先日、共産党宣言を読んだ後、こちらの本を読み直してみました。
文化防衛論というタイトルですが、内容は評論、対談、学生へのティーチインからなります。
最初の「反革命宣言」、これがお目当てで読み直しました。
共産党宣言は、プロレタリアートの革命を扇動する内容ですが、反革命宣言は共産党宣言を否定しています。
共産党宣言の最後には、「社会秩序の転覆のみにより自己の目的が達成される」とありますが、三島は、自分らが守ろうとする文化歴史伝統は、社会秩序の中に生きるものであるからして、共産主義とは相容れないということを宣言し、共産主義と政体との結合を阻止する意思を明確に示しています。
三島は、自分らを日本文化の最後の保持者とし、未来については、後に続くものに託す、という思想です。これがわかりにくい、というか、わたしの筆力ではわかりやすく説明できる自信がないのですが、興味ある方は本書を読んでいただければその思想に触れられると思います。
続く、文化防衛論は、国体として、文化として、三島の天皇思想が現われている論文で、文章は難解です。気が向くと読み返している文章なのですが、読むのに時間が掛かります。
ティーチインは学生の質問に真摯に応える三島が伺えます。
このような行為は前述した、三島が「自らを最後の者とした行動原理」に基づいて「後に続くものに託す」ことから来ているのだと思います。
作者プロファイル。
文庫化は2006年と新しいです。
p.s. 定期健診の後に昼飲み。
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