マグダレンの祈り(PART 1)
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デンマンさん。。。 どういうわけで急にマグダレンの祈りを取り上げるのですか?
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先日(2018年11月16日)、ジューンさんと次の記事でマグダラのマリアについて語り合ったのですよ。。。
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■『マグダラのマリア 娼婦か聖女か?』
そうでしたわ。。。 マグダラのマリアがイエスキリストと結婚して子供を産んでいたという ショッキングなことをデンマンさんが持ち出したのですわ。
イエスと結婚していた?
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さきの『最後の誘惑』で十字架上のイエスがマグダラのマリアとの結婚生活を夢想する。
1982年に英国で刊行されたノンフィクション“Holy Blood, Holy Grail”(日本語版:『レンヌ=ル=シャトーの謎』)で著者らは、イエスとマグダラのマリアが結婚しており、子供をもうけたという仮説を示した。
マーガレット・スターバードもこれに追随し、1993年『マグダラのマリアと聖杯』で、イエスとの間の娘をサラとした。
2003年の小説『ダ・ヴィンチ・コード』がそれをストーリー中に使っている。
シンハ・ヤコボビッチとバリー・ウィルソンも、2014年出版の“The Lost Gospel: Decoding the Ancient Text that Reveals Jesus' Marriage to Mary the Magdalene” (日本語版『失われた福音-「ダ・ヴィンチ・コード」を裏付ける衝撃の暗号解読』2016年)の中で、二人の聖なる婚礼や交わり、子供を二人もうけたことなどを詳細に記録した古代シリア語文書を解読している。
結婚していたとする論では、あちこちに暗喩や象徴の形で残っていると主張している。
そもそも西洋美術には作品の中にシンボルとしての形や色を配し、暗示的に表現する手法があるのである。
古くから中心的な宗派以外は、異端として迫害されたり証拠品を焼き払われたりしてきた歴史がある。
迫害の対象となるような表現であれば、当然その手法を美術家たちは用いてきた。
明示的なものでは、2-3世紀ごろの著作と見られる『フィリポによる福音書』の記述がある。
古代社会でも国を治める者によって宗教内容の統制が行われ、統率者の意向にそぐわない教義は何度も隠蔽と書き換え、そして迫害が行われてきた。
この結婚という内容もその隠蔽の1つとみられている。
イエスの結婚を巡り、近年さまざまな研究書、追跡書などが出ている。
20世紀の半ばに、異端の書としてこれまで姿を消していた書物がナグ・ハマディ写本の発見など、その姿を現してきた。
そんな世論の中、娼婦を否定し妻とするのは「同じ見方の裏と表」と、エレーヌ・ペイゲルス(Elaine Pagels)は指摘した。
ペイゲルスによれば、「男たちは、マグダラのマリアがイエスの弟子でも、リーダーでもなく、性的な役割だけを与えようとして、このようなファンタジーを作っているのではないかとさえ思える」と。
しかし、史実の対象となる古書の中にイエスが結婚をしていないという具体的な表現もなく、重要な文書が削除され教義が歪曲されたとも解釈できる。
太古の時代に地球上のあらゆる文化でリーダーとしての女神崇拝があったことの名残でもあるマグダラのマリアの存在に恐れを感じた組織が「性的」や「ファンタジー」という言葉によって、逆に貶めているとも考えられる。
出典: 「マグダラのマリア」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ウィキペディア』にも、こう書いてありますからねぇ~。。。 マグダラのマリアがイエスキリストと結婚して子供を産んでいたと信じている人も かなり居るのですよ。。。
。。。で、今日は、そう信じていない人たちのお話をするのですか?
そういうことです。。。 あのねぇ~、11月16日に上の記事を投稿したのだけれど、実は同じ日に僕はバンクーバー市立図書館でDVDを借りて次の映画を見たのです。。。
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■『拡大する』
■『実際のページ』
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デンマンのコメント
November 16, 2018
Written and directed by Peter Mullan in 2002, this Irish-British drama delves into the lives of four teenage girls in Magdalene Asylum maintained by individual religious orders in the Roman Catholic Church in Ireland.
The girls in the asylum do such disgusting things at times simply because they are placed in such a disgusting place and treated in such disgusting ways.
Father Fitzroy (NOT a man of God) abuses one of the inmates, and later he will dance furiously in the buff during the important open-air ceremony because his clothes have been washed with skin irritant so that he should be revenged.
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I almost laughed out loud to death.
2002年にピーター・マラン監督による脚本で制作されたアイルランドと英国合作映画は当時のアイルランドで支配的だった厳格なカトリックの戒律に基づいて運営されているマグダレン更生施設に収容された10代の4人の未婚の母の生活を描いている。
この更生施設の女たちは、時々目を背(そむ)けたくなるような、しかも吐き気を催させるような行為を行う。
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なぜなら、彼女たちは信じられないほど酷い施設で、常識では考えられないような取り扱いを受けているからなのだ。
神に仕える身でありながら悪行も厭(いとわ)わないフィッツロイ神父は彼女たちの一人を性奴隷のように扱うのだった。
それを見ていた仲間の女が復讐のために、神父の衣服を洗う時に皮膚を刺激する植物を洗濯機の中に入れて一緒に洗う。
何も知らないフィッツロイ神父は屋外で行われた宗教儀式の主任司祭として儀式を執(と)り行うのだが、
その最中に、痒みと痛みで、いたたまれずに衣服を脱ぎ捨てて、素っ裸になって儀式から離れ、まるで狂って踊るかのように猛ダッシュで森の中に逃げ込む。
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それを見れば、あなたも腹を抱えて死ぬほど笑い転げてしまうこと請け合いだ!
