廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

真実の英雄伝説

2009-02-01 23:23:23 | Weblog
 今週末はいつものレンタル屋で借りた映画『MONGOL』を見た。 この映画、準新作になったら借りようと狙っていたけどいざ準新作になったら今度はなかなか空かなくて今週になってやっと空いていて借りる事が出来ました。 この映画はユーラシア大陸に一大帝国を築き上げたモンゴルの英雄・チンギス・ハーンの半生をを描いた物語です。 実は以前見た映画『蒼き狼 ~地尽き海果てるまで』があまりいい出来だと思えなかった直後にこの映画が海外で高く評価されてアカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされて話題になった事もあり、期待していたけど広島ではメンズデーの無い劇場に掛かってしまったので映画館で見るのは断念し、レンタルDVDで出て安くなるのを待っていた次第です...

 この2つのチンギス・ハーン映画はいずれも全編モンゴルロケが売りになっているのですけど、この『MONGOL』の良いところは主演の浅野忠信さんら日本人出演者まで全員モンゴル語をしゃべっていて全編モンゴル語で作られている(字幕は日本語)ところです。 『蒼き狼...』は出演者の大半が日本人俳優なのは構わないのですけど台詞まで全部日本語なのがどうしても好きになれませんでした。 全編モンゴルロケ(製作の角川春樹さんの夢だったそうです)してまで作られた見事なモンゴルの大地が描かれた映像が、見慣れた日本人俳優と全て日本語の台詞の為に気分が日本に引き戻されてしまいますよ... 同じ金を掛けるのならそこまで徹底してこだわって欲しかった。 この『モンゴル』はそうしていると思って期待して見たのですが...

                      

 映画は少年時代のテムジン(後のチンギス・ハーン)がモンゴルの部族長である父に連れられてメルキトと言う部族に将来の妻となる女性、いや女の子を探しに行くところから始まります。 実はテムジンの父はメルキト族の男から新妻を強奪して妻にし、彼女がテムジンの母になりました。 その遺恨を水に流す為にそのメルキト族の女の子と自らの9歳の息子の縁談をまとめようとメルキト族の集落(遊牧民なので常時移動している)に向かう途中で立ち寄った部族の娘にテムジンは何故か運命的な縁を感じてメルキト族との縁談をキャンセルしてこの子を将来の妻にしたいと父に申し出て承諾される。 メルキト族がこの事で二重に面目を失った事が後で大きく響いて来るのですが...

 その後、テムジンの父は暗殺されて幼い彼を見限った部族の者達が家畜などの財産を横領して脱走してしまい、母や弟、妹達と苦難の日々を過ごしながらテムジンは大人へと成長し、9歳の時に結婚の約束をした女性・ボルテを妻に迎えて部族の再興を目指して戦いを始めるのだが、その矢先にメルキト族に襲撃されて妻を強奪されてしまいます。 テムジンは幼き日に盟友の誓いをした部族長のジャムカを頼って兵を借り、数ヵ月後にメルキト族を討って妻を奪い返したが、彼女は妊娠していた。 DNA鑑定も無い時代、敵の子である可能性が高い事は分かっていながらもテムジンは妻の産んだ男の子をあえて殺さず実子として育てる...

                      

 この辺のくだりは『モンゴル』でも『蒼き狼...』いずれも長く時間を裂いて描かれているが、『モンゴル』では子供が敵の子だと分かっていながら愛する妻の産んだ子だからとあえて実子扱いにしたとしており、一方の『蒼き狼...』では妊娠したタイミング的に自分の子か敵の子か微妙だとして息子に対して複雑な思いを抱きながらそれでも実子として育てる...と言う風に描いていました。 ただ、この『モンゴル』では妻を奪回する為だと言う戦いの目的は部下には言うなと援軍を出してくれたジャムカに忠告されると言う部分でリアルだと思いました。 女一人の為に戦争など普通しない、新しい妻を捜してやると言われる場面がありましたが、一般的にそれが普通でしょうね。

