ティンパニストの本 (PART 1)
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デンマンさん。。。、どういうわけでティンパニストの本というタイトルでオイラをお呼びになったのですか?
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オマエは不満なのォ~?
だってぇ~、ティンパニストの本なんて つまらなさそうじゃありませんかァ!
あれっ。。。 オマエはクラシックに関心があるんじゃないのォ~?
もちろん、クラシックには人一倍の興味を抱いています。。。 でも、ティンパニは、オイラにとって それほど興味深い話題じゃありませんよ!
あれっ。。。 オマエは楽団でティンパニを叩いている人に対して侮辱と思えるような言葉を並べるんだねぇ~。。。
オイラは別に、ティンパニストを侮辱しているわけではありません。。。 ただ、オイラの個人的な趣味として、ティンパニストを取り上げるのなら、クラシックの作曲家を取り上げてデンマンさんと語り合いたいのですよ。
つまり、作曲家と比べたらティンパニストは取るに足りない存在だとオマエは信じているんだねぇ~?
別に、それほどティンパニストを見下げているわけではありません。。。 そんなことより、デンマンさんはどういうわけでティンパニストの本を取り上げたのですか?
たまたまバンクーバー市立図書館でティンパニストが書いた本があったので、ちょっとばかり興味を持って読んでみたのだよ。。。
デンマンさんはティンパニストになりたかったのですか?
いや、別にティンパニストになりたかったわけじゃないけれど、世の中にはティンパニストになりたかった人がいるんだと思って、ちょっとばかり興味を引かれて本を借りたわけだよ。。。
。。。で、本を読んで感動して、第2の人生はティンパニストとして余生を送ることに決めたのですか?
まさかァ~。。。 オマエは僕の言葉を受けて、急に飛躍して解釈しすぎるのだよ。。。 僕も多少はクラシックをかじったことがあったので、本を読みながらティンパニも意外に面白い楽器なのだと思ったのだよ。。。 オマエもきっと面白いと思うはずだよ。。。 ちょっと読んでごらんよ。
R.シュトラウスの半音階と
バルトークのグリッサンド
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ティンパニの技術的な改良は、作曲家たちを“ティンパニの音換えの制約”から一気に解き放って、より音楽的で幅広い音換えができるようになった。
“ペダル機能”を大いに活用したR.シュトラウスは、多彩な転調場面で半音階的でメロディックな旋律も書いている。
そのみごとな効果は彼の代表作、《サロメ》や《ばらの騎士》、《影のない女》など随所に見られる。
《サロメ》
《ばらの騎士》
《影のない女》
ペダル・ティンパニの前にマシーン・ティンパニが開発されていたことに触れたが、シュトラウスの比較的初期の作品《家庭交響曲》の終わり近くに、とても興味深い場面がある。 (略)
そして、その音列の下には「これらの音は後日作曲家自身によって書き加えられた」と記されていた。
私はつい先日までシュトラウスがこの《家庭交響曲》を作曲したあとにペダル機能が確立されて、「そのようなことができるのならティンパニにこのメロディをやらせよう」ということになったのだろうと勝手に思い込んでいた。
《家庭交響曲》
ところが「事実はこうなんだ」とトーマスとミヒャエル(ウィーン交響楽団のティンパニスト)からふたつの説を聞いた。
ひとつは、ウィーン・フィルの往年のティンパニスト、ハンス・シュネラー(1865-1945)がシュトラウスの60歳の誕生日記念の演奏会で、彼自身が考案(1920年にパテントを取得)した“シュネラー・システム”のティンパニで、メロディックな演奏が可能であることの“デモンストレーション”として、巧みなハンドルさばきでこのメロディを演奏して見せた、という説。
もうひとつは「シュトラウスの誕生日のお祝いに」と、ただ単なる遊びとしてやって見せたという説。
どちらが真実なのか分からないが、それ以降は、新たに加えられた部分も演奏するのが当たり前になった。
知らなかったこととはいえ、思い込みとは本当に怖い。 (略)
そして次なる新しいアイディアを発案したのがバルトークだった。
彼はペダルを一定方向、もしくは上下に続けて動かすことで生み出される“グリッサンド奏法”を考え出した。
代表作として有名な《管弦楽のための協奏曲》や《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》に登場する数々の“グリッサンド奏法”は、バルトークの民族色豊かな音楽と相まって“エキゾチックな世界”をつくり出している。
《バルトーク 管弦楽のための協奏曲》
《バルトーク 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》
シュネラー・システムにこだわるウィーン・フィルがバルトークを演奏する際には、トレモロをしながらグリッサンドすることが無理なため、音程を変えるだけの「もうひとりの奏者」が必要になる。
ここまで来ると楽器へのこだわりも半端ではない!
