獲得された絶望感(盲人ウエカジ @ウエカジハローセンター 公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と全盲ヘルパー事業所と・・・~

市川染五郎歌舞伎@松竹座 を見た。

2006-10-14 23:41:19 | コンサート舞台
  いろいろな物を見てやろう。正社員になって6ヶ月。手取り21万円の収入。機会があれば、いろいろな舞台を見ようと思う私デスペア。

  今日は大阪松竹座。歌舞伎を初めて見た。市川染五郎主演。ホモの話。言い換えて男の熱き友情愛情のお話。

  歌舞伎というには、一昔前のもの。あくまで教養として観劇するもの。見ていても話している言葉はわからないものと決めつけていた私。

  ところがどうしてどうして。歌舞伎。さまざまな特殊効果あり。お笑いあり。アクションあり。伝統文化というよりも、現実文化。おもしろい舞台。意外。


  デスペア的観劇ポイント。

1,ヲタの原点を見た。

   ハロプロコンサート。お気に入りのメンバーが歌うとき、MCのとき。ヲタが叫ぶ。「あいちゃーーーん!!」。

   江戸時代から続く歌舞伎。時折3階席の上手のほうから男性の声。

   「よっ○○や!!」

   屋号?を叫ぶ男性。見栄をきる役者。よきタイミングでかけ声。場が盛り上がり。引き締まる。実にいい。まさしくヲタの原点。

   ただ、ちがうのはハロプロヲタは叫び声は自由で無給。しかし歌舞伎では叫ぶ人は決まっていて、すこしのお手当てをもらう。どっちが崇高だろうか。


2,回転舞台。

   この夏新宿コマ劇場でモーニング娘。リボンの騎士。舞台は回る舞台。松竹座も回る。コマ劇場とちがって回転している境目が見えない。不思議。

   火事の場面。客席に煙り(ドライアイス?)が充満。おがくずのような、きな臭い匂いの演出。弓矢の先に本物の火をつける演出。なかなかどうしてすばらしい演出。

   宝塚ではみたことのないような演出。これが古典芸能か?これが歌舞伎か?おおいに予想を裏切られる。歌舞伎は現代。


3,しなやかな動き。

   歌舞伎役者の動き。しなやか。女形はもちろん。チャンバラ、大見栄の男役の実に動きがしなやか。それは宝塚のバレエ的な腕のうごきと似ている。

   宝塚のしなやかさはバレエ。歌舞伎のしなやかさは日本舞踊なのだろう。日本もなかなか。


4,本家の花道。

   花道はおそらく歌舞伎が本家。ハロプロコンの花道よりも観客に近い。しかも主演2人は花道ではなく舞台から降りて観客を一周(3階席の私デスペア、1階席の様子はよく見えず・・)。観客の通路をとおる染め五郎。実にヲタ心をつかむのがうまい。そりや一張羅の着物を着て観劇のマダムの多いこと多いこと。その気持ちもわかる。


5,今時のギャグ。

   2部の開始当初。1時間50分の1部のあとの30分の休憩。その後の2部の始まり。どうしても観客が弛緩している。その観客を引きつけるために2部のはじめ。おどり。そしてはやりのギャグの練閥。「ちょっとちょっとちょっと」「小梅太夫」「青いハンカチのゆうちゃん」。しまいには袂からDVDとCDを取り出し物販の宣伝。おもしろい。

   おどろいた。歌舞伎は古典でも保護文化財でもない。まさしく今の演劇。ほぼ満員なのもうなづける。


   もう一度今度は1階席で見てみたい。ただ残念なのは、これはおきまりなのか、真剣な場面でも観客の笑い声。泣けるテーマなのに泣いている人はいない。ちょっとちゃかしすぎの客。それをどうやら縁者側ものぞんでいるよう。そこんところが残念でもあり、理解不能。
コメント
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