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その人からの、丁寧な閉店のお知らせが来たのは、二年ほど前なのに、ついこの間のことのような気がする。
「しばらく、頑張ってみたけれど、もはや体力の限界。刀折れ矢尽きて、このたびすべての事業から、撤退する決意をするに至りました。皆さまの、長年のご厚情に対しては、感謝の心でいっぱいです。どうぞ、ふがいない自分を、お許しください」というような、内容だった。
え?あの人が!…私は、ほとんど会話さえしたことがないこの人を、思った。話したことはないけれど、この人のことは、20代の頃から知っている。
その当時は、ある系列店の店長だった。まさに「身を粉にして働く」、という言葉が当てはまる人だった。
ナイーブそうな面差しのハンサム。お客さまへの対応はソフトで親切。部下への思いやり、取引業者さんへの優しい気配り、厳しい目配り。。。完璧だった。
真面目で仕事一筋。というより、仕事に夢中で恋して、それに応えてくれる愛しい仕事は、彼のすべてだった。
おそらく、高学歴ではない。初めは、正社員でさえなかったかもしれない。しかし、文字通り「身を粉にして働く」彼は、昇格し、続いて、リタイアする店長に後継を託された。
彼の人柄と努力で、売り上げは伸び続け、全国の系列店の中でも、長年に渡ってトップクラスだったと思う。
あの人は、仕事と結婚しているんだ。と、誰もが心の中で思っていた。が、彼はその後、普通にある女性と結婚をした。家も買った。子どももできた。だが、激務のため、家庭にはほとんど帰れない状態だったと思う。
帰れないのが分かっているのに、どうして家庭を持つのだろう。不思議だ。暖かくホッとできる家に、たまに帰るのが嬉しいのだろうか。若い奥さんは、寂しいだろうに。
誰にでも優しい笑顔の彼は、家庭のことは一切語らない。ハンサムな顔に、憂いが見える。あまり幸せそうではないようだ。と思っていたら、離婚したらしいという。彼の意思で、本格的に家に帰らなくなって、家庭は破綻した。
また、一生懸命はたらく彼の姿が、あった。見るだけだが、なんと動線の美しい男だろう。笑顔と身のこなしと、仕事の動きや時間に、まったく無駄がない。惚れぼれとしてしまう。
そのうち、親会社から、その店を買いとってくれといわれた。遠くても不便でも、長年来てくれているお客さんがいる。僕は、この店をやめるわけにはいかない。だから、無理しても買った。という。
そのうちに、数店を経営するようになり、資産も増えた。儲けの薄い商売だが、地道に頑張っていた。再婚もした。
しかし、40代後半頃から、体調が悪くなってきていた。原因が分からない。有名病院を巡り歩いたけれど、病名さえ分からないのだ。従って、治療も場当たり的な対症療法だけ。
それでも、数年間は、人に任せられるところは任せながら、仕事を続けていたが、ギブアップするところまできたらしい。彼は、病名も治療法さえも見つけられないまま、入退院を繰り返していた。
まだ若いのに、痛ましい、と思った。あの、ナイーブなハンサムが、50才そこそこで。。。
彼とは、特に親交もないけれど、うちの息子が亡くなったことを、後で知ったと、過分のお線香料を頂いたことがあった。ほんとうに、心優しい人なのだった。
私は、「閉店のお知らせ」通知を読んで、思わず落涙しそうになった。入院先の病院が分かれば、お見舞いに行きたい、と思ったけれど、きっとそれも出過ぎたことだろう、と諦めた。彼も、やつれた所を、人に見られたくないかもしれない。まして、夫の仕事先関係の人である。
お店で、、楽しそうに笑いながら、溌剌と、キビキビと、完璧なまでの”美しい動線”を見せてくれていた店長。負けないで!もう少し。また、いつかどこかで、あなたの弾ける笑顔が見たい、と私は願っているのです。
(わが家の庭の「赤ヤナギ」/お隣さんが、綺麗~!と言う)
その人からの、丁寧な閉店のお知らせが来たのは、二年ほど前なのに、ついこの間のことのような気がする。
「しばらく、頑張ってみたけれど、もはや体力の限界。刀折れ矢尽きて、このたびすべての事業から、撤退する決意をするに至りました。皆さまの、長年のご厚情に対しては、感謝の心でいっぱいです。どうぞ、ふがいない自分を、お許しください」というような、内容だった。