 『蒼き狼...』ではその後、家族を中心に部族を再興して徐々に勢力を拡大し、最後はかつての盟友・ジャムカをも倒してモンゴルの全部族を統一してモンゴル帝国を築き上げ、チンギス・ハーンとなるのですが『モンゴル』ではその後も戦争に敗れて捕虜になり、奴隷として中央アジアの町(オアシス都市)に売られるなど更なる波乱が続き、妻は自らの身体を使って隊商(キャラバン)のリーダーに取り入り、夫を救出しに乗り込んで行くなど夫婦揃って凄いキャラクター設定ですが、それだけの苦難の末に部族を再興してモンゴルの統一へと向かうところが描かれています。

コーエー定番シリ-ズ 蒼き狼と白き牝鹿・元朝秘史

コーエー

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 コーエーはチンギス・ハーンを題材にしたゲームとして『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズを確か”Ⅳ”まで出していたと思います。 このゲームも『信長の野望』や『三国志』シリーズと同じく戦争で敵の領地を奪ってゲーム内の世界の統一を目指す”国捕りゲーム”なのですが、このゲームにはオルドと言う、いわば”モンゴル版大奥”みたいなものがあり、戦争に勝って敵国を制圧するとその国の姫君を捕虜にして自分の”ハーレム”に加え、最初は心を開かない彼女達を口説いて(?)自分の第2夫人や第3夫人にと仕立てて行き、産まれた子供を武将に育てて血縁者によるネットワークを作り上げて広大な領土支配を可能にする訳ですが、ゲームが進んで領地が広大になるとオルドの中も十二単の日本の姫から中国や朝鮮の姫、インドの姫から中東の姫にロシアに中央アジア、果てはヨーロッパの姫まで集まってすごい状況になってしまうのですが...

 実は本物のチンギス・ハーンも同じ事をやっており、だからこそゲームにも取り入れられているのです。 彼自身、敵を倒して敵の妻や娘を自分のオルドに加えるのが人生最大の楽しみだとまで言っていたそうです。 ”戦利品”として愛する人から引き離される女性達の痛みも悲しみを一番知っているはずの彼が妻と同じ境遇の女性を何人も作り出してしまった。 最近見た2本のチンギス・ハーン映画のいずれもこの彼の”闇”や”悪”の部分を描かなかった事が私はどうしても気に入らなかった。 あの時代は他人の妻を奪う事より、他人に妻を奪われる夫の無力に非があると言う価値観だったはず。 一夫一婦制を含め、違う時代を描いているのに無理矢理今の価値観を押し付けてはいけないと思います。 ”完璧な人間”なんて基本的に居ません。 チンギス・ハーンも一人の人間、弱いところはあったのでは...

               

 昨日、このブログで食べてみたい全国のご当地鍋なるランキングを紹介しましたが、その中にジンギスカン鍋も入っていましたね。 北海道から全国に広まってラム(子羊)肉が一般のスーパーでも売られる様になりましたがモンゴルと関係あるのか? 羊肉と言う事で遊牧民のイメージがあったのかも知れませんが。 昔、ラジオで聴いたお話で修学旅行の引率の先生が「今日の朝食はジンギスカンだぞ!」と言うので朝から豪勢だなと食堂に入ったらバイキング形式の朝食だったとか、万博に生徒を引率した教師が「じゃあ今からコンパニオンに入るよ。」と言ってその場が凍り付いたと言う話を紹介していましたが、最近は更に意味不明な横文字だらけになって困惑している人も多いと思いますけど...

 話が逸れましたが、チンギス・ハーン映画を2本見て思ったのはどっちが良いと言うよりはどっちも見た方が良いと言う事です。 台詞が日本語なので『蒼き狼...』から見るのをお奨めしますけど。 出来ればその後、チンギス・ハーンやモンゴルに関する本を読むとか、NHKの『大モンゴル』などのビデオを見るとか、ゲームであの時代の世界観を体験してみるとかやってみてもいいのではと思います。 日本相撲協会のお偉いさんも映画を見てモンゴルの歴史や文化に触れておくのもいいのではないでしょうか? 今は東西の横綱がいずれもモンゴル出身なのですし...

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 ...以上です。
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