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより
YouTube クリップはデンマンが貼り付けました)
233-236ページ 『ティンパニストかく語りき』
著者: 近藤高顯
2017年9月12日 第1刷発行
発行所: 株式会社 学研プラス
オマエ、読んでみて、けっこう面白いと思わなかったァ~?
特に面白いとは思えません。。。 常識的なことばかりですよ。。。
あのさァ~、そう言ってしまっては身も蓋もないだろう! 僕がせっかくティンパニを取り上げてオマエを呼び出したのだから「意外に面白いですねぇ~」とか何とか言って欲しいのだよ!
オイラは、忖度(そんたく)したり、迎合するのは性格的に合わないのです。。。
オマエは付き合いにくいんだねぇ~。。。 あのさァ~、普通の人には上に書いてあることは決して常識ではないんだよ。。。 実際、僕は音楽的には普通の人だけれど、これでも小学生の頃には器楽クラブに所属しており、コントラバスを受け持って「美しき青きドナウ」だとか「ハンガリア舞曲第5番」だとかを演奏したこともあるのだよ。。。 学校対抗のNHKの器楽コンクールでも、関東甲信越地区で優勝賞をもらったこともあるのだよ。。。
だから。。。?
そのときに、器楽の演奏にティンパニも使われていた。。。 ところが、僕が見たティンパニは新品だったけど、かなり旧式なものだったらしく、マシーン・ティンパニでもなければ、ペダルもついてなかった。。。 手締め方式でティンパニの表面の回りに6個のネジが付いていて 手で締めたり緩めたりして音程を変える原始的な方法だった。。。 たぶん、クラブに十分な予算がなくて一番安いティンパニを買ったらしい。。。
つまり、デンマンさんはペダル・ティンパニも マシーン・ティンパニも見たことがないのですか?
そうなのだよ! だから、上の本を読みながら興味しんしんだった。。。 ティンパニの歴史も書いてあったけれど、なかなか面白いと思った。
ティンパニ
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ティンパニは、打楽器の一種。主に銅製であり、半球形の胴体に脚がついた大型の太鼓で、皮が張られた上面(鼓面、打面)を、通常2本のマレット(ばち)で叩く。
太鼓の一種であるが、通常の太鼓は非整数倍音成分が多く特定の音程を聴き取ることは困難であるのに対し、ティンパニでははっきり音程を聴き取れる点が通常の太鼓と異なる
歴史
中世のアラブの「ナッカーラNaqqara」または英語で「ネーカーNaker(s)」と呼ばれる鍋底状の軍楽太鼓を先祖とする。
馬の胴の両脇に取り付ける楽器として発達し、15世紀のヨーロッパでは、トランペットと共に騎馬軍楽隊の楽器編成の中心に位置づけられた。
やがて17世紀半ばにはオーケストラに取り入れられた。
古典派までは2台一組で、多くの作曲家は主音と属音を補強するのに用いられた。
パーセルは歌劇「妖精の女王」第4幕冒頭にティンパニでメロディを書いているが、これは例外中の例外である。
ベルリオーズ以降さらに多くのティンパニが用いられるようになり、現代では4台一組で用いられることが多い。
ティンパニは19世紀まで、オーケストラや吹奏楽の中で補助的に活躍することが中心的であったが、20世紀になると協奏曲の主役(ティンパニ協奏曲)として、あるいは室内楽やソロで活躍するようになった。
出典: 「ティンパニ」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
。。。で、面白そうなので、デンマンさんは最新のペダル・ティンパニを買って叩いてみたのですかァ~?
あのさァ~、さっきも言ったけれど、僕はティンパニストになって交響楽団で演奏したいわけじゃないのだよ。。。
要するに、本を読んだだけなのですねぇ~。。。
早い話が そういうことなのだよ。。。 でも、興味を引かれてネットでティンパニの面白い演奏を探してみたのだよ。。。 面白いからオマエも次のクリップを見てごらんよ。。。
E.カーター:4つのティンパニのための
8つの小品より
7つのティンパニ
雨の中、ティンパニーの打ち方がスゴイ!
じっと見てしまう
なるほどォ~。。。 すぐ上の雨の中でティンパニの表面を拭きながら、しかもべダルを動かしながらティンパニーを叩いている姿は、確かにじっと見とれてしまいますねぇ~。。。
そうだろう?! オマエもティンパニーを叩いてみたくなっただろう?
叩いてみたくなりません。。。 雨の中でティンパニーを叩くなんてウザったいですよ。。。
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