え?あの人が!…私は、ほとんど会話さえしたことがないこの人を、思った。話したことはないけれど、この人のことは、20代の頃から知っている。
その当時は、ある系列店の店長だった。まさに「身を粉にして働く」、という言葉が当てはまる人だった。
ナイーブそうな面差しのハンサム。お客さまへの対応はソフトで親切。部下への思いやり、取引業者さんへの優しい気配り、厳しい目配り。。。完璧だった。
真面目で仕事一筋。というより、仕事に夢中で恋して、それに応えてくれる愛しい仕事は、彼のすべてだった。
おそらく、高学歴ではない。初めは、正社員でさえなかったかもしれない。しかし、文字通り「身を粉にして働く」彼は、昇格し、続いて、リタイアする店長に後継を託された。
彼の人柄と努力で、売り上げは伸び続け、全国の系列店の中でも、長年に渡ってトップクラスだったと思う。
あの人は、仕事と結婚しているんだ。と、誰もが心の中で思っていた。が、彼はその後、普通にある女性と結婚をした。家も買った。子どももできた。だが、激務のため、家庭にはほとんど帰れない状態だったと思う。
帰れないのが分かっているのに、どうして家庭を持つのだろう。不思議だ。暖かくホッとできる家に、たまに帰るのが嬉しいのだろうか。若い奥さんは、寂しいだろうに。
誰にでも優しい笑顔の彼は、家庭のことは一切語らない。ハンサムな顔に、憂いが見える。あまり幸せそうではないようだ。と思っていたら、離婚したらしいという。彼の意思で、本格的に家に帰らなくなって、家庭は破綻した。
また、一生懸命はたらく彼の姿が、あった。見るだけだが、なんと動線の美しい男だろう。笑顔と身のこなしと、仕事の動きや時間に、まったく無駄がない。惚れぼれとしてしまう。
そのうち、親会社から、その店を買いとってくれといわれた。遠くても不便でも、長年来てくれているお客さんがいる。僕は、この店をやめるわけにはいかない。だから、無理しても買った。という。
そのうちに、数店を経営するようになり、資産も増えた。儲けの薄い商売だが、地道に頑張っていた。再婚もした。
しかし、40代後半頃から、体調が悪くなってきていた。原因が分からない。有名病院を巡り歩いたけれど、病名さえ分からないのだ。従って、治療も場当たり的な対症療法だけ。
それでも、数年間は、人に任せられるところは任せながら、仕事を続けていたが、ギブアップするところまできたらしい。彼は、病名も治療法さえも見つけられないまま、入退院を繰り返していた。
まだ若いのに、痛ましい、と思った。あの、ナイーブなハンサムが、50才そこそこで。。。
彼とは、特に親交もないけれど、うちの息子が亡くなったことを、後で知ったと、過分のお線香料を頂いたことがあった。ほんとうに、心優しい人なのだった。
私は、「閉店のお知らせ」通知を読んで、思わず落涙しそうになった。入院先の病院が分かれば、お見舞いに行きたい、と思ったけれど、きっとそれも出過ぎたことだろう、と諦めた。彼も、やつれた所を、人に見られたくないかもしれない。まして、夫の仕事先関係の人である。
お店で、、楽しそうに笑いながら、溌剌と、キビキビと、完璧なまでの”美しい動線”を見せてくれていた店長。負けないで!もう少し。また、いつかどこかで、あなたの弾ける笑顔が見たい、と私は願っているのです。
(わが家の庭の「赤ヤナギ」/お隣さんが、綺麗~!と言う)
父と、板前の修業みたいな事をしていた時の
花板さんです。
父も花板さんも本当に動きに無駄が無い。
これは身体も指先もなんです。
それに時間の使い方が見事です。
何かを待たなければならない工程の時は
必ず次の事を段取していました。
仕事の流れが頭の中に当たり前のように入力
されているので、弟子やなんかに的確に指示を
出す。息がぴったしってとこですかね。
トーコさんの言うようにリズミカルで流れる
ように動くんです。
今思えば凄かったですね。
若い時から頑張り過ぎてしまった結果ですね。
真面目な人は”息抜き”をする事が下手だから、
どんどんどんどん負荷が掛かって壊れてしまう。
周囲の人が”息抜きの仕方”を教えてあげる事が出来たら、
もっと違っていたんでしょうね。
ありゃりゃ…
4位か5位だったのに~~~~
ま、また頑張ればいいじゃん♪
ネコヤナギじゃなくてアカヤナギ?
