“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

子どもの耳掃除はしてはいけない。

2017年01月16日 08時34分29秒 | 育児
 お母さん(恋人?)の膝枕で耳を掃除してもらうことは至福のひとときであります。
 しかしこの耳掃除、実は賛否両論状態。

 随分前から耳鼻科のテキストには「耳掃除は必要ない」と書いてありました。
 外耳道の皮膚は内側から外へ移動するので自然に排出されるはず、という理由です。

 昨日(2017.1.15)の古館さんのテレビ番組でも同じことを言ってましたね
 ・・・耳掃除は皮膚の繊毛を痛めるのでかえって有害。耳かき/綿棒は使ってはいけない、見える耳垢をピンセットでつまみ出す程度で良い、と。

 一理あると思いますが、耳垢には乾いたタイプ(いわゆる“粉耳”)と湿ったタイプ(いわゆる“アメ耳”)が存在します。
 粉耳は上記の通り自然に出てくるかもしれませんが、アメ耳はどうでしょう?
 外耳道にへばりついて塞いでしまう確率が高くなるのではないでしょうか。
 実際に小児科診療をしていると、鼓膜が見えないほど耳垢がたまっている幼児が時々いて困ってます(^^;)。

 とそんなところに下記報告が・・・

■ 耳掃除のしすぎは有害:アメリカの最新ガイドラインが警告
ケアネット/HealthDay News:2017/01/16
 耳掃除は耳の損傷につながる可能性があると、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAO-HNSF)が発表した最新の臨床診療ガイドラインで警告されている。「Otolaryngology-Head and Neck Surgery」1月3日号に掲載された同ガイドラインによると、耳垢は耳を清潔にして保護するために生じ、塵や埃などを捉え、耳の奥に入り込まないようにしているという。
 顎を動かして咀嚼するなどの日常動作で、新しい耳垢は古い耳垢を耳の入口に押し出し、耳垢は剥がれ落ちるか入浴中に洗い流される。これは持続的に生じる正常なプロセスだが、時にこの自浄プロセスがうまく働かず、耳垢がたまって部分的または完全に外耳道を塞ぐことがある。
 ガイドラインによると、過度の耳掃除は外耳道を刺激し、感染を引き起こし、耳垢が蓄積する可能性を高めうる。ガイドライン更新グループのSeth Schwartz氏は、「耳掃除をすると耳垢が奥に入り、外耳道に詰まってさらに問題が生じるだけだ。耳に何かを入れることは、鼓膜や外耳道に深刻な害につながる可能性がある」と話す。
 耳を守るためのポイントは以下の通り。

・耳掃除をしすぎない。
・耳に何かを入れない。綿棒、ヘアピン、楊枝などは外耳道を傷つけたり、鼓膜に穴を開けたり、耳の骨のずれを生じさせたりするため、難聴、めまい、耳鳴などの問題を引き起こしうる。
・「イヤーキャンドル」は使用しない。外耳道や鼓膜に重篤な損傷を引き起こしうる。
・難聴、耳閉、排液、出血、耳の痛みがあれば医師を受診する。
・自分で耳垢の詰まりを治療しても大丈夫か、医師に相談する。特定の全身疾患または耳の疾患がある場合は安全でない可能性がある。


<原著論文>
Seth R. Schwartz, et al. Otolaryngology-Head and Neck Surgery. 2017 Jan 3.

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