先日の新聞で、「進む読書離れ、月に「0冊」6割強」という驚きの記事を読みました。読書はすべての知識の基本のキだよ、大丈夫か?日本人?
さて、「百年の孤独」からリンクして「同時代ゲーム」を読みましたが、それの補注の位置づけである作品が本書「いかに木を殺すか」だそうです。という理由で、こちらも読んでみることに。
内容紹介。これ読む限りでは、「同時代ゲーム」の五十年戦争と同じ物語が想起されるのですが、下敷きは一緒だと思います。脱走兵がいたのはおそらく実話だと思いますが、それをもとに、「同時代ゲーム」、「いかに木を殺すか」、のそれぞれの作品になったのでしょう。
8編からなる連作集です。
「同時代ゲーム」と共通の出来事、あるいは「同時代ゲーム」では没にしたテーマ(神話?)、に触れています。舞台は現代でメキシコ客員教授時代など、作者の生きた時代と合わせているようです。
「同時代ゲーム」が発表されたのが1979年、「いかに木を殺すか」が発表されたのが1984年、文体は中期短篇作の「「雨の木」を聞く女たち」あたりに近いです。最初に中期作品を読んだときに感じた読みづらさが、この一冊にも感じられました。
さらに、「M/Tと森のフシギ物語」を読めば、「詩的な想像力によって、現実と神話が密接に凝縮された想像の世界を作り出し、読者の心に揺さぶりをかけるように現代人の苦境を浮き彫りにしている」というノーベル文学賞受賞理由への理解が深まるかもしれません。
著者プロフィール。
書誌事項。
単行本は1984年、文庫化は1987年。
p.s. 2200引いて残りなし。暑さでバテ気味。
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