11月16日に たまたま "The Magdalene Sisters (マグダレンの祈り)" を観たのですか?
そうなのです。。。 実は、数週間前からDVDを予約しておいたのですよ。。。
つまり、DVDがデンマンさんの手元に届いたのが、たまたま11月16日だったと言うわけですか?
そういうことなのですよ。。。 偶然にしてはできすぎるとジューンさんは思うかもしれないけれど。。。 『マグダラのマリア 娼婦か聖女か?』を書く予定があったから、僕が意図して この映画を観ようとしたわけではないのです。。。
。。。で、今日 映画『マグダレンの祈り』を取り上げたのはどういうわけなのですか?
あのねぇ~、 この映画はカトリックの更生施設に収容された4人の10代の未婚の母を中心に描かれたドキュメンタリー・タッチのドラマなんですよ。。。
マグダレンの祈り
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『マグダレンの祈り』(The Magdalene Sisters)は、ピーター・マラン監督・脚本で2002年に制作されたアイルランド・イギリス合作映画である。
原案はジューン・ゴールディングによる同名の回想録であるノンフィクション作品。
この映画は、1996年までアイルランドに実在したマグダレン洗濯所を舞台としている。
この施設は、当時のアイルランドで支配的だった厳格なカトリックの戒律に依拠した道徳観に基づき、婚外交渉した女性などを収容していた。
原作者のジューン・ゴールディングは、かつて施設の助産婦をしていた経験があり、収容されていた女性たちの願いによる約束のために回想録を書き上げた。
2002年のヴェネツィア国際映画祭において金獅子賞を受賞した。
「マグダレンの祈り」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
"Magdalene" をオンライン辞典で調べてみると、次のように書いてある。
Magdalene, n.
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a. Christian Church. the Magdalene: Mary Magdalene, a follower of Jesus to whom he appeared after his resurrection (John 20:1–18),
in the Western Church frequently also identified with the unnamed sinner of Luke 7:37,
and therefore represented in hagiology as a reformed prostitute elevated to sanctity by repentance and faith.
Now chiefly hist.
カトリック教会ではマグダラのマリアのこと。
ヨハネによる福音書(20:1–18)によると、イエスの復活のあとにイエスの弟子となる。
ルカによる福音書(7:37)によってローマカトリック教会では“罪深い女”と考えられている。
それゆえに聖人伝では、信仰と贖罪(しょくざい)によって聖女になった娼婦とも考えられている。
現在では主に歴史的な用語として用いられる。
(デンマン訳)
『オックスフォード英語辞典 (オンライン版)』より
つまり、映画の舞台になっているマグダレン更生施設(Magdalene Asylum)は、“罪深い女”を収容しているということですか?
その通りですよ。。。 施設の名前の"Magdalene"は、聖人伝に出てくるイエスと結婚した聖女ではなく、未婚なのに子供を身ごもってしまった、世間では“売女(ばいた)”とか“娼婦”と呼ばれて蔑まれた女を意味しているのですよ。
要するに映画が描いている1960年代当時のアイルランドでは、マグダらのマリアは“売女(ばいた)”とか“娼婦”と同じ意味で語られていたということですねぇ~。。。
そうです。。。 当時は、まだ「死海文書(Dead Sea Scrolls)」も見つかってなかった。
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ベストセラーになった『ダ・ヴィンチ・コード』(The Da Vinci Code)もまだ出版されてなかった。
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さらに、シンハ・ヤコボビッチとバリー・ウィルソンが“The Lost Gospel: Decoding the Ancient Text that Reveals Jesus' Marriage to Mary the Magdalene” (日本語版『失われた福音-「ダ・ヴィンチ・コード」を裏付ける衝撃の暗号解読』2016年)の中で、キリストとマグダレンの聖なる婚礼や交わり、子供を二人もうけたことなどを詳細に記録した古代シリア語文書を解読したのは、2014年のことだった。
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マグダらのマリアが聖女だったという研究書が出回る以前の20世紀は、多くの人々がマグダらのマリアを娼婦だと考えていたということですか?
そういうことです。。。 ジューンさんも、そのうちの一人でしょう?
確かに、言われてみれば、そうですわ。。。
デンマンさんは、マグダらのマリアがキリストの聖なる弟子の一人だと信じているのですか?
いや。。。 まだ完全には信じてません。。。 でも、その内、キリストとマグダラのマリアの娘のことが書かれている「死海文書(Dead Sea Scrolls)」のような“ダメ押し古文書”が、地中海沿岸のどこかで見つかるかもしれませんよ。
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(すぐ下のページへ続く)