ぜんぜん知りませんでした。
トーコさん、絶対、小説家が向いてる。
いつも文章見てそう思います~*^-^)
そうですね。そう、職人の世界なのですね。
今日の主人公は、食べ物関係ではないのですが、ホント、”花板”さんのような仕事ぶりでした。
食を扱うのではないので、軽快なおしゃべりも得意であり、何より、いつでもどんな時でも、優しい笑顔が素敵な人でした。
…でした、なんて、まるで過去の人みたいに、言ってしまいましたね
このブログを書いてから、彼の消息をた訊ねましたら、退院はしたものの、まだ、自宅療養をしているらしいです。
でも、ずいぶんと良くなって、体は回復基調のよう。少し、ホッとしました。良かったです
コメント、ありがとうございました(合掌)
「歯車」には「遊び」という部分があります。
この「遊び」がないと歯車は回りません。
遊びは車のアクセル、ブレーキにも必ずついています。
うまくできています。
遊びは大き過ぎても小さ過ぎても役に立ちません。
「夜の遊び」を覚えると狂ってしまいます。
遊びが大きくなったのを「ガタがきた!」といいます。
トーコさんにはまだまだ「ガタ」はこないようです。
遊び過ぎて「ガタガタ」にならないよう気をつけましょう。
ネコヤナギは色が余り私は好きではありません!
気持ち悪くなるのです。
でも赤ヤナギは、綺麗!
ふっくらとしていて、その中が赤い色しているんですね。
今日のお話も他人事ながら、身につまされますね!
男は仕事とは一番とはいえ、もう少し自分を大事にされたら良かったのにね・・・(合掌)
彼の消息が、分かりましたので、お知らせしておきます。
少しずつ、良い方向に向かっているらしいです。経済的には困っていないので、慌てて働かなくても大丈夫なのですが、もう少し良くなったら、小さな店を持って、細々と仕事をしてゆきたい、という考えだとか。。。
以前の仕事を、あのまま続けていたら、おそらく死んでいただろう、と。今、生きていられるのは、あの時思い切って、仕事を清算したから。
自分の選択は正しかった、と語ったそうです。とりあえず、死なないで、本当に良かったと思います。
真面目な人だから、息抜きなんて、したことなかったのでしょうね。まちるださんは、上手に息抜きしつつ、お仕事頑張ってくださいね
コメント、ありがとうございました(合掌)
このヤナギはね、知り合いの人の家で、切り倒される運命にあった木から、枝を貰ってきて、挿し芽で大きくしたのよん。
二本あったのだけれど、あまりに蔓延(はびこ)るので、一本にしました~。あはは。
名前は、よく知らないのだけど、その家のおばあさんが、これは通称「赤ヤナギ」というのだ、と言っていましたけど。
いつも褒めていただいて、恐縮です でも、これでイッパイイッパイなのが、ホントのところです、期待しないでくださいね(笑)
コメント、ありがとうございました(合掌)嬉しいですぅ
家庭を犠牲にして、会社に人生をささげるみたいな人が多かったのです。
今の若いひとたちはあまりそういう考えがなじめないと思いますが、当時の経済を支えていた人たちの姿なのだと思います。
私はどちらかといえば、仕事人間ではありません。
ただ、先輩たちからの教えは受け継いで行きたいと考えています。
難しい問題ですね。
そのお方、きっとまたどこかでがんばっていることと思います。
しかし、この先迎える虚無感に耐えられるかどうかはわかりません。
残りの人生もゆっくりと美しいものにしていただきたいものです。
一つ前の「牛乳味噌ラーメン」のコメント欄に、山小屋さんへのメーッセージがあります。私の、お詫びの追伸です。後で、読んでね(*^^)v
さてさて、「遊び」ですね。そう、彼に息抜きとか、遊びとか、あまり無かったように見えました。
仕事の流れの中で、多少は解消していたのかもしれません。仕事が趣味の人だから。。。真面目すぎたのですね。
山小屋さんは、山が恋人だから、良いですね~。山はどこにも逃げないし、、、いひっ!(笑)
私なんか、もう「ガタガタ」ですよ。え?夜遊びはしていませんけど…。あはは。パソコン画面を、夜遅くまで見ているのも、”夜遊び”ですかね。これから、少し気をつけますね
コメント、ありがとうございました(合掌)