしい、自然でのびのびした良い姿を掘り出す作業かもしれない」と。
文章を書くことを特別なことと思わないでいい。恐れることはないと…。

・ “文章を書こうとする人はどんな本を読めばいいのか” という読者からの質問には「中学の国語教科書」が挙げられている。
教科書が手に入らない人には<高校生のための文章読本 筑摩書房>がいいと。

・この中には文章を書く上での一番基本的な心得が書かれている。
良い文章とは(1)自分にしか書けないことを(2)だれが読んでもわかるように書く、という二つの条件を満たしたもののことだ。
とすれば、よくない文章はどんなものかも見えてくると著者は言う。
(1)だれでも書けることを(2)自分だけにしかわからないように書く。 これが悪文の定義だと…。あぁ確かに図星だ!頭が痛い。 

・<縦横無尽の文章レッスン>のあとがきに書かれていたことを以下引用する。
「良い文章を書くためには、文章に対する感度を育てることが最優先になるのであるが、さて、その感度を得るには、書くことと、読むことと、どちらにより比重をおけばいいだろうか。
がむしゃらにただ書いても、我流が身につくだけで他人には通用しない。世にはどんな優れた文章があるか、それはどんなふうに優れているか、理解する力がなければ、自分の狭い文章世界に閉じこもることになる。」
その優れた文章とは如何なるものか、様々な分野からレッスンテキストの形で紹介されている。 

・実に読み易くお薦めしたい書物です。 

I.O
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